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我が世代

「新しい段階に入った」・・・何かそう思わざるを得ない数々の事象が、次から次へと続出し、世の中が右往左往しているように見えます。その1つの象徴としては、何事も「長続きしない」ということがあります。総理大臣にはじまって、ヒット商品から芸人さんまで、とにかく目まぐるしく入れ替わっていく。
時代がすでに次の段階に入ってしまっているのに、まだ以前の意識・やり方・考え方では、もう本流になることが出来ない。だから、今までの勢いで(一時的に)勝利しても、すぐに(短期間で)落ちてしまう。
このように、せっかくの努力が水の泡になってしまわないように、私たちは、まず時代の変化・変革の様相を正しく理解して、この21世紀の新しい段階に相応しい人造り、会社造りを行い、持続可能な社会・経済・会社・地域・環境を造っていく責務があると思います。
私は今、46歳。数百年に一度の大変革を、人生の30代の頃から経験し始め、40代でさらなる荒波と向き合い、そして50代(60代かな?)では(きっと)未知なる新世界を見ることになるでしょう。そのような奇跡的な激動との「縁」をいただき、この時代を生かされていることに対する畏敬の念、感謝の念、驚きの念を隠すことができません。
最近、小中学時代の多くの友人たちと再会する機会が急に増えてきました。それぞれ、全く違う道を歩みながら、当時の良き思い出を共有する友人たち。東京オリンピックの頃に生まれ、高度成長の波に乗って、(親の世代のおかげもあって)物質的な豊かさを享受しながら、成長してきた世代。それが社会に出た途端、ブラックマンデー、阪神大震災、リーマンショックを経験し、やっと社会を牛耳ることができる年代になった今、このような混沌とした世の中にいる。
でも、まさに、このような時代と正面からぶつかったのは、「我が世代」こそが、この混沌を解決できる大きな底力を持っているからではないかと、思うのです。ITブームの頃は、私たちよりもずっと若い世代が、先に世に出ました。でも、今は静かです。私たちよりもずっと上の世代は、戦後の厳しさを乗り越えて、良き時代の波に乗って行くことができました。そこで、残されたのは・・・我が世代(40代~50代)です。
さあ、いよいよ出番でしょうか。小中学時代の友人たちは、みんな元気です。様々な経験(苦労)が血となり肉となり、もう何かをしたくて堪らないようなエネルギーに満ちています。多分(きっと)、我が世代が新しい社会を築きます。新しい段階に相応しい世の中を造ります。もしそうであるならば、間違いなく素晴らしい共生の社会になります。
なぜかと言うと、我が世代は、(良い意味で)昭和の古き良き世代と、新たな新人類との間に立っていて、とても穏やかで温かくて中庸な精神性を持つ人たちが多いからです。努力を大切にして、上昇志向を持ちながらも、競争だけを美徳とはしません。喧嘩はありましたが、陰湿なイジメはありませんでした。皆、お互いの個性を認め合い、自然体で一緒に生きていました。
だから・・・本当に豊かで持続可能で、皆が精神的に幸福感を持つことができる社会を造ることができると思います。私もその素晴らしい世代の一員として、これからも出来ることをやって行こうと思います。そして50代(~60代)になった頃には、「やっぱり日本ってすごいなぁ~」という時代にしていきたい。今はただ、そのような「志」を持つことが出来る人造り、会社造りを目指すのみです。

スティーブ・マックイーン

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11月に入り、今年もあと僅かになってきました。気候の方も、寒暖の差が激しくて、毎日の服装選びが大変ですね。それでも季節は(当然のごとく)冬が来て、そしてまた春がやって来ます。山高ければ谷深しで、季節や人生も、このような幾何学的な曲線を描いて時間と共に移り変わります。多分、そのような自然の法則を変えることはできないのでしょう。
でも、その曲線に右肩上がりの勾配を付けてあげることは可能ではないでしょうか。もしそうなれば、人間はこの「山(いいこと)」と「谷(わるいこと?)」を行ったり来たりしながらも、気が付いたら、スタート地点よりも高い位置(目標とか幸福)へ上昇していることになります。
そうなると、勾配の角度をプラス側にしなくてはなりません。角度がゼロですと、ずっと横ばいですし、マイナスだと悪化して行きます。どのようにしたら、プラス側にできるのか・・・。
数日前、NHK-BSで、スティーブ・マックイーンの特集をやっていました。私が子供の頃に最も好きだったスターは、実は「スティーブ・マックイーン」。部屋に大きなポスターを貼ってました。今の若い人は、知らないかもしれませんね。どちらかと言うとアクションスターとして人気がありました。
私が好きな作品は、「荒野の七人」「大脱走」「ブリット」「華麗なる賭け」「パピヨン」。そして大ヒットした「タワーリング・インフェルノ」。この超高層ビルの大火災を消す消防隊長役は、最高にカッコよかったです。
でも、今回のBSのドキュメンタリーを見て、あらためて彼の人生の壮絶さを知りました。父親に捨てられ、叔父の家に預けられ、農場で働き、その後不良となり、少年院へ入る。その後、役者を目指し、ハングリー精神むき出しにして、主役を勝ち取っていく。「タワーリング・インフェルノ」では、とうとう大スターのポール・ニューマンを超え、名実ともに成功しました。
ところが彼は、その後いよいよこれからという時に、多くの有名作品の出演依頼を断り、田舎に入ってしまう。3番目の妻と一緒に、農場をつくり、長い旅に出る。そこでは俳優スティーブ・マックイーンという顔ではなく、普通の一般人としての生活だったようです。高級なホテルやレストランは嫌がり、普通の宿、普通の店に行き、普通の人々と話をする。
結局、最後は病魔に侵され、50歳で亡くなってしまうのですが、それまでの間、有名人になったにも関わらず、かつて入所していた少年院に行って、そこにいる少年たちと触れ合い、励まし、元気づけていたそうです。
子どもの頃、両親の愛を受けることが出来なかった時に、叔父の農場で畑仕事をしていた事が一番の幸福だった・・・スターとして成功しても、彼にとっての真の喜びは、そのような普通の生活の中にあったのかもしれません。私がかつて、スティーブ・マックイーンに魅かれたのは、何かそのような目に見えない、内面的な深みを感じていたのかもしれません。
人生をより良く生き、少しでも高い位置に到達するには、他者からどのように思われるかではなく、自分自身がどうしたいか、どうなりたいかではないかと思いました。その意思が、右肩上がりの勾配を支えるのではないかと。その意思さえあれば、どのような険しい山も谷も、勇気を持って超えられるし、そこから様々な学びを得て、気付くこともできる。人生とは、人それぞれの山と谷を超えながら、本質に迫っていく旅なんだろうと、感じました。