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個性

昨日、銀行主催のセミナーで、神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャーの平尾誠二氏のお話をお聞きしました。面白かったのは・・・①日本は、個人が現状判断しながらプレーを進める「ゴール型(サッカー、ラグビー、ハンドボール、バスケットボール等)」のスポーツは苦手。決められたことをキッチリやるのは得意だが、その場でどうするかという瞬時の判断力と勇気は世界に負けている。だから、シュートを打てない。②昔は、「お前なんか、もうやめてしまえ!」と突き放しても、絶対にやめなかった。さらに、必死で食い付いてくる。今は、「自分には合わない」「イメージと違った」と言って、本当にやめてしまう。その行き先は、「自分探し」の旅。③最近の若者の特徴=負けても悔しがらない、勝っても喜ばない。④結局大事なのは、面白いこと、好きなことをやるということ。⑤リーダーは、自分自身の度量を疑うこと。様々な考え方や個性が出てきた。古いモノサシでは理解できない時代になった。部下の得意なものを伸ばすこと。個性を生かすこと。
みんな、「なるほどなぁ」と思うことばかり。「部下の個性を生かす」ということについては、最近の北京オリンピックにおける「星野ジャパン」の中に、いい例を見つけました。昨夜の「中日-阪神戦」で、岩瀬投手が、いつも通りにキッチリ抑えたのですが、試合後の落合監督の一言。「ちゃんとした使い方をすれば抑えるんだ。岩瀬は勝ちパターンで行く投手。そういう使い方をしないと」。このようなこと・・・どこのチームでも、どこの会社でもありますね。私も、自分自身の度量を疑っていかないと・・・。
さてセミナーの後、丸二で施工をさせていただいたお客様の竣工記念パーティーが行われ、社員と一緒に出席させていただき、そこで感謝状を頂戴いたしました。本当に心から嬉しく、心から感謝いたします。これは、お客様、ご近隣や地域の皆様、そして担当した営業、設計、工事の社員さんたち、職方の皆様のおかげです。お客様と一体になって、お客様の人生に対してプラスの存在になりたいという思いが、通じたのかもしれません。
今、「人生」と書きましたが、これは決して大げさではないと思います。家を建てる、お店を建て替える、事業用のマンションを建てる、二世帯住宅を建てる・・・全て人生にとって大きな転換期のはずです。常にお客様は、ただハードとしての「建物」が欲しいのではなく、そこで営まれる幸福な時間や繁盛する場を求めているはずです。建物はそれを実現するための大切なツールであるということです。しかも、非常に高いコストが掛かる。建築には、人生に対する大きな影響力があり、その人の人生の流れを変える力があると思います。そう思える力こそが、丸二の個性だと思います。

