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強く!

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天皇陛下の手術が無事に終わり、とても良かったです。日本が有事になると、必ず天皇陛下は身を捨てて、国民を守ろうとされます。それはいつも(24時間365日)国民の幸福を思っているからでしょう。昨年の3.11以降も、たびたび被災地へ足を運ばれ、被災された方々をお見舞いし、東北の地への鎮魂の願いを捧げていらっしゃいました。そのご心労が今回の手術になったとすれば、本当に、只々ありがたいと、感謝せずにはいられません。このような国を思う力があって、日本と言う国は、様々な困難を乗り越えられたのだと思います。
私たちは、もっと他者への思いを「強く」持たなければならないのでしょう。自分の事と同様に、他者への思いやりを「強く」持つことで、廻り廻って、自分自身に返って来ると思います。つくづく残念なのは、今、ギリシャ発の欧州危機がいよいよ差し迫った状態になってきましたが、日本はギリシャを助けられなかったのか・・・ということです。日本の財政赤字の問題は確かにありますが、諸外国との比較から言えば、(最近の超円高が示すように)日本は(相対的に)世界一であることは間違いないと思います。
もう世界の通貨の中で、信用できるのは「円」しかないと思います。ユーロも米ドルも、本当にどうなるか分かりません。そうとなれば、もっと円を供給し、世の中に安心安全な通貨を流通させることで、国内と世界の経済の「血流」を良くすれば、自ずと日本経済も健康体となり、税収も上がり、国の財政も改善できると思います。今の状態で増税をして、さらに経済の流れを止めてしまうと、いよいよ動脈硬化になってしまうのではないでしょうか。
円が強いということは、私たち日本人も強く在らねばならないということ。その責任が大きくなってきたということ。だからこそ、リスクを持って、事を動かすことのできるリーダーが必要です。私たち一人ひとりが、そのような強い意志を持って、良きチームワークを組んで、この現状を打破していかなければなりません。テレビで天皇陛下のお姿を見ると、「サイレント・パワー(静かなるカリスマ)」を感じます(以前、こういうタイトルの本を読みました)。静かに、物凄いことをしている。日本人の強さはここに生きていると思います。
※田園交響曲
昨年の3.11以降、被災地のことを思う時、心の中ではベートーヴェンの「田園交響曲」が響きます。東北の美しい風景、田園、自然、踊り。そして巨大な嵐がやって来て、人々を襲いますが、それもだんだんと遠ざかり、次第に静まり、また長閑で平和な時がやって来る。田園交響曲の最終楽章は「感謝」がテーマです。いつかきっと、共に喜びと感謝を心から感じられる時が来ますように・・・。クレンペラー指揮ベルリンフィルの演奏は、人間業を超えた自然界の強い意志を感じさせるものです。いま私たちは、大自然の叡智から、大切な何かを学んでいるようです。

