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風水生活セミナー

先日(5月19日)丸二本社にて、「第1回風水生活セミナー」を開催させていただきました。ご参加いただいた皆様に、心から感謝いたします。本セミナーは、通常とは少し雰囲気を変えて、平日の午前11時からお昼の12時30分までの時間帯とし、ケーキと紅茶を楽しみながら、気楽に住まいの環境についての情報提供をするもので、とにかく敷居の低さと参加のしやすさを一番のコンセプトにしたものです。
「風水生活」とは、多くの人々が日常生活の中で無意識のうちに影響を受けている「環境ストレス」を緩和させることで、心と体を健やかに改善することを目的とした生活の在り方を言います。「風水」というと、どうしても占い的、方位学的なイメージが付いて回りますが、私たちは、あくまで建築(住まい)と自然環境との調和を優先させ、かつ統計学的な要素と大脳生理学的な要素も加え、多くの方々に理解しやすい実践的なご提案をしています。今後も、二か月ごとに開催する予定ですので、ぜひご気軽にご参加ください。
尚、美しい音楽をきれいな音で聞くことも、ひとつの風水生活ですね。仕事から帰った後、リビングで寛ぎながら好きな音楽を聞くと、心が癒され、気持ちも前向きになり、明日への活力も湧いてきます。例えば、マーラーの交響曲第2番「復活」の最終楽章を聞くと、大きな感動と共に、明日へのやる気で満たされるはずです。そのようにして、日常の生活の中に、「感動」や「癒し」をインストールし、自分自身の感情をより良い方向へ導いていくことが風水生活のひとつですし、それは住まい造りと密接な関係性があるのです。
※迫力満点のマーラー:交響曲第2番「復活」
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交響曲第2番『復活』 テンシュテット&ロンドン・フィル(1989 ステレオ)
少し前に発売された、マーラー指揮者の第一人者テンシュテットの1989年ライヴ盤です。音質はまあまあですが、音楽はとても素晴らしく感動的です。かなり長い曲なので、終楽章だけでもいいですね。マーラーは、本当にすべての交響曲が感動的です。

安全、挑戦の文化

先日、第18回安全衛生大会を開催し、約80社の協力会社の皆様にお集まりいただきました。一年に一度、安全に対する意識を高め、無事故・無災害の現場管理を継続していくために、非常に重要な機会です。
今回も、一昨年に引き続き、建設業労働災害防止協会の中込平一郎先生に記念講演をお願いし、「物から人へそして組織へ・・・安全のうつり変わり」というテーマでのお話をいただきました。その中で、日本は「恥」の文化であり、「ルールを守らない」などと言う「みっともないこと」はしない国民性があった・・・とお聞きしました。
そう考えた時に、今の日本は大丈夫だろうかと考えます。ルールを守る、規律を守る、約束を守る・・・という基本を軽んじてはいないかと。それは、現場の安全のみならず、人生の安全に関わることと、あらためて認識しました。
また、私の挨拶としては、現在の業界に対する考え方を話させていただきました。つまり、「建設業界」は、とても良い方向に向かっていると。今までのような利益第一の業界体質から、本当にお客様本位の世界に変わってきました。
つまり今までは、「まず利益、次に技術、最後に心」でした。でもこれからは、「まず心、次に技術、利益は後から(きちんと)付いてくる」、このように180度の大転換が始まったと感じています。とすれば、今までひたむきに、考え方や心がけを大事にして、良い仕事を目指してきた会社(人、職人さん)にとっては、やっと光が当たる時代になったということです。
丸二も、十数年前から、そのような時代に備えて、出来る限りの準備をしてきました。何度、逆戻りしそうになったか分かりません。でも、その「決心」をもって、心を第一とする感謝経営を持続してきました。もちろん、まだまだその道は半ばですが、新時代のゲートが開き始めた今、大いなる自信を持って、お客様や社会に貢献していきたいと思います。丸二にとっての安全とは、挑戦の文化です。

