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生きることと理念の大切さ

行方不明となっていたJR北海道の社長が、遺体で見つかりました。JR北海道は、今年に入ってJR石勝線のトンネル内での脱線・炎上事故や、運転士の居眠り運転等のトラブルがあり、様々な問題が生じていたところです。残されていた遺書から見て、その責任の重さを苦にしたのかもしれません。また身近な所では、地元を走るJR中央線の人身事故も、頻繁に起こっています。昔は電車の時刻と言えば、時報と同じくらい正確というのが当たり前でしたが、今では遅れる前提で、乗る電車を考えなくてはなりません。この変化は(よく考えてみると)相当なことではないかと感じます。
自らの「生」をあきらめる人がいます。それでも「生きて」いかなければならない。生きること自体が、最善の道だと思うからです。生きて特別な経験をすることが、生きる目的であるとすれば、必ずその経験の先には、安心感と喜びがやって来るに違いありません。そこまで辛抱して待つことも、きっと大きな経験に成るでしょう。時間という概念には、本当に凄い力があると思います。これからは、災害から家族を守ることと、困難から自らの心を守ることが、人生の最優先課題になると思います。「絶対にあきらめない」という信念だけが、真の御守りに成る・・・。今は、魂を鍛えていくには持ってこいの時代です。
一方、少子化とは言いながらも、今日も日本のどこかで新しい命が誕生しています。とても素晴らしいことです。このような時代に生まれて来る生命、特に2011年生まれの子ども達は、きっと何か特別な使命を持って、やって来たようにも感じます。新しい日本、新しい世紀を建設するために、これから日本中でたくさんの新しい生命が生まれて来るでしょう。もしかしたら、これで少子化問題は終わるかもしれません。2011年生まれの子ども達は、将来、「あの年に生まれた」日本人として、大きく社会を変えて行くと、心から期待しています。
さて、このブログを書いている今、台風15号が本州に上陸しつつあります。和歌山や名古屋では、すでに昨日から被害が出ています。今年の台風は勢力が強く、速度が遅いので、日本列島に大きな傷跡を残しています。ところで野田首相は、松下政経塾出身の初の総理大臣と成りましたが、首相就任と同時に、台風12号が(師である)松下幸之助氏の故郷和歌山を襲い、さらに今も台風15号が迫っているところです。これは単なる偶然でしょうか・・・。松下幸之助氏は「無税国家」を目指しました。ところが、門下生である野田首相は、その教えに反し「増税国家」を目指しています。自然界は、(きっと)政府に何かを言いたいのだと感じます。
今のような経済環境で増税すると、(誰が考えても)景気はさらに後退し、税収は(結果的に)減るのですから、今はまさに、21世紀に相応しい新経済成長のビジョンを指し示すことの方が最大の仕事だと考えます。それがあって、復興、財政、雇用、環境、エネルギー、医療、年金、防災、外交、防衛、食糧問題、少子化問題、公務員改革、地方分権等が有機的に動き出すはずです。これから日本は一体何で立国するのか・・・観光立国なのか、自然エネルギー立国なのか、第6次産業立国なのか、超ハイテク立国なのか、物流立国なのか、文化芸術立国なのか、武士道立国なのか・・・。日本中の叡智を集めて、そこを見つけることです。それが戦略です。増税などは(単なる)戦術です。政治家とは戦略(理念・目的・目標・使命・夢・志)を語る者です。今の政治家は戦術(手段・手法・ハウツー)しか頭に無いのでしょうか・・・。
