MARUNIの社長ブログ WATATOMO WAVE

2010年9月のバックナンバー

ナポレオン

2010年9月24日

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最近スカパーで、映画「ナポレオン」を観ました。これは、アベル・ガンスという監督が1927年に撮った、かなり古いモノクロ無声映画(オリジナルは12時間)で、80年代に映画監督フランシス・コッポラが4時間に再構築し、コッポラの父親(カーマイン・コッポラ)が音楽を付け、フルオーケストラの生演奏による上映会を行った巨大な作品です。実は私も、当時それを観に日本武道館まで行きました(確か、高校生の頃だったと思います)。

「無声映画+生オーケストラ演奏」という経験は、いまだにこの「ナポレオン」しかありません。今回、スカパーで録画したものを、少しずつコマ切れで観ながら、あらためてこの作品の物凄さを実感しました。

武道館での上映会の時に一番驚いたのは、映画の最後の方で、別の2台の映写機が同時に回り出し(合計3台の映写機となり)、スクリーンが「左」「中」「右」と3つに広がり、それらが(きちんと繋がった)一つの場面を映したり、別々の3つの映像を映したりしたことです。この迫力は大変なものでした。また、3つのスクリーンの着色が、「青」「白」「赤」と、フランス国旗を表現していました。

実は、武道館での上映会で(私が行った日は大丈夫だったのですが・・・)映写機がうまく回らないというアクシデントもあったようです。映写機を同時に3台回すようなことは通常あり得ないことですので、妙に納得した覚えがあります。

この3画面シーンは、スカパーの放映では、全体を縮小して(小さく)画面に納めていました。映画館ですと、スクリーンが突然3倍になるわけですので、その衝撃の違いは確かにあると思います。

さて、この映画では、その他にもオーバーラップや画面分割等、当時の技術を大きく跳び越えた手法がたくさん取り入れてあり、「本当に80年前の映画なのか!」と、びっくりです。映画のオープニング(ナポレオンの少年時代の雪合戦シーン)では、実際にカメラを投げて撮影をしたそうです。これはもう、ものすごい迫力であり、ナポレオンという人物の非凡さ、特異さ、異常なエネルギー感というものを、映像の力だけで実感できます。

このようにして・・・とにかく80年前の作品なのに、前衛的!創造的!挑戦的!まさに「ナポレオン的」巨大な実験映画になっています。それに比べて、現代はと言えば・・・保守的で、失敗を恐れ、小さくまとまってしまう人が多くなりました。社会全体がそのような風潮に支配されているから、仕方ないのかもしれません。でも、だからこそ、このような閉塞感を打ち破るための「破天荒さ」も、時に必要ではないかと思います。

そして今は、それを他者(自分ではない別の人、ヒーロー)に求めるのではなく、むしろ自分自身の内側に発見することが重要ではないでしょうか。すべての人の心の中には、必ずナポレオンのような勇者は住んでいると思います。その勇者の目を覚まし、共に夢をもって、何かに挑戦する。社会を変える前に、まず自分自身を変えてしまう。と、自分自身に言い聞かせてます。

18日(土)、「農商工連携人材育成事業」が開校し、私も主催者として、参加いたしました。農商工連携人材育成事業とは、農商工連携に積極的に取り組もうとする人材を発掘し、様々な講義や実施研修を行うことにより、農商工連携に取り組む人的基盤の形成を目的とするものです。すでに農商工連携「認定」を得ている丸二は、日本の森の現状を正しく把握し、積極的に課題を解決しながらビジネスモデルを構想していく人材を広く育成・支援していくために、本事業にもエントリーし、無事「平成22年度・農商工連携等人材育成事業」の採択を受けることができました(林業では全国で2社)。

そして、この日が最初の講座が始まる日だったのですが、おかげさまで定員を上回る約30名の方々からの申込をいただき、大盛況の中で、本事業がスタートいたしました。今回の一連の講座の中で、中心的な講師を勤めていただくのが、NPO法人農商工連携サポートセンター代表理事の大塚洋一郎先生です(写真)。

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大塚先生は、経済産業省大臣官房審議官として農商工連携促進法の制定に参画し、その後、農商工連携で地方に雇用を創出することをライフワークとするために、公務員を退職し、農商工連携サポートセンターを設立いたしました。つまり、農商工連携事業の産みの親の一人なのです。