楽願

先日、街を歩いていたら、ある文字が目に飛び込んできました。すれ違った男の人が来ていたTシャツにこう書いてあったのです。「You Are Here」。その瞬間、「お前は、今ここにいるんだ。いいじゃないか」と言われたようで、少しドキッとした次第です。人間は、ついつい現在の自分自身の状態に対して(大なり小なり)不満を持ったり否定的になったりしてしまうもの。でも、その状態(今の位置、場所)にいるのは歴然とした事実ですし、それをマイナスに捉えても何も始まらない。「I Am Here」、「そうです。私は今、ここにいます。意外と、いいかもしれない」と肯定的に捉えてみる。そうすれば気持ちが明るく元気になって、結果的に嬉しい結果が生まれてくる。・・・このメッセージ、けっこうスゴイ意味があるじゃないか。そんな風に思ったのです。このTシャツを着ていた男性が、何かしらの意味を感じて着ていたのかどうかは分かりませんが、通り過ぎた一瞬の間に私にある種の「気づき」を与えてくれたのですから、本当に感謝ですね。「今いる場所に感謝する」は、丸二の「ありがとうございます」に通じるような気がしました。
だんだんと世の中が混沌としてきて、今まで経験しなかったような事が起きてくると、様々な迷いが生じてきます。一方、TVでオリンピックを見ていると、そんな迷いなど一切無く、ただひとつの目標に向かって努力し、夢を実現している人たちを目にすることが出来ます。そのことに驚嘆し、感動し、賛美しながらも、実は彼ら(彼女ら)も、実際は多くの迷いと挫折と不安と恐怖の中から這い上がってきたことを知ると、ああ・・・個人の力ってすごいものだなあ、私たちにもきっとそのような力があるはずだと、信じざるを得ない心境になってきます。常に自分のいる位置を確認し、それを否定せずに、肯定し、感謝し、楽しさや感動の方向へ気持ちを誘導していくこと。何となく、そういう「意識の調整法」をマスターするために、今の人類は生きているのかもしれないと思ったりもします。人から与えられる感動に加えて、自らの内側から湧き上がる感動を体感するために。
さて、その北京オリンピック日本選手団の福田富昭団長の総括会見を見ていたら、ドキッとする言葉がありました。「オリンピックは国と国との戦い。国策として強化しなければ。英国は470億円が使われた。日本オリンピック委員会がもらっている強化費は27億円。比べものにならない」・・・何か、昔の軍部の発言みたい。世の中から戦争が少なくなってきたから(もちろん、まだゼロにはなっていないけど)今度はスポーツで戦うの?防衛予算を増やすみたいにして、スポーツ予算を増やすの?どうしてそんなに競争や戦いが好きなの?今回の北京大会で金メダルをたくさん取った国のベスト3が、「1位中国、2位米国、3位ロシア」。日本も、こういう国家のようになりたいの?
国としてスポーツをもっと振興させて、国民の健康と楽しみを創造することは大賛成ですが、「敵に勝つため」という悲壮感に満ちた発想は、どうしても違和感があります。「悲願」の金メダルと言いますが、「楽願」の金メダルでいい。選手たち一人ひとりの、目標に向かっていく真摯な姿勢こそに私たちは感動するのであって、決して金メダルの総数では無いと思います。金メダルが1個や2個でも、楽しくリラックスして参加している国の方が、ずっと大人で進んでいるように見えます。日本もそれでいいんじゃないかな。それなのに、金メダル取っちゃうから、余計にかっこいいわけです。

木の建築

