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自立と丸二の道

御嶽山の噴火後、2つの大型台風(18号、19号)が日本列島を横断し、自然の猛威が継続中です。これらを単なる自然現象と捉えるか、あるいは大自然からの警告と捉えるか。物事の見方は人それぞれですが、3.11を含めての大きな時代の流れと捉えれば、きっとそこには何かしらの予兆が含まれている様な気がします。日本経済の先行きについても、日本だけの世界であれば、きっと良い方向へ向かうと信じられるのですが、今は全てが複雑に関係し合っている世の中ですので、他国の苦境が日本にも大きく影響するでしょう。よって未来のことを正確に予測することなど全くもって不可能に成って来たと思います。もしそうであるとすれば、むしろ答えは簡単で、今できることを懸命にやる以外ありません。
過去の成功体験が通用せず、(その上)未来を読むことさえも出来なければ、私たち人間は、素直に今を生きるしかありません。否、本当はいかなる時代においても、「今を生きること」しかなかったのかも知れません。そのことにやっと気づきました。私たち一人ひとりが、今の生き方に応じて、それぞれの未来を手にする。だから全体として良い時代(社会)とか、悪い時代(社会)とかと言う概念は無くなって行くような気がします。そもそも、この世界には「私の人生」しか存在しない(知覚できない)のだから、「私の人生」にとって良いことは良く、悪いことは悪いという当たり前の評価しかありません。この世の中には、多数の人間が存在しているのですから、評価は未来永劫一致しないに決まっています。他人からの評価を得る為に、「私の人生」を売り渡すのではなく、「私の人生」を真っ直ぐに歩んでいく。だからこそ、今を生きる。
「私の人生」を歩むとは、「私の課題」を歩むことであり、「他者の課題」を歩む(介入する)ことではありません。人は自分自身を仕上げることに全力を傾け、自分自身を仕上げることによってのみ、(本当の意味で)他者に貢献することが出来るのではないかと思います。それは(決して)自己中心的に生きると言う意味では無く、(むしろその真逆で)みんなで自立し合うことであり、お互いがお互いの自立を応援し合うことのような気がします。他者や社会に依存する意識のままでは、この世界はいつまで経っても本当の自由、本当の幸福を実現できないと感じます。戦争や自然災害も、そのような個人の自立を促す為のシグナルの様に感じます。これほどまでに先行きが不透明な時代(=視界ゼロメートル)に成ったという現実を見れば、「今」と「私」を観ることに全神経を集中する以外に道はありません。
人生とは、「今」の連続であり、未来は永遠に届かない(北極星に向かって歩くような)ものです。ならば、「今」と「ここ」を「幸福」にすることしかありません。それが真の自立であり、その自立を実現する根元的エネルギーこそが「感謝の力」ではないかと思います。私たち丸二は、「感謝の心」をとても大事にしています。お客様や縁ある方々への感謝と共に、自然の恩恵への感謝、そして今ここで生きている(生かしていただいている)ことへの感謝。その意識が、瞬時に「今」と「ここ」を幸福にし、一人ひとりを自立へ促すと考えます。言い方を変えると、不平不満があるという時点で、自分は何かに依存していることに気が付くのです。つまり、相手(他人や社会)が「こうしてくれない」「ああしてくれない」と思う時点で、その相手に従属している(支配されている)自分自身を認めてしまっているからです。よって、「全てが自分の責任」という認識は、決して重い責任論ではなく、むしろ極めて明るく幸福感に満ちた(心、軽やかな)自立心の現れではないかと感じます。「全てが自分の責任」と思える人は、どのような時代になっても、幸福な人生を歩む成功者だと思います。
これからの時代の経営において、最も重視すべき点は、社員の人間性に在ると思います。その人間性という基礎の上に、素晴らしい智慧と技術が乗るのです。とは言え、個人の人間性は本人の課題です。会社としては、社員一人ひとりの真の自立を応援することしか出来ません。けれども、そのような応援こそが最も大切だと思います。実際には、人間の成長は日々の仕事の中で培われていくものです。ただ、人によっては、技術やノウハウ等のスキル面の成長だけで終って行くケースが多いと思います。けれども本当は、仕事ほど自分自身の人間性を成長させ、自分自身の自立を促すものはありません。その機会(チャンス)を与えることは、経営として充分可能ではないかと感じています。建設業は、建物の建設と同時に、自分自身の建設もできる素晴らしい仕事です。スキル面の成長という半分と同時に、もう半分の人間性の向上(自立)までを共に応援し合える企業文化を築いていくこと。そして、お客様と地域社会に大きく貢献して行くこと。これが私たち、丸二の道です。