映画「街の灯」と般若心経

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スカパーで録画した、チャップリンの名作「街の灯」を見ました。昔、何度も見た記憶がありましたが、各シーンを断片的にしか覚えてなく、今回あらためて全体像を理解することができました。本当に素晴らしい作品です。チャップリンの動作や表情は見事で芸術的。現在のお笑いタレントさんに、ぜひ見てもらいたいものです。命をかけた芸と、世間に迎合するための小手先のセンスとの差は、もう歴然としています。
物語も楽しく、愉快で、深く、そして悲しい・・・。盲目の美しい花売り娘のために、わが身を捨てて、目を治すためのお金を得ようとする浮浪者チャップリン。何とかお金を娘に渡せたものの、自分は警察に御用となる。そして最後の有名なシーンは、もうどうしようもなく、微笑みと悲しみが交錯する真実の瞬間。
娘は、目を治すためにお金を出してくれたのは、きっと紳士のお金持ちと想像していたでしょう。その彼女の眼の前に現れた、出所してきたばかりの浮浪者チャップリンは、彼女の目が治ったことを知り、心から喜び、微笑み、そして立ち去ろうとします。娘は、このかわいそうな浮浪者に花を一輪あげますが、その時触れた手の感触、服の感触、そして顔の感触・・・。
「この人こそが、あの人」と知った時の、彼女の何と複雑な表情。この世の全ての人間が持っている「何か」が、私たちの心を突き刺します。そして、チャップリンの嬉しくも悲しい無垢なる表情のアップのまま、この映画は「完」となります。
そこには、何か・・・般若心経の「色即是空、空即是色」の世界を感じます。見えるものは「空」であり、見えないものこそが「実体」であると・・・。目が見えない(満たされていない)時、心は清らかに光り輝き、本質(実体)を捉えることができる。でも、目が見えるようになると(満たされると)、本質(実体)が見えなくなる。ここに、この世が修練の場として存在しているという、道理の世界を感じ取ります。
この「完」の後、彼女はチャップリンにどのような気持ちで、どのように話したのでしょうか。それは、見終わった私たち一人ひとりが、彼女に成り代わって、考えるべきことなのかもしれません。ただひとつ言えることは、そこにこそ「真の幸せとは何か」という永遠の問いに対する答えがあるように感じます。

友人が指揮者に!

ゴールデンウィークの最終日の5月5日、中学校時代の友人が初舞台を踏むコンサートを、仲間たちと見に行きました。どのような初舞台かというと、なんと「指揮者」としてです!もともと音楽好きでピアノが弾けるとは言え、実際のオーケストラの指揮をすることなど、普通では考えもつかないことです。
でも彼は永い間、仕事をしながら指揮法の勉強をして(教室に通って)、とうとうフルオーケストラを前に、モーツァルトの交響曲第40番ト単調を振る機会を実現しました。「思いは通じる」「思いは実現する」と言いますが、実際にこのように一人の友人が夢を達成した姿を目の当たりにすると、(驚嘆とともに!)心から「おめでとう!」という気持ちでいっぱいになりました。
このコンサートは、日本の指揮法指導の第一人者である(サイトウ・キネン・オーケストラで有名な)斎藤秀雄氏に師事した、村方千之氏の主催によるもので、村方先生の生徒さん達が、日頃の成果を発表するものです。彼は、その発表会のトップバッターとして、モーツァルトを振りました。そして、とても素晴らしかった。
指揮法の基本をマスターしたこともあり、その姿はとてもシンプルで無駄がなく、余計な動きや大げさな表現を抑制し、自らの存在を消して、ただ音楽そのものだけを浮かび上がらせようとする、真摯で謙虚な姿勢を感じました。音楽自体もそれを受けて、とても素直で快活で、でも温かい悲しみに満ちたモーツァルトの40番らしい美しい調べとなって、会場に響き渡りました。
もちろん彼はプロではないし、しかも初舞台で、思うようにいかなかった部分もあったのかもしれません。それでも、終了後の彼の達成感で一杯の表情を見て、「なんてかっこいいのだろう」と感激しました。
夢を実現するには、「ワクワクしてやることだ」と言います。きっと彼は、自分自身がワクワクすることだけを、淡々と続けているのかもしれません。まわりの人がどう言おうと、どう感じようと、自分自身がワクワクすることをし続ける。そういう精神力の強さこそが、人生をより豊かに楽しくするのではないでしょうか。
ところで、彼の指揮姿がとてもシンプルだと書きましたが、往年の有名な指揮者の古い映像等を見ると、実は本当に動きが小さくて、静かな指揮ぶりであることを発見します。例えば、とても大きな音響の部分などを聞くと、さぞかし指揮者も大きく振りかぶったり、飛んだり跳ねたりしているのだろうと想像してしまいますが、実は指揮棒がほんの少し動くだけだったり、顔の表情だけで音を出しているようなこともあります。
クナッパーツブッシュという変わった名前の指揮者(昔のとても有名な大指揮者です)の白黒の映像を見ると、腕を少し前に出すだけで、オーケストラから「グァー!」という大音量が響き出ます。何というか、テクニックではない、精神の音なんですね。音楽とは不思議なものです。