良心宇宙

昨日、録画していた映画「光の旅人 K-PAX」を観ました。自らを宇宙人と名乗る男と精神科医とのお話ですが、最終的に本当の宇宙人だったのかどうかの答えはありませんでした。でも私は、この人物(=人間)の中へ、宇宙人の魂が入った(ウォークインした)のではないかと勝手に想像しました。この人物には、極めて凄惨な事件によって愛する家族を失った過去があり、その結果自らの命を絶つ状況に至ったのですが、その瞬間、別次元のある意識が彼の中へと入り込み(ウォークインし)、内側から彼を救い、最後はそれを見届けて去って行ったのではないかと。
もちろん映画ですので、非現実的なドラマです。でも、人間が創り上げるあらゆる事象(物語も含めて)には、何かしらの比喩が含まれているとも思います(意識的であれ、無意識的であれ)。宇宙人がいるかいないかは別にしても、誰もが等しく保有する「良心」という世界は存在すると思います。それは、無限の広がりを持った宇宙空間のようなもので、誰の心の中にも、その無限の「良心宇宙」へアクセスできる端末が在るのではないかと。でも、そのアクセス機能の性能が、人(生き方や経験)によって様々なのかもしれないと。
人間は、(時に)この「良心宇宙」との通信を遮断してしまい、糸の切れた凧のような人生を歩んでしまいます。それでも、この「良心宇宙」は、全ての人間に対し、平等に存在していると思います。映画では、その回線を回復する存在として、未知なる生命体を描いていましたが、実際の私たちの世界では、それは「自分自身」でやらなければならないことです(そこが厳しいところです)。
誰の心にもある「良心世界」をいつも意識し、その回線を切らさず、その「良心世界」の情報に耳を傾けて生きて行くことが、21世紀の生き方のように思えてなりません。昨日、別の録画番組で「坂本龍一×岩井俊二」の対談を観ましたが、今の世の中は本当におかしくなって来たということを、もう誰もが理解していることが分かりました。笑ってしまうくらい、どうしようも無いと。
坂本龍一氏は、「モア・トゥリーズ」という森を守る素晴らしい運動をされていて、私たちも心から共鳴し、勉強をさせていただいております。そのような高い意識や志を持つ方々のお話をお聞きすると、結局は、人としての良心の問題ではないかと気づかされます。今までは、この「良心宇宙」の声を無視しても、うまくいった(成功した)時代だったのかもしれません。でも、これからはそうはいかない。本当に「良心宇宙」との通信を行い、その声に誠実に耳を傾けていかない限り、人や社会、国家は、無くなってしまう。映画のような助っ人は、実際は来ないのだから。
そう考えた時に、この時代の大変革の意味がよく見えてきます。とてもシンプルなことで、私たち一人ひとりが日常(生活、仕事)の中で、良心に従って生きること。ただそれだけではないのかと。そこを試されているのではないのかと。その一人ひとりの良心の総和によって、良き世は生まれる。建築も同様で、建設作業に関わる一人ひとりの思いによって、良き建築が生まれるのだから。
これは、宮澤賢治の有名な言葉「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」へも通じます。一人ひとりの良心の粒が全体を造り上げ、その結果として、良き社会が生まれ、個人の幸福へと戻って来る。一人ひとりの「良心宇宙」との交信は、世の中(全体)をより良くすることで、個人をより良くする形へと、変容していくものなのでしょう。
これからは決して難しい時代ではなく、極めて簡単な時代に成るということのようです。国も政治家も、そして私たちも、よりシンプルに「良心宇宙」との回線をより強固にリフォームしていくことです。そうすれば、自ずと様々な問題は解決していくのでしょう。よって、(映画のような)宇宙人は、既に一人ひとりの心の中に「在り」、毎日、一生懸命に「良心宇宙」との回線を直してくれているのかもしれません。そう考えるだけで、何となくワクワクしますね。

ワクワクの振動

2012年の1月が終わりました。今年は元旦に地震があり、それ以降も小さな揺れを感じます。辰年の年に、龍の形をした日本列島が、昨年来からの大振動を繰り返しているように思えて仕方ありません。それはとても怖いことでもありますが、日本(世界)がこの大難を乗り越えるために必要な経験なのかもしれません。もう国や政府に頼る意識は完全に失われました。多分、それは幸いなことなのでしょう。個人個人の中に「自分自身が本物になっていく以外に道は無い」という決心覚悟が生まれてきたのだから・・・。
その個人の力の結集によって、日本(世界)は新たな時代へ入って行くと思います。その流れの中で、私たちは「生きる」ことを通じて、自分自身を成長させていく。個人の成長と世界の変革が、同時にリンクする貴重な時代に生まれてきたという実感があります。今生きている人たちは皆チャレンジャーだと思います。
そうとなれば、素直に挑戦をしていきましょう。混沌は無限のチャンスに満ちています。価値観も変わり、システムも変わります。むしろ現状維持の方がリスクかもしれません。過去の固定観念を捨てて、新しい次元へ向かって行くために、自分自身の可能性を信じて挑戦をしていくこと。これからはそういう意識で生きて行く時代だと思います。そのためにも自分自身の「良心」を信じて、信じて、信じ切ること。もうそれだけだと思います。
このように考えてみると、何かワクワクしてきます。今までの時代の旧態依然とした常識とかルールを覆すチャンスが来たからです。日本列島の振動を、自らのワクワクの振動に変換し、かつ増幅することができれば、これからの時代をとても面白く生きていけそうです。その変換装置は、「信念」だと思います。「今この時代に生き(生かされ)、多様な経験ができ、良心がぐんぐん大きくなり、心から嬉しい」と信じられる、「信念」です。信念は「新年」で、新たなスタート。2012年を、良き一年にしていきたいと思います。