Blog 社長ブログ

加子母森林ツアーと龍神様

この土日の二日間、恒例の「第7回:加子母森林ツアー」に行って来ました。今回の参加者は19名で、いつものように和気あいあいとした時間を過すことができました。一番心配だったのが天候でしたが、このツアーは、今まで(台風の予報が出ていても)不思議と雨にあったことがなく、きっと今回も大丈夫だろうと思ってました。
ところが、中津川インターチェンジを降り、加子母に近づくにつれて、空が急に暗くなり、真っ黒い雨雲が空を覆い始め、とうとう猛烈な雨が降り始めました。もしこのまま雨が強く降り続けると、森林ツアーの目玉の「ヒノキの伐採」も見られませんので大変です。でも、実は心の中では「予定通り。大丈夫」と思ってました。
と言うのも、加子母に入る直前に、空に大きな「龍神様」が現れたからです(もちろん、雲の形がそう見えただけですが)。龍神は「最強運」を意味しますので、今回のツアー参加者&関係者は、全員きっと良い運気をいただけたのではないかと思います。これは超ラッキー!ですね。でも実は、龍神様は「雨」でお出迎えすると言われています。ですので、これはきっと雨が降るなと思いました。案の定、加子母に入ると激しい大雨となりました。
P6251588.JPG
ところが加子母のモクモクセンターに着いて、その後プレカット工場へ着くころには、風が出てきて、雲が消え、快晴となり、後は全く雨と合うことは有りませんでした。夜中にまた数回の豪雨と雷がありましたが、翌朝にはパッと晴れました。龍神様は、雨(=浄化)で出迎えて、その後は天気にしてくださると言われています。今回は二日間、まさに「予定通り」、龍神様に見護っていただいたのだと感じました(ありがとうございます)。
でも、なぜ、龍神様のお出迎えをいただけたのか・・・。それはきっと、私たち(加子母森林組合さんと丸二)の取り組みが、森を大切にして、森を優先させて、森を護ることに繋がると、見ていただいているからではないでしょうか。今の利益を追求するのではなく、森(=大自然)と人々の暮らしを護るための、本当に小さな一歩としての本事業を、森や山たちが応援してくれているような気がしました。その道のりは、確かに相当長くなると思いますが、「大丈夫。うまく行くから、続けなさい」というメッセージではないかと・・・。私たちは、常に自然界への感謝と謙虚の心を忘れずに、ただただ続けていこうと思います。
さて、今回のツアーでは、2つの初登場がありました。一つは、カエルさんです。加子母森林組合の内木組合長様が、朝、山で見つけたカエルさんを(みんなに見せるために)捕まえておいてくれたのです。とても大きなカエルさんで、みんなもビックリ。でも、五歳の勇敢な少年は、平気で触ってました。さすがですね。その後、カエルさんは山へピョンピョンと帰っていきました。
P6251594.JPG
そしてもう一つは、水です。小さな美しい渓流を流れる加子母の水を、(内木さんがご用意していただいた)ペットボトルで取り、みんなで飲みました。とても優しくて、まろやかで、冷たくて、本当に美味しかったです(生き返りましたね!)。加子母ヒノキの強度が強く、色も美しいピンクで、なおかつ伊勢神宮の御用材となる理由は、もしかしたら、この加子母の豊富な水資源にあるのかもしれません。この大自然の恩寵は、本当に護って行かなければならないと感じました。
P6251596.JPG
本ツアーは、今後もいろいろな方々(建築をお考えの方、木や山や自然が好きな方、環境にご関心のある方、ちょっと自然の空気を吸いに行きたい方、美味しいものを食べたい方、ヒノキの香りが好きな方、伊勢神宮が好きな方、設計士の方、下呂温泉に行きたい方、身近な社員のご家族や友人知人の方・・・)のご参加をお待ちしています。その中で、少しでも山のこと、木のことを知っていただければ幸いです。今回のご参加の皆様、誠にありがとうございました。