その後の報道で、東京電力は、福島第一原発の事故の発生直後、現場から全面撤退(退散)する、つまり逃げるつもりだったことが判りました(東電側は否定)。もし本当に戦略(=使命)を持った企業であるならば、そのような話自体が出てこないと思います。放射線による被害が、未だ収束するどころか、ますます拡大し、数え切れないほど多くの人々の人生を狂わせてしまった責任は、本当に計り知れないほどの重みです。でも、もう過去は変えられないので、東電は全社をあげて、誠意をもって賠償に当たって行くべきなのでしょう。ところが現実は、まるで請求をさせないが為に作ったかのような、分厚い、「賠償請求手続き書類」が出てきました。これには、被災者の方々のみならず、国民全体も唖然としたと思います。実際、お金で元に戻る訳ではないのですが、せめてものお詫びとして、気持ち良く請求に応じる姿勢だけでも示す必要はあったと思います。電源喪失ならぬ、戦略(=使命、理念)の喪失が、今の状況を生み出していると考えられます。
今ほど、経営理念の重要さを、感じることはありません。企業ですから、当然日々様々な問題やトラブルは発生すると思います。それでも、最後は「経営理念」の存在によって、生かされて行くと思います。大きな会社も小さな会社も、人間同様、純粋に「生きる」ことへの懸命さが重要になって来ました。そのためにも21世紀に相応しい新たな戦略・理念を持って、自らの心と、周囲の人々を、明るく平和な状態に導いていかなければなりません。希望を持って、絶対にあきらめない心を持って。最悪を想定し、最良を楽観して。とうとうそういう時代になったのだ・・・。理念主導型経営を目指している丸二としては、武者震いをしながら、真剣にワクワクしているところです。

最悪を想定し、最良を目指す

ここ最近の新聞広告欄に、海外有名歌劇場の来日オペラ公演の広告が多数掲載されています。実は、そのほとんどの内容が、「(主役の)歌手の来日キャンセルのお知らせ」です。バイエルン国立歌劇場やボローニャ歌劇場といった、とても有力な歌劇場の来日公演なので、歌手陣も超一流の方々ばかり。数万円のチケットを買われた人々も、きっと「その人が出るから」という気持ちだったと思います。
広告によると、「出演者変更によるチケット払い戻しはできません」「全員、突然の急病(病名も記載)」とのことで、また、よっぽどチケットの売れ行きが悪いのか、「お隣の席を無料ご招待します」という、今まで聞いたことも無い様な緊急キャンペーンも出てきました。公演はもう9月の中旬からです。主催者の焦りを感じます。確かに、出演者の交代という事は良くあることです。でも今回のように、ほぼ全員の主役級が、一斉に突然病気になって、来日キャンセルとは前代未聞です。
つまり・・・原発と放射能の問題だと思います。外国から見て、日本は危険な国に映っているということです。今回の原発事故の対応の一部始終を、海外は冷徹な目で見ていたのでしょう。その結果として、「命には代えられない」という現実的な判断を生み出したものと想像します。もっと国として懸命な対応をしていれば、仮に完全な収束がまだ先であっても、「安心感」は随分違っていたと思います。このようにして、今回の原発事故は様々な方面に渡って、想定外の形で、厳しい影響を与えて始めて行くと考えられます。
「最悪を想定し、そうならないように努力する」という危機管理の原理原則を全ての日本人が身に付けて行く必要性があると感じます。私たちは、なかなか悪い状況を想定することが苦手です。起こって欲しくないことをイメージしたくないのです。口にしたくないのです。「縁起でもない」と言われたくないからです。日本は「言霊(ことだま)の国」と言われ、古来より言葉にはエネルギーが有ると信じられて来ました。発した言葉どおりの未来に成ると。だから、良い言葉を発しようと。それは正しいと思います。「ありがとう」「うれしい」「しあわせ」等のプラスの言葉を多く口にするのは大切です。
でもそれと同時に、大切な前提条件も合わせて意識しないといけません。それは、「最悪、こうなるかもしれない。そうなっては困る。そうならないようにしよう。そのためにこうしよう」という危機意識です。その後に続けて「でも、大丈夫。きっとうまくいく。心配することは無い。良かった。ありがとう」と成ります。
