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「日本」への回帰

尖閣諸島をめぐる中国との緊迫した状況が続いていますが、中国に進出している日本の多くの企業にとって、このような事態は想定内だったのでしょうか。それとも想定外だったのでしょうか。政府と経済界は、共に先を読みながら、戦略を共有していたのでしょうか。今回のような大規模なデモ(暴動)がいつ起きても不思議でない状況と知らなかったのでしょうか。尖閣諸島をめぐる様々な問題の中で、今まさに、日本企業の中国進出の是非が問われ始めたと感じます。
先日のTVでは、かつて松下電器の松下幸之助氏が(鄧小平氏に頼まれて、中国の近代化のために)中国に工場を建設し、中国の経済発展に寄与してきた歴史を紹介していました。でも、そのパナソニックの工場が、今回の暴動で攻撃されています。日本人の感覚では理解できないことです。でも、それが中国という国の現実。今、中国の技術開発はどんどん進み、中国の大手家電メーカーの「ハイアール」社は、すでに白物家電で世界シェア第1位だそうです。日本の三洋電機からの事業譲渡が力に成っているようです。
これから中国とどのように向き合っていくのか。米国との従属関係をどのように改善していくのか。国民の生活をどのように護っていくのか。経済をどのように復活させていくのか。エネルギー問題をどのように修正していくのか。日本政府の役割は、かつて無いほどの難題に向き合わなければいけません。そして、日本の取るべき道筋が世界全体に大きな影響を及ぼすことに成ると思います。米国、ロシア、中国、北朝鮮、EU、中東・・・その全ての問題の扇の要の位置に「日本」が在ると思います。でも、その日本とは、日本政府の意味ではなく、日本の歴史であり、技術力であり、国民性(人間性)であり、四季ある国土であり、自然信仰の心・・・つまり、「日本人」という意味です。東日本大震災によって目覚めた日本人の力によって、世界の未来を変えて行かなければなりません。
日本の政府は「近いうち」にきっと再編されるのでしょう。でも、私たちが目指すべきは、政府・政治の「改心」を強く求めつつ、一人ひとりが日本人としての自覚を持って、先ず自分自身のこと、自分の身の回りの事を正しい方向へ持って行くことです。その総和が「日本」と成り、世界の要を変えて行く。中国もかつては老子がいた国。だから中国にもきっと何かが起こり、「改心」の機会が来るはずです。日本はその先駆けとして、先ず自分自身を見直し、自国を見直すところから始めなければなりません。経済も、もう一度、内側(国内)に立ち戻り、内需中心に回帰です。中国や米国に頼らずに、先ず、自国内で、日本人同士で、経済が成り立つ基礎を造ることです。その先、世界が日本を求めて来た時、あらためて出直しすれば良い。先ずは己の立て直し、ですね。
日本には鎖国の歴史があります。国内の資源、農産物、林業、技術、工場、新エネルギーで十分、豊かな社会は築けるはずです。日本が海外から引くことで、むしろ困るのは世界の方です。よって、結局日本は、海外へ出て行くことになるでしょう。今よりも主導権を持って。今回の中国の騒乱を機に、日本は「日本」へ回帰ですね。やっと、私たちの国がどんなに豊かで幸福で見事なものかが分かるように成って来ました。これから、本当の「日本」再建が始まるでしょう。

東松島市の取り組み(NHKスペシャル)

昨夜のNHKスペシャルで、東日本大震災への復興予算の使い方に、様々な問題が生じていることが分かりました。本来、被災地の復興のために全国民の負担によって復興予算は成り立っているはずなのですが、実際は被災地以外の様々な事業に充てられている現状が見えてきました。同時に、被災地で苦しんでいる方々や事業者へは、予算が足らないという理由で、ほとんど回って来ていない。なるほど、だから復興は遅々として進まないのか・・・。
被災地の中でも、予算の使い方に差が出てきており、例えば、瓦礫の撤去費用については、宮城県東松島市では、瓦礫の分別の徹底や撤去工事の細かい管理によって、他の地域よりも遥かに小額で、撤去作業を行っています。その考え方の基礎は、「全国のみなさまからのお金だから、大事に使わなければ」というものでした。東松島市では、以前の大きな地震の際に得た教訓として、瓦礫処理は必ず分別をするという意識があったそうです。今回の東日本大震災から、私たちは本当に大きなことを学んでいますが、東松島市のように、その教訓をきちんと今後に生かせるのでしょうか・・・。
それぞれの場所、それぞれの段階、それぞれの立場の中で、物事の捉え方1つで、状況はこうも違います。この期に及んで、予算の取り合いもあるのでしょう。でも本当のことが見えてくれば、人々の意識は変わり、きっと恥ずかしくない行動が始まるはずです(特に武士道の国、日本は)。今、私たちが一番求めるべきことは、誰かを責めることや、他国を攻めることではなく、事実、真実、本当の事をできる限り明らかにし、その上で、協力して改善していくことではないでしょうか。お互いが許し合って、前へ進む。国家間においても、もう攻め合いは止めて、共通の問題に取り組む時が来たと思います。
その共通の問題とは、「対自然」です。自然界の厳しい猛威は、ますます地球規模で拡大していくと思われます。東日本大震災以降も、世界で大きな地震や自然災害が多発しています。もう国同士でゴタゴタしている場合ではありません。一緒に協力して、根源的な問題を改善しない限り、地球自体がおかしくなってしまいます。この地球あっての世界です。国です。個人です。いま、その大元が悲鳴を上げています。攻め合いの時代は終わり、許し合いの時代に成って欲しいと思います。その時こそ、世界で唯一の被爆国であり、今回の東日本大震災を経験した日本が先頭に立つ時です。
東松島市のような意識と取り組みこそが、最も尊く、世界を平和に導く雛型ではないでしょうか。多分、被災地の中では、もっともっとたくさんの良き雛型が生まれているはずです。そこから世界は何かを学んでいかなければなりません。番組の中で、被災地で訪問診療を行っている医師がつぶやいていました。「田舎は忘れられている・・・」と。もうタイムリミットは来ています。意識を変える時が来ています。