MARUNIの社長ブログ

2014年12月のバックナンバー

武士道と富士の山

2014年12月19日

師走の総選挙が終わり、与党が解散前の勢力を維持する形での決着と成りました。今回の選挙は、当初は消費増税の先延ばしに対する審判が大義名分でしたが、その後「アベノミクス解散」と成り、実際にはこの2年間の安倍政権全体に対する評価へと変わって行きました。アベノミクスと黒田(日銀総裁)バズーカによる円安・株高誘導は一定の効果は得たと感じますが、この異次元の金融緩和による今後の影響については、未知の世界です。実施した8%への消費増税も、駆け込み需要を喚起したものの、増税後の景気回復は鈍く、やはり10%への再増税は延期と成りました。実体経済を成長させて行く為の成長戦略が未だ明確に成っていないことも不安材料です。けれども永きデフレ不況の時代から脱出する為の起爆装置(大振動)という意味において、挑戦的な2年間だったことも事実だと思います。その恩恵を大企業が享受する中、急激な円安と消費増税による厳しい経営や生活を強いられている人々も在り、その評価は二分されているはずです。資源(エネルギー)を輸入する国として円安は苦しい。一方、消費増税が先延ばしされることで、日本の財政、増税を前提としていた社会保障の施策の遅れも課題として残ります。

ところで、与党が安定多数を確保していた状況の中で、あえて(議席を減らす覚悟を持って)解散を行った本当の目的は何だったのか。消費増税の延期に対する各会派からの反対は無く、国民生活にとっても良い判断だったと思います。憶測としては、(選挙後に)政権の連立先を再編し、安倍内閣で憲法改正の道筋を付ける為ではないかとも言われていました。もしそうであれば、今回の選挙は憲法改正あるいは集団的自衛権の是非を問うという、極めて大切な選択だったはずです。けれども、そのような争点が表に出ることは無く、投票率も(残念ながら)戦後最低という結果で終りました。いずれにしても、今回の結果は、日本の未来を決定づける歴史的選挙だったに違いありません。憲法改正については、様々な考えが在ります。平和憲法を理念として維持したいという思いもありますし、その一方、国のトップ層がそこまでにして憲法改正や国防の強化を実施しなければ成らない程、世界情勢が危険な状態に在るのだろうかという恐怖心も覚えます。共に「国民の生命と生活を守る」という目的は同じです。私たち国民は、本当の事実、真実を知らないので、なかなか正しい判断は難しい。当然、国のトップ層は本当のことは言えないでしょう。全ての情報が開示されれば、その前に(悲しいかな)人間のエゴによる混乱と策略が始まってしまうからです。首相の50カ国以上の外国訪問を経て、(国民には言えない程の)何か重大な危機と直面しているという認識を得ているのでしょうか。

結局、全ての(真の)情報を知らない私たちに出来ることは、その人の「人間性」を見極める事しかないと言うことです。国民が知りえない実情の中で、何が国民の幸福なのかを心底考えた時に、それが(仮に)今の国民にとって理解しがたいことであっても、国を思うが故の判断が取ることが、国家運営者としての責任です。そのような(表側からは見えない)深いところでの本当の責任感の有無こそを、私たち国民は見抜かなければ成りません。でもそれはなかなか簡単なことではありません。人間性と言っても、人間の心、良心の世界などは、そう簡単に見えるものでは無いでしょう。政策はもちろん大切ですが、国の運営を司る方々を選ぶに当たっては、やはり、(自己の利益や命よりも)日本という類まれなる良心の国を愛する心、国家と国民を守る心、世界平和を願う心を持った人物を見つけるしかありません。そう思うと、江戸時代の武士道の精神世界を思い出します。昔の武士、侍は、自らの命を(他者のために)捧げていました。やはりそこには、何か、目に見える世界以上のものを感じられる(信じられる)研ぎ澄まされた感性があったのでは無いでしょうか。見えない世界を信じられる人間こそが、本物ではないだろうか。私自身、そのような物差しを大切にしています。そして、目には見えない世界に対する感性が最も高い国柄が日本であり、だからこそ日本人の精神性は素晴らしいと思うのです。

日本は今、景気回復のために円安とインフレを目指していますが、やはり結局、円高・デフレへと戻って行くのではないかと思います。日本と言う国の価値である「円」は、今後(相対的に)ますます高くなって行くと思うからです。確かに国の財政は危機的状況ですが、世界各国の状況(政治・経済・治安・社会保障等)と比べれば(相対的には)、それでも日本は(国柄も含めて)最高の国だと思います。円高に成れば、輸入に頼っているエネルギーコストも下がり、物価も安くなり、国民生活にとっては恩恵に成ります。今の円安インフレ方向の中では、大企業のみが潤っていますが、その恩恵を(一刻も早く)個人や中小企業へと回しつつ、内需を充実させて行く道、日本の技術を復活させて行く道、観光立国として地方を再生して行く道を開いて行きたいものです。日本が経済的に再興することで、経済面における世界への貢献が可能と成れば、次の戦争への危惧も多少は減少すると思います。米国もEUもロシアも中国も、これからの経済成長はなかなか厳しいのではないでしょうか。そうであれば、やはり可能性があるのは、日本しかないと思います。結局そのことが、他国へ「貢ぐ」結果に成ってしまったとしても、国民の生命と生活を守り、世界平和を実現する道であれば、日本の役割として正しいのではないか。それが日本の(捨て身の)武士道ではないか。

東京に居ても、遠い彼方に富士山を見ることがあります。どう考えても、あの美しき陰影は、誰かが意志を持って制作したとしか思えない完全な姿をしています。世界中探しても、どこにも無い巨大建造物のようです。そう考えると、エジプトのピラミッドも同様な印象を覚えます。先日のあるTV番組で、エジプトのピラミッドと日本の神社との不思議な共通点を特集していましたが、今や伊勢神宮とユダヤとの不思議な共通点もよく知られているところです。日本には全ての世界へと通じる道があるように思います。日本全国には、コンビニよりも多い数の神社があり、ごく普通の一般の方々が、ごく普通に氏神様へお参りに行きます。普通の生活の中に感謝と祈りが在り、普通の風景の中に冨士山(不死山)が在る。そのような国柄としての役割がきっとあるのだろう。縁あってその国土の上で日々を生きる私たちにも、何かきっと大切な役割があるに違いない。人それぞれ違うと思うけど、きっと何か・・・。ビルの谷間から富士山が見える時、いつもそんな風に思います。やはり忍耐と努力で、この日々を超えて行くしか無いのだろう。国も個人も企業も、忍耐と努力で世界に見本を示して行くしか無いのだろう。今回の選挙の結果が、国と世界をより良い方向へ導いてくれることに期待しつつ、私たちは自立して、社会に対して良き見本を示すことの出来る人造り、会社造りを懸命に続けて行きたいと思います。

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