今回の津波に関しても、もし最悪を想定する習慣があったら、地震発生直後に10メートル級の津波が観測された時点で、一斉にすべてのTV放送・ラジオ放送等を官邸からの中継に切り替え、東北地方の太平洋岸にいる全国民に対する緊急避難命令の発令を宣言できたかもしれません。それによる様々な問題は起きたでしょう。でも「その責任は私が取る」という人が一人いれば、物事は動くのです。もちろん、それでどれだけの人命が助かったかは分かりません。でも、それほどの巨大な津波が来るのかという危機感はより強く伝播したかもしれません。
これからも、おそらく様々な形で大きな危機がやって来ると思いますので、「最悪を想定する」習慣と、その上で、明るく、絶対に大丈夫と言う安心感を持って、日々の「今」を、前向きに過すことだろうと思います。そうすれば、実際には危機が来なくなるのではと思います(それが一番良いことですから)。
いずれにしても、外国の歌手の方々同様に、自分の生命、家族の生命を最優先にする時代に成りました。人からどう思われようとかまわない。命を脅かすものから家族を守ることが、何よりも大事。それは当然のことなのでしょう。だれも責められません。それはエゴでは無くて、人間の本能として理解していかないといけないと思います。ですから一刻も早く、安全な国、安全な街を取り戻すことに、全力を挙げる姿勢を示すことだと思います。
建築の役割はこれから大きく成りそうです。家族の生命を守る住宅。家族の心を守る住宅。これがこれからの世の中にとって、最も大きな御守りになると思います。丸二が目指している「最良の建築」とは、とてもシンプルなもので、「良い家だね」「良い造りだね」「良い仕事してるね」「良く出来てるね」「カッコ良いね」等の「良」を最もたくさん集められる建築のことです。生命を失う家を建ててはならない。心を失う家を建ててはならない。これからの「最良」は、住む人の生命と心を守る、御守りの建築になると思います。

トイプードルと生命を守る住宅

今年の7月、我が家にトイプードル(男の子)がやって来ました。生後1.5カ月で、とても小さくて可愛いワンちゃんです。それから約1カ月が過ぎて、体重も来た時の倍となり、だんだん男の子らしいワンパクぶりを発揮し始めました。自分自身、犬を飼うのは初めてで、いろいろなことに戸惑うばかり。子どもの頃は、家に柴犬がいましたが、ほとんど母が世話をして、小さな僕たちは、吠えられて逃げるだけ。犬は怖いものでした。
それでも最近は、ペット好きの方が増え、可愛い子犬にも触れる機会もあり、少しずつ抵抗感は無くなっていました。娘から「犬が欲しい」と言われた時も、子犬ならいいかなと思いました。トイプードルは、とても小さくて、可愛くて、元気なワンちゃんです。人気があるのも、よく分かります。毎晩、家に帰ると飛びついてきてくれて、日々の心を癒してくれます。
そうそう、名前は「じんべえ」と言います。とても日本的クラシックな名前ですね(娘が命名しました)。じんべえには、「福の神」という意味もあるらしく、確かに我が家に来てから、家の中が今まで以上に明るくなったような気がします。人間よりも寿命が短い訳ですので、あとどれくらい一緒に過すことが出来るのかは分かりませんが、毎日じんべえと触れ合って、モコモコした毛糸のような体を抱っこして、幸せな人生(犬生?)を送らせてあげたいと思います。
このように、家庭の中に明かりが灯るということは、とても大切なことだと思います。最終的に、幸せとは「安心」だと思いますので、日々の生活の中に笑顔や安らぎが生まれて来るような生き方を見出すことが大事です。一人ひとりの心の中が、笑顔と安らぎで満たされれば、その集合体である家族はもちろん、街、国、地球も、全部笑顔と安らぎで満たされるでしょう。だから国家論も重要ですが、それと同じくらい、一人ひとりの心の在り様も重要ではないでしょうか。
もし、可愛い子犬と暮らすことで、(子犬と一緒に)心の安らぎが生まれるのならば、それも1つの平和運動(への1mmの前進)なのかもしれません。反対運動のデモ行進よりも、自分自身や身近な人々が、心穏やかに安らぎの気持ちを持って、日々を懸命に暮らそうとする努力の方が、より素晴らしく尊いことに感じられます。
