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心安らかな場所

日曜日は、昨年完成したコーポラティブハウスの祝宴に、社員と参加いたしました。「共生の時代」とは言うものの、「住」という分野においては、むしろ「プライバシー」を優先する傾向が強く、隣近所とのご縁はできるだけ避けようとするのが普通。それにも関わらず、このような人間関係を積極的に求めていく「コーポラティブハウス」の場合、必ずこのような祝宴があって、必ずとても楽しく温かい場となります。私たちとしても、本当に嬉しい時間を過ごさせていただきました。皆様、本当にありがとうございました!
通常、集合住宅(マンション)を建設する場合、施工会社は、建主様(オーナー様)との打ち合わせを基に建築を進めていきますが、完成後に住む方々(購入する方、賃貸する方)と会う機会はあまり無いのが普通です。ですから、このように実際に住む方々とのふれあいはコーポラティブハウスならではのものです。
丸二も、おかげさまで現在11棟目のコーポラティブハウスを建設中ですが、このような、たくさんの「ふれあい」をおかげで、大きく成長させていただきました。建設業は、そこで生活する人の人生に大きく関与している・・・この気づきを得られるかどうか。ここが、21世紀に建築のテーマではないでしょうか。
人生において、住まいほど心を安らかにする場所はありません。人は・・・住む場所が無いと暴動を起こします。人は・・・マイホームを持つために、ローンを組んで一生懸命働きます。人は、安住の地を求めて戦争をします。なぜか・・・。その場所こそが、自らの心を安らかにし、人生をより豊かでより良い方向へ向かわせるという絶対的な確信があるからです。それほどまでの思いを、感じられる感性・・・これが大切なのだと思います。
環境、エコ、健康、自然という視点から見ても、まだまだ建築の分野は遅れています。日本は、多分・・・相当遅れているのではないかと思います。現状に流されている。未来を考えられない。強い力に抑えられている・・・。いろいろと理由はあるでしょう。でも、いずれは分かること。だから、丸二は、そのような感性を持った先進的な方々と共に、新しい取り組みを続けています。

崩壊と建設

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その日のまえに
重松 清
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チャイルド44
トム・ロブ スミス
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2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった
船井 幸雄
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恐慌前夜
副島 隆彦
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崩壊前夜 日本の危機
森田 実
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暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠
副島 隆彦, 佐藤 優
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新しい日本を建設する
藤原 直哉
年末年始に読んだ主な本です。結局のところ、「日本の構造改革とは何だったのか。それは、既存の日本の社会の破壊であり、世界帝国としてのアメリカに対する属国化であった(藤原直哉氏)」というところが、本当のようです。ああ、本当に残念でもったいないことをしてしまった・・・。でも、それを選んだのは国民なのだから、いまさら後悔をするのではなく、前向きにやっていかなければいけないですね。昨今の様々な情勢は、誠に厳しいけれども、これは大きな流れの変化であり、チャンスでもあります。だからこそ、現実を直視し、本当のことを知って、その上で明るく温かく元気にやっていこう。そのような勇気を、これらの本からヒシヒシと感じ取ることが出来ました。ちょっとタイトルはキツイけど!
最初の二つの小説も、とてもよかった。「その日」とは、「死ぬ日」のこと。余命わずかな病気の妻に、近づいてくる「その日」。でも・・・私たち人間は、全員「その日」の前を生きているわけです。ただ「その日」がいつか知らないだけ。だから、無意味な日々を過ごしているのかもしれない。「その日」がいつかを知ってしまった人は、毎日を大切に大切に生きている。どっちが豊かで幸福なんだろう・・・。「チャイルド44」は、旧ソ連を舞台にした、子どもばかりを狙った大量殺人事件を題材にしています。犠牲者44人(以上)。最近、確かに残虐な事件が増えていますが、きっと昔の方が酷かったのかもしれません。時代は、多分ですが、少しづつ良くなってきていると思います。
崩壊の後には、必ず建設が始まります。そういう意味で言うと、今から「建設」に向けての準備や着手が必要です。その際のキーワードは、「自然との共生」「お客様の満足」「人や社会の役に立つ」ではないでしょうか。今こそ時代を先取りする勇気と行動が必要です。崩壊を恐れるのではなく、その先を見越して、楽しく手を打っていく。そういう状態に自らを置くことこそが、最高の安全対策だと思います。

