MARUNIの社長ブログ

地震が多いです。ここ数日は千葉県沖のようです。3.11以降、日本列島全体が活動期に入ったらしく、今後は全国的に地震や火山への注意が重要と思います。3.11の時もそうでしたが、何か想像もつかないような事が起きた時、人間は何を優先するかと言うと、やはり「家族」のことです。もちろん自衛隊、警察、消防、役所の方々、政治家、あるいは経営者等は、そうは言っていられません。「家族」を二の次にせざるを得ない立場というものがあるからです。でも、家族の「前に」という意識を持つという意味において、やはり「家族」が軸に成るのです。

数年来、丸二は岐阜県加子母(かしも)の加子母森林組合様と一緒に、国産ひのきの家造りへの取り組みを続けています。国(経済産業省&農林水産省)の認定事業というバックボーンをいただき、林業と建設会社が「直接」つながるという全国的に稀なシステムを構築して、現在様々な展開を進めているところです。

加子母地域とは、岐阜県の一番東側にあり、下呂温泉のすぐ南に位置しています。歴史的に東濃ひのきの産地として有名で、特に加子母の「神宮備林」は、約200年前から伊勢神宮の「御遷宮」の御用材として使われている(言わば)「宮内庁御用達」の山と成っています。その加子母の山とのご縁が出来たことに、私たちは心から感謝しております。

さて、その加子母森林組合ですが、SGEC「緑の循環」による「森林認証」を受けており、国際基準の極めてハイレベルな「森林管理」を行っています。その確かな品質管理による「認証材」は、どこの山でも取れる材木とは違います。強度も高く、色も独特なピンク色で、香りも良い。加子母の人々は古来から山を愛し、伝統を守り、和の精神で、心を込めて見事な「神宮ひのき」を育てています。

加子母森林組合には、「美林萬世之不滅(びりんばんせいこれをたやさず)」という山づくりの理念があります。何世代にも渡って、山を美しく守り続けていくという思いが、そこには込められています。その具体的な形として、「四世代複層林」への取り組みがあります。四世代複層林とは、10年生、40年生、70年生、100年生などの、四世代の木を、同じ場所に混在させて、一緒に育てて行くやり方です。一般的には、ひとつの場所に一斉に苗を植えて、同じ年齢(大きさ、高さ)の木をまとめて育てて行くのが普通です(その方が効率的で、楽なのでしょう)。そしてある時期になって一斉に伐採し、裸になった山にまた苗を植えます。その繰り返しです。

でもそのような方法ですと、山の状態は常に一定せず、風景や森の生態系にも偏り(不自然)が生じます。その結果、持続可能な美しい森からは程遠い、荒れた山になってしまいます。それに対して加子母森林組合は、全国で最も早く「四世代複層林」への挑戦を開始しました。後に林野庁がそれに続きました。すべては「美林萬世之不滅」の理念から発祥したことです。

同じ場所で、10年生、40年生、70年生、100年生の木々を育てる。大きく成った木から順に、一本一本が伐採されて行くのですが、森全体の風景や生態系はまったく変わらない(不変)・・・。まるで「方丈記」の「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と同じ世界です。そのようにして美しい森の調和は持続し、経済活動としての「山づくり」も子孫へと継承されて行きます。

まるで、「家族」のようです。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子どもたち、孫たち。みんなが一緒(同じ場所)に暮らし、家系が継がれていく。それが一番自然なことであり、一番美しいこと。その「家系の形」が(永遠に)先々の子孫まで遺されて行く。私たちが提唱している「加子母スタイル」とは、いにしえの大和(ヤマト)の時代から存在し続けていた、本当の「家族の在り様(スタイル)」へのオマージュとして創造されたのです。

加子母森林組合の内木組合長は、いつもこう言います。「加子母の木は『育った』のではない。『育てた』のだ」と。そこには、トテツモナイほどの、森や木への深い「愛」が内在しています。「親(母)が子を育てる」という人類普遍の営みの原点が、今、加子母の山で静かに息づいている。その瞑想的にも思えるほどの感動の波が、加子母の森には響き渡っています。そしてこの普遍的とも言える自然界の大きな仕組みを、「家(=家族)の在り様」に置き換えた時、私たちが造る「加子母ひのきの家」の価値は、21世紀という新たな時間軸の中で、確かな重心を持ち得るのだろうと信じます。

尾張の時代から山を守る伝統をつなげ、最も日本人的な「和」の精神を継承している加子母という土地には、とても不思議な力があるのでしょう。それが「宮内庁御用達」の「ひのき」を産出している根源的な理由だと感じます。森を守り、家族を守り、そして土地(街、地域、コミュニティ)を守る「思想」の原点を、私たちは加子母に見たのです。その全てを貫く理念こそが、「美林萬世之不滅」であり、そのまばゆい光こそが、2013年(来年)の伊勢神宮「御遷宮」へとつながります。

加子母スタイルは、「日本の未来形」の雛型となるでしょう。これから加子母の名は、日本全国へ広まると思います。日本の文化、家族の原点、住む人を「育てる」家の代名詞として。「母」と「子」の名を持つ、古代大和(ヤマト)の文明の力は、必ず3.11以後の日本を「育てて」行くと思います。私たちは、その大きな流れの中で、感謝の心と使命感とワクワク!を感じています。

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