今の日本、諸外国と比べても、大規模な反対運動はあまり見当たりません。「反○○」ということよりも、個人個人がそれぞれの「心の平安」を(努力しながらも)日々生み出しているからではないかと感じます。だから日本は凄いのですね。静かな平和革命が、只今進行中ということです。今回の東日本大震災以降も、(これほどの政治的なミスが重なっても)大きな暴動は起きてません。もちろん心の中には強い怒りや葛藤はあるでしょう。でも、それも何とか自らの心の内で納めようと懸命の努力をしていると思います。全国民による静かな平和革命が進行中です。うちのじんべえ君も、その一員になってくれそうです。
さて、野田政権が始まりましたが、増税+官僚主導という考え方が、本当に展開されるのかどうかに注目しています。もしそうであるならば、日本の経済成長をどのようにして実現していくのか、なかなかイメージがつきません。3.11以降の新しい首相の手腕が、これからの日本を大きく左右すると思います。本当に国民のことを優しく、大切に、愛する方向へ行くのか。政治家・官僚・大企業・マスコミを守る方向へ行くのか。あるいは共にハッピーになれるウルトラCを出してくれるのか。あと数カ月で見えて来るのでしょう。
その間、日本を始め世界の各地でも、様々な自然災害は続くと思われます。今までの規模とは全く違う、さらに巨大な災害も起こるかもしれません。それは経済面にも大きな影響を与えることでしょう。国民を守るということは、人々が安心して暮らせる社会を造ることです。経済的な不安や災害の恐怖から国民を守って行く(あるいは必ず守るという姿勢を示す)ことです。結局のところ、これから人々の意識は「家族の生活、生命を守る」という一点に集約されてくるはずです。今までのように浮かれてはいられない、本当に家族の生命を脅かす危険が迫っている、どれをどのように防衛していくか。
これからは、様々なビジネスも「生活、生命を守る」という視点を抜きに存在しないと思います。今回の大型台風で被害にあった町や集落の状況を見ても、いかに「住宅」が人々の生命を守るために存在しているのかが分かります。住宅業界も、豊かな経済成長を背景に、表向きのお化粧だけは上手になりました。安く作ることも上手になりました。でも、住宅の本当の存在価値は、「家族の生命を守る砦」ではないかと思うのです。
私たちは、RC(鉄筋コンクリート)と天然木(お守りヒノキ)の両方の良さを融合して、災害(地震、火災、水害、台風、放射線等)に強く、なおかつ住みやすく、健康的で、心安らかに癒される住宅をご提案しています。大切な家族の生命を守ることが最優先と成る時代が始まり、世の中は混沌とすると思いますが、何が有っても、毎日我が家に家族が帰って来て、安心して笑顔で暮らすことができる場を生み出して行きたい。じんべえ君を抱きながら、そんなことを考える毎日です。
※最近の一枚
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シューベルト/ピアノ・ソナタ第21番
ピアノ/アファナシェフ
最近、ピアノ曲を聴くようになりました。「世界最高のピアニスト」という本の中で紹介されたいくつかのCDを聴いて、なんとなく目覚めたのです。私は、基本的には管弦楽(オーケストラ)の方が好きで、器楽曲や室内楽はあまりよく分かりませんでした。ところが今回、アファナシェフというピアニストの弾くシューベルトを聴いてみて、とても感じるものがありました。
今までシューベルト自体に詳しくなかったので、この曲も初めて聴いたのですが、とても深く、幻想的で、ある種の畏れ(恐れではなく)までをも感じることが出来ました。ピアノ曲は、たた一人の人間が音を出す音楽なので、その人間の全てが現れるようです。試しに他の演奏(ケンプ)を聴いてみたところ、まったく違う、とても普通に素敵でキレイな曲に聞こえました。アファナシェフは、日本の京都が好きで、そこで瞑想をするそうです。今の時代、自分自身の心の奥底を見つめ、本当に自分自身が望んでいることを見出すことが大切だと思います。時にはピアノ曲を聴きながら、心静かに、物思いに耽るのも良いですね。