MARUNIの社長ブログ

地球さんへ

2014年5月28日

5月はゴールデンウィークがあった為か、営業日数が少ない分、とても忙しい感覚がありました。国民としては、休日が多いことは(当然)喜ばしいことですが、国全体の経済力(生産力)という面においては、近年の日本の国力の著しい低下傾向を見ると、むしろマイナスに働いているのかもしれません。確かに休みが増えると、観光、レジャー、グルメ等に対する消費は増えると思いますが、その効果は限定的であり、常に人気次第で持続性も無く、これからの日本の未来を築く様な根本的な新技術や新産業への活力まで結びついていないと思います。要は(日本の最高の強みである)経済力と技術力を軸とした「国力の回復」に向けて、国家の全資源が総動員できていない現実があると思います。

今、原発に対する様々な議論が再燃しています。漫画「美味しんぼ」の表現や、大飯原発の再稼働を認めない判決も出ました。原発(=放射線)は人間の生命に関わる装置であり、人間が全てをコントロールできる様なものではありません。しかしながら地球の内部にある(有限資源である)化石燃料を(今まで通り)掘り続けることも、もうすでに限界です。化石燃料を掘り続けることは、地球(自然界)を傷つけることになるからです。でも一方で、原発利用は人類の生命を脅かすことになります。私たち人間は(長い時間)このジレンマの中で(主義主張とエゴと欲に飲まれながら)化石燃料と原子力発電の間を右往左往して来ました。原発も事故など起こるはずが無いという建前でした。しかしながら実際に(ソ連、アメリカ、日本で)重大な原発事故が起きてしまった。ならば、これから行くべき道は、化石燃料から原発を経由しての、(人も自然も傷つけない)「第3のエネルギー」と成ります。

それは、化石燃料や原発を「止める」という捉え方ではなく、次代へコマを「進める」という概念のような気がします。一刻も早く原発に依存しない社会、けれども自然環境をも壊さない社会を実現する為には、みんなで「第3のエネルギー社会」を目指して行かなければなりません。そのような方向性とビジョンを共有して、今現在の人間社会を(現実的に)支えてくれている様々なエネルギー(化石燃料や原発)への「感謝」の思いも共有しつつ、その上で、「さあ、次へ行こう」と。「賛成」vs「反対」という対立構造から、「共に地球の未来を創ろう」とする人類共通の目標に向かって、お互いの考えや立場を理解し尊重し合いながら、もう1つの新しい社会への進化を目指していく。私たちは過去と現在を肯定的に理解し、その上で、一致団結して(一刻も早く)人も自然も傷つけない新エネルギーを開発・稼働することが大事だと思います。

そのような基本技術はすでに存在していると聞きます。その技術が世に出ると困る産業もあるのでしょう。しかしながら最大の問題は電力コストの様です。先日のNHK番組では、ドイツの再生可能エネルギーは世界一進んでいるが、その分、電力コストが上昇してしまい、多くの企業の工場が次々と隣国に移転しているとのことでした。その隣国では原発による電力供給がなされていて、電力コストが安いからです。よって、現在のような世界的な不況下において、再生可能エネルギーへの転換は容易ではないのも事実です。そのような現実をお互いに共有しながらも、全地球的な見地で物事を捉えて、大きな流れを造って行きたいものです。その流れの中で、それぞれが「第3のエネルギー時代」への適応能力を高め、コストを下げる仕組みを開発して、経済システムを再構築して行く。それだけの時間軸には、まだ間に合うのではないでしょうか。

このようにして考えて見ると、この社会というものには必ず(矛盾する)2つの力が存在していることを感じさせます。陰と陽があって、はじめて全ての物質や思考が発生しているのではないかと。エネルギー問題にしても、化石燃料と原発という(大きく分けて)2つの力が在りますが、お互いに主義主張を持っています。大切なのは(そこで戦い合うのではなく)その2つの力を融合させて、第3の「何か」を(早く)生み出すことではないでしょうか。お互いの力を合わせて、新たな技術、発想、生命を誕生させること。世の中の仕組みの中に(もし)そのような側面が在るとしたら、戦争を経験したことで、戦争を終わらせる(=戦争エネルギーを別のエネルギーへ昇華させる)ことも可能なのかもしれません。要は、その力の(見た目の)現象ではなく本質(真因)を見抜くこと。

私たち人間が現実を生きるとは、このような矛盾する力の中で、いかに自らと社会を進化向上させていくかということなのかもしれません。逆に言うと、矛盾する力(=解決が困難な課題)があるからこそ、次の何かが生まれる訳です。結局のところ、なぜ地球が宇宙空間で浮いているのかも分からない人間に、世の中で起きている森羅万象を都合よくコントロールする力は在りません。そのことに気づけば、大切なことは外界を変えることではなく、自身の内面を変えて行くことしか無いのではと分かります。その思考の根本には、大自然への感謝、大地への感謝が在ります。そもそも「地球」にとっての真の平和とは、実は「人間がいないこと」なのですから・・・。けれどもそれでは宇宙自体の存在否定です。私たち人間は、この美しい地球上に(無料で)生活させて頂けていることへの感謝の心と謙虚さを決して忘れてはいけないと思います。だからこそ、無料で住まわせていただいていることへの替りとして、(この地球上で)次から次へと起こる矛盾する現象に真摯に向き合いながら、そこで味わう困難と悲しみを乗り越え、そこから新しい「何か」を生み出して行く。それが人間の進化向上とつながり、地球(自然)に一歩近づくことに成り、それが地球自身の真の平和に成るのではないだろうか。それこそが、私たち人間が地球に住まわせていただく為の許可証ではなかったのか。

つまり、私たちの人生とは、目の前で起きて来る(答えの出しようのない)矛盾や困難を乗り越えながら、新たな「何か」を創造して行くことなのかもしれません。もし、そのような「矛盾」や「困難」が無ければ、生きる意味の否定にすら成りかねません。人間が進化向上することができれば、地球にとっても(人間が)「無害(無為自然)」な存在に成るのでしょう。地球さんは、そのような(私たちの)進化向上を加速させるために、あえて(人間にとって)厳しい現象や現実を用意しているのかもしれません。と言うことは、(逆に)そこを乗り越えることができれば、それこそが地球さんが最も喜ぶことであり、同時にその結果として、今の私たちには不可能だった問題解決が(次々と)出来て行くのかもしれません。戦争や原発も(もしかしたら)その為に地球さんが用意した(私たちへの)重大課題だったのかもしれません。

未来の子どもたちと未来の地球さんの為に、私たちができることは、やはり(大自然に対する)感謝と謙虚ではないかと、あらためて感じます。その「感謝の心」と「謙虚な思い」を最も強く持っている国民が日本のような気もします。日本にもいろいろな問題が山積していますし、危うい面もあるように思います。それでも(他の国や地域に比べれば)幸せな世界に生きています。毎日のテレビ番組のプログラムを見れば、呆れて物が言えないレベルであることは確かに事実ですが、かと言って、国民全てが無知で無教養という訳では無く、きちんとした時代認識ができている若者も多く見受けます。むしろ大人たちの方に問題があるのかもしれません。今、私たちは(せっかく)厳しい時代を生きているのですから、そこから得られるものを極めて大きいと思います。しかも過去の歴史という蓄積経験も持っています。いよいよ進化向上のための大舞台が出来たのではないかとすら感じます。先ずは、そこへの感謝から始めたいと思います。


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