素直、情熱、感謝

今回の大震災直後、この日本の巨大地震によって、地球の自転速度がわずかに増した可能性があると、米航空宇宙局(NASA)が発表していました。地震によってプレート(岩盤)が動き、地球内部の質量分布が変わったことで自転速度が増し、1日の長さが100万分の1.6秒短くなったということです。他に、地軸が十数センチ傾いたという報告もありました。また最近、作家の村上春樹氏がスペインでスピーチした際も、この自転速度の変化に言及しつつ、原発(核)の反対を唱えていました。ドイツはすでに「脱原発」を決めています。
今回の東日本大震災によって、日本列島のみならず地球規模の巨大な地殻変動が起こり、天体の運行に影響を与えたことは事実のようです。1日の時間が短くなるというような、全く信じがたい出来事が今まさに起きている。このことを私たちは良く理解し、これからの大変革に備えなければなりません。
3.11以前の常識やルールはもう通用せず、全く新しい仕組みによって世の中が動き始めたと思って良いのでしょう。おそらく10年以上前から、そのような変換は始まっていたのかもしれません。ただ私たちは、なかなか気づくことが出来なかった・・・。でも、今からでも良く物事を見聞きし、最善を尽くすことしかありません。
先週の金曜日には、今年で2年目となりました「農商工連携人材育成事業」が開講し、十数人の受講者の皆様が集まりました。このような志、意志のある方々がどんどん増えてきているということに、新しい時代への息吹を感じます。まだまだ道のりは遠いですが、自然を守るために、林業を復活させるために、神宮ヒノキの家を広めるために、様々な取り組みを進めて行きたいと思います。来週からは、加子母の山で体験学習等が始まります。
さて、このような大変革の中で、一番大切なことは「気持ちの持ち様」ではないかと思います。今を「大変」と捉えるか、「チャンス」と捉えるかで、全く生き方も、精神状態も変わって来ると感じます。当然私たちは、今を「超ウルトラ大チャンス」と見ていますので、現実を直視しつつも、ワクワクした感覚の中にあります。建築の世界も、きっと様変わりするはずです。面白いことが起きる予感がします。
個人としては、「素直」「情熱」「感謝」を大切にして行こうと意識しています。起きていることを否定的に考えず、何事も肯定的に捉え、素直に受け入れ、素直に動いて行こう。夢をもって、情熱をもって、自らを信じて行こう。今、生かしていただいていることに、心から感謝しよう。以上の3つのことを忘れなければ、新しい世の中の仕組みに、きちんと入ることができると思います。大変革とは一度全てがバラバラになることですから、(今まで苦労してきた)あらゆる人々にも同様のチャンスが巡って来ると思います。ここを逃さず、一気に良い流れに乗る為にも、「素直」「情熱」「感謝」で行こうと思います。
情熱と言えば、5月下旬に、日本人の指揮者の佐渡裕さんがベルリン・フィルを指揮したというのがニュースになり、その特集番組(TBS)を見ることが出来ました。日本人の指揮者でベルリン・フィルを振ることができたのは小澤征爾氏と佐渡氏だけだと思います。何しろ、天下のベルリン・フィルですから、指揮台に立つこと自体が奇跡的なことで、なお且つ世界トップレベルのオーケストラ楽団員から評価されたとなれば、最高の賛辞ということです。佐渡さんは子どもの頃の作文で「ベルリン・フィルを指揮する」と書いていたそうです。イチロー選手や松坂選手と同様に、ついに夢が実現したのです。その情熱と諦めない精神から、勇気をいただきました。
51Y48js9K8L__SL160_.jpg
ベルリン・フィルを指揮するということは、今ももちろん大変なことですが、かつてのカラヤン時代のベルリン・フィルの時は、もっと違う意味で大変だったようです。ベルリン・フィル首席指揮者だったカラヤンは、自分以上の指揮者を指揮台に立たせることを異常に嫌ったようです。同時代のもう一人の超有名な指揮者バーンスタインが、ベルリン・フィルと共演できたのは、実はたったの1度だけ。その時に演奏した「マーラー:交響曲第9番」は、今でも語り草となるような超名演となりましたが、それを聞いたカラヤンは、二度とバーンスタインをベルリン・フィルの指揮台に立たせませんでした。まあ、何と言うか、心が狭いと言うか、器が小さいと言うか・・・。でも、それほどまでにして、守るべきは「ベルリン・フィルの指揮者」という勲章・名誉だったのではないかと思います。
untitled.bmp
その指揮台に今、再び日本人(佐渡さんは、実はバーンスタインの弟子です)が立つことが出来ました。このような現象は、きっと今後ますます世界へ波及して行くと思います。「東日本大震災」と言う大きな災害を最初に引き受けた日本が、良き見本を示し、世界へ日本の力を伝播していくために。そのような大きな流れを掴むことで、私たちの乗っている船は、(今の)荒波を超えながらも、必ず穏やかな大海原へ出て行くと思います。それを素直に信じる力こそが、最大の財産だと思います。

復興へ

P5291454.JPG
先々週末、(農商工連携事業の打ち合わせ等のために)仙台に行った際、宮城県の被災地を目にしました。特別なボランティア活動ではないため、そこへ行くこと自体「申し訳ない・・・」という思いもありましたが、今は行って良かったと思っています。「3.11」が現実のことで、その復興には全日本人の(いろいろな意味での)力が必要だと、あらためて感じられたからです。と同時に、東北の美しさや荘厳さを(ほんの一部でしかありませんが)知ることができました。
小雨の中、仙台から石巻~津山~南三陸町とまわりました。被災地の写真も撮りましたが、このブログに出すのは止めようと思いました(代わりに、移動中に撮った、風景の写真を一枚、アップしました)。もう、そのような段階は過ぎ、東北は復興に向かっていると感じたからです。それは(国や東電が早急に行うべき)具体的な復旧・復興対策という意味ではなく、写真からは伝わりにくい、その土地(場)から発せられていた(ある種の)「空気感」からでした。
最後まで津波警報をアナウンスし続けた女性をはじめとする(この土地の)善良な方々の魂が、生き残ることのできた方々を温かく見守っているような気がしたのです。豊かな自然や山々、雲たちも「大丈夫」と話しかけているように感じました。でも現実は厳しい日々が当面続くものと思われます。私たち全日本人は「いま」「ここで」、祈りと共に、日々最善を生き、復興を応援していくことです。
この流れは、日本から世界へと拡大していくのでしょう。チリで火山が爆発したそうですが、今後は世界的(地球規模的)に多くの自然災害が発生する可能性があると言われています。太陽活動との関連性も判って来ました。地球の資源の枯渇も大きな影響を及ぼしているようです。日本の東北の復興を見事に行うことで、世界がそれに続くようにしていきたいと念願します。