8月16日の日本経済新聞に、「木造ファミマ出店」とありました。鋼材価格の上昇に対応して、大手コンビニの「ファミリーマート」が、9月から木造店舗の出店を始めるとのこと。これで建設費がかなり削減できる。確かに単独立地型のコンビ二であれば、木造でも問題はありません。全国のコンビニの売上高が8年連続で減少しているため、各社とも、いかに出店コストを下げるかが鍵のようです。
このような形で、木造建築が改めて見直されてくるのも時代の流れであり、歓迎すべきことではないでしょうか。丸二も様々な工法による建築を行っていますが、これからは木造への回帰が出てくると思います。と同時に、木造では無理な場合は、鉄筋コンクリート造へ集約されてくるはずです。中間にある(安さが特徴だった)鉄骨系は、施工性と居住性の問題が多く、今回の鋼材の高騰をきっかけに減少方向へ行くのではないでしょうか。木造も、コンビニのように「安く仕上げる」ための木造から、「真の自然素材」への回帰のための木造へと、進んで行くと思います。それは、構造材や仕上げ材が天然無垢材で、その他の内装も、自然素材や還元作用のある塗料等で仕上げるものです。きっと、時間を掛けながら、このような住宅・建物が増えてくると思います。
また逆に、どうしても木造では無理なものは、鉄骨では無く、鉄筋コンクリート造になると思います。集合住宅、マンション、賃貸併用住宅、ビル等、(音の問題等で)各戸を明確に分離したい場合や防火地域に建てる場合、あるいは高層建築の場合等、当然鉄筋コンクリート造になります。鉄骨は、音と揺れ、雨漏れに弱いという面があります。ただ、鉄骨は狭小地では威力を発揮します。鉄筋コンクリート造の課題は、住む人の健康です。コンクリートそのままの内装(打ち放し)にすると、住む人の体温を奪うので、健康という観点から見ると、あまり良くありません。ですので、鉄筋コンクリート造の場合は、内装材(ボードやクロス)をしっかりと貼る、できたら天然無垢材を貼ったり、珪藻土を塗る。あるいは、還元作用のある塗料を下地に塗りこむ。このような対策を行えば、問題はありません。木造も鉄筋コンクリート造も、建物の用途や目的で選択していけばいいと思います。
これから木造で作って欲しいと思うのは、学校ですね。子どもたちが多くの時間を過ごす学校が、天然の自然素材でできていて、健康的で、暖かみのあるカラフルな環境だったら、きっともっと学校が楽しくなると思います。不登校も減るかもしれません。今のようなコンクリートの灰色一色の冷たいジャングルの中で勉強しても、情操教育は難しいと思います。ぜひ、耐震力の高い構造設計を行った木造校舎が生まれてくることを期待しています。
※シンプル イズ ベスト
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ジムノペディ(ベスト・オブ・サティ) 
チッコリーニ(p)
お盆中、ぼんやりと聞いていたCDです。サティのベスト盤。今までサティを聞くことはあまり無かったので、初めてその不思議な世界に身を浸すことが出来ました。瞑想的で浮遊感があり、でもちょっと愉快。なのに暗くない。とてもシンプルでお洒落。すべてを削ぎ落とした後の残った少ない音たちを集めて、センス良く並べてデザインしたような音楽・・・うまく言えないなあ。とにかく、最後のと言うか、最上のと言うか、そういう場所に質素に佇んでいる存在のような印象を受けました。やっと、サティが聞けるようになった・・・。ちょっとした成長を感じることができました!!