お天道様とお月様

11日は、美しい満月を見ることができました。今年最初の満月ですね。とても明るく素晴らしかった。でも、このように28日周期にキチンと巡って来る満月の不思議は、いつも月を意識していないと感じられないものです。他にも様々な「不思議」が宇宙全体には存在しているはずですが、私たちは本当に知らない(知ろうとしない)し、何も分かっていないのでしょう。人間は、何かすべてを知っているかのように威張っていますが、それは傲慢というもので、とうとう自然や経済の流れが変わって、謙虚さを知る時代になったと思います。
もう人間が勝手に作り出した「常識」に捉われず、太陽とか月とか星とか山とか川とか海とか花とか鳥の声とか虫の声から感じたものに従った方がいいのではないか・・・。美しい絵とか美しい写真とか美しい音楽に心を奪われた方がいいのではないか・・・。昨今の「新自由主義」が、人間の精神から真の自由を奪う結果を導いたとすれば、これからは「新自然主義」の時代になっていくでしょう。人間も自然の一部ですから、この自然界の摂理に従って、共に楽しく生きていく。この大転換は、仮に一時的な困難を招いたとしても、今を前向きに、誠実に、できるだけ正直に生きている人々にとって、やっと得られる安心の社会を創造することになると思います。
さて話は変わりますが、私が毎朝、会社まで歩く道の途中に、2つのラーメン屋さんがあります。両方ともなかなか流行っています。でも、この2つのラーメン屋さんには、実は大変大きな違いがあります。それは味とか量とか値段ではなくて、「臭い」です。私が前を通る時は、もちろん朝なので、お店は閉まっています。でも、閉まっている状態が違うのです。最初に通る方のお店は、お店の前にいろいろと荷物等が置いてあるのですが、毎朝きっちりと整理整頓されています。また、お店の中からの臭いも全くありません。とても気持ちいい。ところが、後に通る方のお店は、道が汚く、不潔で、とにかく周辺に異様で強烈な臭いが立ち込めています。決してラーメン自体の臭いでは無く、要するに生ゴミの腐敗臭です。ここは、息を止めて通ります。
お店を開ける店員さんは、間違いなく気づいているはずですが、きっと気にならないのでしょう。周辺にどれだけ不快な思いをさせているのかを・・・。このように、とても小さなことですが、わざわざ「徳」を浪費していくのはもったいないですね。もう一つのお店のように、「ご近隣にご迷惑のないように」という心掛けが、「徳」を少しずつ積み重ねていくのだと思います。これからは、「徳」の総量が一番の資産になる時代。私たちも、このような小さな気づきを大切にして、行動して行きたいと思います。お天道様やお月様に笑われないように。

温かい社会へ

今、社会から温かみが失われているような気がします。世の中にはいろいろな人がいて、それぞれの価値観で生きているわけですが、基本的に、人はどこかひとつの国(組織)に所属をしていて、お互いに助け合うという「互助組織体」の一員になっているはずです。その中には、いろいろな考え方があって当然ですが、でも、苦しい環境にいる人を助け合うために税金や社会システムがあって、それを「温かい心を持って」確実に動かしていくのが政治・行政の役割であることは間違いないと思います。
今、その大切な税金が、苦しい人を救う方向に回らず、為政者たちの物質的豊かさのために随分浪費されてしまったような気がします。坂本哲志総務政務官が、「本当にまじめに働こうとしている人たちか」という発言をしましたが、一般の民間の人たちの中にも(もしかしたら)同様の思いを持っている人がいるのかもしれませんが、為政者の心の中だけには、絶対あってはならないことだと思います。全ての国民が、このような状況に陥らないように、最善を尽くし、仕組みを作り、税金を活用することが役割・本業であるのに・・・。もちろん、結果的にそう出来ないこともあります。でもその時は、「申し訳ない・・・」という思いこそが、口から出るはずだと思うのです。
思うに、政治や行政とは、仮に反発があっても、弱い立場の人の側に重心を持って行かなければならないと思います。仮に、強くて豊かな人たちからの反発があっても・・・。国は「互助組織体」であるという原理原則から言うと、そういうことなのではないでしょうか。ここ数年の日本は、明らかに強き者の側に大きく重心を取って、数々の改革を行ってきました。また、そうしなければ、悲しいことに、自らの立場を守ることができなかったのでしょう。でも、もうこのような瓦解が現実的に始まった以上、本来の「互助組織体」に戻す良いチャンスが来たと思います。富の再分配をして、みんなで助け合おうと。
全てのシステムや考え方を変えるのには、相当の時間と労力が掛かります。だから、せめてそういう「温かい思い」だけでもいいから、お互いに発信し合っていこう。この国の現状は、逆に何か新たな気づきを生み出す「未曾有」のチャンスです。必ず、日本ならではの、面白い転換があるような気がします。この時代に生きていることに感謝をして、その大転換の中で、楽しく元気に前進していきたいと思います。

年頭挨拶

明けましておめでとうございます。いよいよ2009年が始まりました。自分自身の外側で起きることの全てをコントロールするわけには行きませんが、自分自身の内側で起きることを調整することは可能だと思います。今年からは、そのような認識を持ち、外側で何が起ころうとも、(その現象の本質をしっかり理解した上で)自身の内側を整えていくことが最も求められることになりそうです。
とするならば、会社も同じで、周りがいくら不景気だと騒ごうとも、お客様のご期待に応えられる付加価値を提供することに全力投球さえして行ければ、外側で起きていることの影響を受けない状況を生み出すことができるのではないでしょうか。2009年からは、(本当の意味で)21世紀に入ったと感じます。内側を鍛える時代です。人の心、会社の心というものが、最後には大きなパワーになる。だから、一人ひとりの心の安定が大切です。
人や社会に依存する時代から、自身に内在する心を強くする時代へ。そういう意味においては、このような時代は、心を鍛えるのに一番最適な環境かもしれません。いくら厳しい時代と言っても、かつてのソ連の共産主義社会のような統制に比べれば、今はずっと安全で幸せです。いろいろな意味で、選ばれた時代に、選ばれた人たちが、それぞれの成長を試すカリキュラムが始まったような気がします。私も、丸二の社員さんたちも、今の時代を楽しむために、ここに集まってきたのです。
さあ、これからが楽しい川下りですね。今までやってきたことに誇りを持って、そして信じて、「今」に全力を傾ける。来るべき未来は、その流れに乗れば大丈夫。そういう気持ちで、新しい一年を始めてみようと思います。丸二の付加価値は、ルネス工法、外断熱工法、パワーコンクリート工法、自然素材、建築医学、風水科学、コーポラティブハウス等々、いろいろありますが、最大の長所は、社員全員の「温かさ」です。厳しい外側の環境を乗り越えるのに必要なことは、意外にも、この「温かさ」のような気がします。今年も一年、何卒よろしくお願い申し上げます。