大塚先生の講義をお聞きすると、農商工連携事業の意義、国の方向性、雇用の造り方、自然をいかに守っていくか等の具体的なポイントがよく理解できます。いま、政治がうまく行われていない状況ではありますが、国家として大切なことは、このようにしっかりと地道に進められているということも判ります。

また、これだけ多くの方々が、農業・林業の再生に貢献しようとしているという現実も知ることができ、私たちが取り組んでいる加子母プロジェクトの今後に、またひとつ大きな展望が開けてきました。林業を再生することを通じで、環境を守り、経済力を高め、人々の生活に癒しと健康をお届けすることは、きっと持続可能な仕組みになっていくと思います。

一本の木が育ち、天に向かって上昇していくには、30年、50年、100年という途方もない年月が必要です。多分、この事業もそれくらいの長いスパンで考えていかなければならないでしょう。でも、続けていく限り、数ミリずつ確かに年輪が積み重ねられるはずです。その年輪の数が、地球にとって、人々にとって、私たちにとって、とてつもない資産になっていくと思います。今、私たちは、その苗を植えたところです。

9月11日(土)~12日(日)、第5回加子母森林ツアーを行いました。この二日間は、研修でもなく、レジャーでもないのに、とても豊かな知識や智慧、気持ちの良さと感動、自然に対する畏敬の念が、ふつふつと静かに湧いてくるような不思議な体験ができる旅となっています。このような経験(思い出)と住まいづくりが一体になると、きっと豊かな日々の生活が待っていると思います。これから住まいづくりやリフォーム等をお考えの方はぜひ、経済産業省(農商工連携事業)認定事業の本ツアーにご参加ください。とても気楽でリラックスできる特別な二日間になることをお約束いたします。

さて、今回のツアーでは、丸二の「加子母ひのきの産地直送・健康エコ住宅」の第1弾「CASIMO1250」のモデルハウスの施工中の様子を観てきました。加子母ひのきの住宅を、関東・東京地域の方々に、手の届く価格帯でご提案しようという思いで、加子母森林組合の皆様と協力して、造りはじめたものです。すでに上棟し、これから内装に入るところです。これから丸二は、1250万円のひのきの家をはじめとして、さまざまなタイプのエコ住宅を、どんどん供給していきますので、御期待ください。

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ところで、加子母ひのきの、材料としての特徴は、いろいろとあります。

・強度が一般のひのきよりも15%も強いこと。
・色が独特のピンク色をしていること。
・加子母の裏木曽国有林が伊勢神宮の「式年遷宮」のための御神木に指定されていること。
・自然乾燥にこだわっていること(いつまでも美しい木肌)。
・「緑の循環」森林認証会議による「森林認証」材であること。

つまり、加子母ひのきは、日本中のひのきの中で、歴史的にも、文化的にも、また材料の品質としてもトップクラスのものと言えます。

その加子母ひのきを、丸二は、林業再生のために(直径14㎝未満の場合)一本500円のところを一本1000円で購入させていただき、その分、産地直送という特殊ルートと仕組みによってトータルコストを抑え、コストパフォーマンスの極めて高い商品に仕上げているのです。

さて、下の写真は、二日目に訪れた神宮美林の森です。

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ひのきの香りには、様々な効用があります。

・血圧を下げる効果
・瞳孔反射の時間が長くなる効果(=リラックス効果)
・ダニが減少する効果
・森林浴効果(=自律神経を整える効果)

これらはすべて科学的に証明されているものです。それに、ひのきの香りは長く持続しますので、ひのきの住まいに暮らせば、ずっと生涯にわたり長く(この写真のような)森林浴と同じリラックス効果を受けられ続けるのです。これは、とても重要なことだと思います。いま、学校の校舎を木造に戻す方向性が出ていますが、まさにそれは、単なる「自然・エコ」というイメージだけでなく、子どもたちの健康や精神に対する具体的な効用があるからこそと言えます。

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山は、いつも見ても変わらずに、そこにあります。でも、実際は少しずつ少しずつ、変化し、成長しています。ひのきの切り株を見ると、木の年輪があり、その木が樹齢何年かが判ります。さほど太くない木でも、自分が生まれるずっと前からそこに在り、一年に年輪一つ分(数ミリ)大きくなっています。そして、少しずつ少しずつ、天に向かって、上へ上へ伸びています。このような仕組み、設計の神秘に惹かれながら、私たちは「ひのき」が喜んでくれるように、森を大切にしながら、最良の建築を目指して行きます。

最良の建築をプロデュースします。

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