みんな世界一

お盆休みが明けましたが、相変わらずの猛暑が続いています。しかしながら昨日だけ、(多少の雨は降りましたが)比較的涼しい一日となり、その中で、「九段南コーポラティブハウス」の地鎮祭を無事執り行うことができました。建設組合(お客様)の皆様、コーディネーターの皆様、設計事務所の皆様、誠にありがとうございます。コーポラティブハウスならではの、終了後の懇親パーティーも楽しく和気藹藹に行われ、とても和やかなスタートを切ることが出来ました。パーティーの中においては、お客様一人ひとりのスピーチをお聞きするこができ、それぞれの新しい住まいに対する思いや夢、また地域活動への参加意識等を知ることが出来、今回のコーポラティブハウスも、大変素晴らしい成功を収めるものと確信いたしました。建設地は、靖国神社の前の「靖国神社」交差点のすぐ近く(靖国通りに面しています)です。ぜひ、現場を見に来てください。
さて、丸二のコーポラティブハウスの施工は、これで11棟目となります。非常に多い方だと思います。2000年に日野市にて、「コーポラティブハウス/エコヴィレッジ日野(きなりの家)」を完成させてから、毎年のようにコーポラティブハウスの工事を行い、とうとうここまでやってきました。一般的にコーポラティブハウスの施工は、「難しく大変」と言われ、多くのゼネコンが1~2棟で「もうやめよう・・・」となってしまうのが実情のようです。それでも私たちは、やってきました。その理由は・・・通常の分譲マンションとは違い、最終的にそこに住まわれるお客様と一緒に、共同住宅を造り上げていくという「喜び」があったからだと思います。もちろん、その喜びを得るまでには、相当な時間と経験を要しました。それでも、お客様一人ひとりの夢を現実にしていく「輪」の中に、私たちが入れたという喜びは格別のものでした。そのようにして、丸二にとってのコーポラティブハウスは、とても重要な取り組みになってきたのです。そして、今回が11棟目。また新たな気持ちでスタートです。
話は変わって、「北京オリンピック」です。情勢が不安定かつ大気汚染が深刻な中国・北京での開催ということで、いろいろな見方があるようです。中国も、開催国としての威信を賭けていますから、テレビに映る部分に対しては、なりふり構わず最大限の投資をしているでしょう。その分、どこかで(誰かが)犠牲を払っているような気がします。とにかく、終わってからでないと、本当の評価・実態は表に出てこないでしょう。それでも選手としては、そういう背景は全く問題では無く、自分自身との戦いがあるのみです。日本の選手たちも北島康介選手をはじめ、健闘していると思います。全世界からトップレベルが集まるわけですから、簡単に「金」が取れるはずがありません。そのような中で、大きなプレッシャーを受けながら連覇を達成したというのは、本人の強靭な精神力と「運」の強さがあると思います。私が思うに、オリンピックは戦っている選手個人の世界だと思います。開催国の威信、国家としての政治的利用、国民からの応援(プレッシャー)は、選手個人にとっては本来、無関係で存在しないものです。ただ、自己の能力を試す場として、オリンピックは存在するものだと思います。
だから、オリンピックにしても、ワールドカップにしても、応援する側が選手の勝ち負けに、激しく没頭してはいけないように感じます。戦っているのは、自分ではありません。その選手が勝とうが負けようが、私の人生に(基本的に)何一つ影響は無いはずです。自分以外の人間の戦いの結果によって、自分の人生(日々の感情)が左右されるというのは、むしろ怖いことのように思います。自分の人生を外側(他人)に委ねる習慣が付くと、自分自身の幸福な人生を歩めなくなってしまうと思うから・・・。勝った人を賛美し、負けた人を元気付づける。そういうバランスでいいのではないかと思います。オリンピックのような大イベントは、自分の人生を他者に委ねることを(無意識に)習慣化させる働きがあるので、そこは気をつけて見ようと思っています。
それから、もう一つ思うのは、テレビに出ている人たちだけがスゴイのではないということです。自分自身にも、絶対に何かしら「世界一」があるはずです。ただ、一般的なスポーツや芸術や文化になっていないだけで、要するにステージが無い。オリンピックのようなオープンな世界では無く、非常に狭いクローズされた世界において、必ずや全ての人は、何かの「世界一」です。大切なことは、自分自身の中から、その「世界一」を見つけること。決してテレビには出ないし、誰からも評価されない。でもそれは、オリンピックの金メダルと全く同じ価値があると思います。そして・・・会社も同じです。丸二の場合は、「ありがとうございます」の理念とか、「コーポラティブハウス」への思いとか。そういうものが一杯あります。だから、私もあなたも「世界一」。他者や外側のものに自分の精神を売り渡すことなく、自分自身の内なるもの(良心かな?)に素直に生きること。そうすれば、きっと流れに乗る・・・そう信じます。
<PR>リフォーム・チラシ
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本日から、丸二の「健康リフォーム」のチラシの新聞折込を始めました(武蔵野市周辺)。シックハウスでお悩みの方、室内空気環境を整えたい方、夏の暑さと紫外線をカットしたい方、水道水とお風呂の水を浄化したい方、防犯・耐震対策をしたい方、お部屋のインテリアを整えたい方、色使いで迷っている方、風水リフォームをしたい方、キッチン・洗面・トイレ・バス等の水まわりを新しくしたい方、増築・改築・大規模修繕・耐震補強をしたい方・・・ぜひ、ご連絡をください!
※モーツァルトの「ジュピター」
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モーツァルト:交響曲第41番『ジュピター』 
ロンドン・フィルハーモニー
クラウス・テンシュテット(指揮)
どんな時も、「ホッとでき、明るく前向きに考える」ことが大切ですね。でも、なかなか難しい場合もある。そんな時は、モーツァルトに限ります(ベートーヴェンだと深刻になるし、ブラームスだと一緒に沈んで行ってしまいそう)。中でも、モーツァルトの最後の交響曲「ジュピター」は、明るく壮麗で、かなり元気が出てきます(最近出たテンシュテットのライブは、非常にエネルギッシュで気に入りました)。でも、モーツァルトの音楽には、深い悲しみも同居しています。だから、単なる「お気楽」音楽ではなく、人生の艱難辛苦を味わい尽くした上に、そんなものを吹き飛ばす「愛と感謝」の木霊が宿っていると感じます。