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矛先

群馬県の八ツ場ダムの建設中止は、民主党の選挙公約であり、新政権として解決しなければならない難問のひとつだと思います。これから地元の方々との信頼関係をどのように築き、いかにしてお互いが納得できる形に持って行くか・・・。確かに、とても大変なことだとは思いますが、それが政治というもので、国として積極的、かつ円満に取り組んで欲しいと思います。
そもそも、地元の人々はダム建設を反対していたわけですから、本質的・潜在的な部分において、今の政権と共感し合える合意点が、いずれ見つかるのではないかと思います。とすると、この問題の真の原因は何だったのか、ということになります。計画決定から約50年という歳月は、いったい誰のための50年だったのでしょうか・・・。お互いが矛先を向ける相手は、もしかしたら一緒なのかもしれない・・・そう感じます。
鳩山総理とオバマ大統領との会談風景をテレビで見ました。キャスターは「とても和やかな雰囲気で・・・」と言っていましたが、私には、二人とも極度の緊張感と緊迫感に満ちていたように感じました。お互い、自国の過去の問題や負債をすべて背負い込み、背水の陣にいるわけです。表向きの友好、信頼関係は結べたものの、本当の綱引きはこれからなのでしょう。ただ、国の立場の違いはあるにせよ、「CHANGE」しない限り、国も世界もおかしくなるという認識は共通だと思います。二人が矛先を向ける相手も、実は一緒なのかもしれません。
誠実に努力を積み重ねてきた人々に、光が当たる時代に入ったと思います。野球界では、すでにイチローがそれを体現してくれています。素晴らしい見本です。「地道にコツコツ」がこのような大偉業を成し遂げる様を、世界中の人々にリアルに、かつビジュアルに示してくれましたが、ここには何か、新しい時代への重要なシグナルが隠されていると思います。実は誰もがイチローのように、人生の中で、コツコツと何かを積み上げているはずです。仮に世界一にならなくても、その「地道にコツコツ」が必ず素晴らしい成果に繋がる時代に・・・。
私たちが戦うべき相手、向けるべき矛先は・・・「地道にコツコツ」を嘲笑する人間の心のあり様ではないかと思います。今まで、「うまくやる」ことを賛美し、「地道にコツコツ」を軽視してきたように感じます。政治でも、経済でも、私たち一人ひとりの生き方においても。だから、これからは政治も、経営も、生き方も、地道にコツコツと。そういう方向に向けて、みんなで楽しく助け合って前進しいていくこと。そんな風に思いました。