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機能美について

日本が外国に比べて劣っているモノの一つに、「デザイン性」があると思います。特に景観や街並みは顕著です。否、「デザイン性」というよりも、「機能美」と言った方が正しいのでしょうか。つまり、機能性にトコトンこだわった結果、自然に生まれ出てきた色や形、質感、素材・・・そして、それらすべての総合力。これらが全く違うような気がします。素晴らしい宝石やバッグや時計にしても、何か作り手の思想のようなものを感じます。街並みにしても、そうです。それはあたかも、使いやすさと美しさが共存できる最小公倍数を求めているかのようで、数学的な「美の力」がそこにはあると思うのです。現代の日本においては、中途半端な機能性のみの追求に終始してしまい、そのモノが持つ本来の目的や本質を見失っているような気がします。特に、家、住宅、建築においては「くつろぐ」という思想が必要です。そのような意味において、「建築医学」では住む人がどのようにしたら「くつろぐ」のか、それを医学的な検証を元に行っていると言えます。ところが実に面白いことに、この「建築医学」にこだわればこだわるほど、きわめてシンプルで美しいデザインになってしまうのです。これが非常に面白いところです。外国のブランド品が永きにわたって支持されているのは、機能性の先にあるデザイン性が優れているからでしょう。決して機能性を無視してはいないはずです。「建築医学」という機能を磨くことで、美しい住まい、街並み、景観が生まれたら、日本はもっと素晴らしい国になるだろう・・・本当に、そう思います。