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風が吹くまま

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新型コロナウイルスの影響により、「ステイ・ホーム」の時間が増えています。私は映画が好きなので、DVDを鑑賞するには良い機会です。最近、イランのアッバス・キアロスタミという映画監督の作品、「風が吹くまま(1999年)」を観ました。非常に良かったです。この監督の作品は結構見ていて、「友だちのうちはどこ?(1987年)」「そして人生はつづく(1992年)」「オリーブの林をぬけて(1994年)」「桜桃の味(1997年)」に続き、本作に行き着いたところです。
それにしても、キアロスタミの映画は全てが美しいです。イランの田舎の小さな村、荒涼とした丘陵の風景、美しい目をした田舎の人々の暮らし、ジグザグと続く土の坂道、季節によって彩を変える草木、広大な黄金色の麦畑・・・。実際の暮らしは大変なのかも知れませんが、「天国はいま(まさに)ここに在る」という不思議な感覚を刺激してくれます。
ストーリー的には、まったく劇的なものは無く、役者さんも全て素人さんなので、ドキュメンタリー風にも見えます。けれども、流れる映像の全てが作者の心象風景として完璧に表現されていると感じます。多くの人にとっては、「退屈」「結局何が言いたかったの?」という感じで、低評価に成るタイプの映画ですが、私にとっては、今まで見た映画の中で、相当な上位に位置する作品になりそうです。
原始的な世界、原始的な風景、原始的な暮らしの裏側に、この世の理想郷が隠されているのではないか。もうすでに(私たちには)全ては与えられているし、無駄なものも一切ない。それなのに、一体何の文句があるというのか。この理想郷は(原始風景の裏側だけではなく)自分自身の心の裏側にも隠されているのではないか。地球から月の裏側が見えないように、自分自身の理想郷は見えない。否、見ようとしない。理想郷を既に心中に持っていながら、文句を言う私たちとは一体何か・・・。
映画の筋とはあまり関係の無い感想になってしまいましたが、キアロスタミの映画を観ていると(なんとなく)そのような素直な気持ちに成るのです。同時に、とても暖かい気持ちにも成ります。今、私たちの世界は、コロナウイルスで大変な状況に成っていますが、今こそ心静かに自らの心中と向き合い、その裏側に潜む理想郷(安心感)を微かに感じながら、「ほっと」息を抜く瞬間が必要なのかも知れません。そしてそれはまた1つの幸福感であり、感謝の力なのでしょう。そんな優しく穏やかな心のあり様が、ウイルスを静かに終息へ向かわせると信じて・・・。
さて、この後のゴールデンウイークは、ポーランドの映画作家、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の「デカローグ」を観る予定です。これは各1時間の全10話で構成された、聖書の十戒をモチーフにしたドラマです。クシシュトフ・キェシロフスキは、フランス国旗の三色(自由・平等・博愛)をテーマとした「トリコロール三部作」で有名で、この監督の作品も美しい映像美なので、とても楽しみしています。
そして、私たち丸二は、変わらずに、災害に強い安心安全でローコストのRC(鉄筋コンクリート)住宅・賃貸・賃貸併用住宅の建設と、様々なリフォーム工事で、お客様の幸せづくりに貢献して行きます。特にリフォーム工事においては、コロナウイルスを経験したことで、「空調(換気)リフォーム」「衛生(トイレ・キッチン)リフォーム」「ホーム・オフィス」「ホーム・ジム」「ベランダ・リフォーム」をはじめ、自然災害に備えての「耐震補強工事」「屋根補強工事」「大規模修繕工事」「外壁改修工事」「防水工事」「設備工事」等にも力を入れています。コロナウイルスが無事に終息した後も、安心安全な生活をサポートして行きますので、何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

緊急事態宣言と春の風

「緊急事態宣言」が発令されました。これは、諸外国が実施している「都市封鎖(ロックダウン)」とは全く別物で、必要な経済機能は維持されるものです。無事に短期間で解除されると、コロナ後の経済回復への道が生まれ、此処に期待です。日本は(世界に比べて)感染者数も死者数も少なく、他国に比べればまだ恵まれた状況と言えます。コロナが収束(終息)した後に振り返ってみて、「ああ、日本人で良かった」「本当にありがたいことだ」と安堵し、感謝する時が来ると思います。それまでは大和魂でがんばって行きましょう。
コロナウイルスに関連して、日本の直近のインフルエンザによる死亡者数の統計を見たところ、一年間で約2,500~3,300人ということを知り、非常に驚きました。今現在、コロナウイルスによる死亡者数は約100人ですが、この20~30倍の死亡者が(毎年)出ていたことを全く知りませんでした。感染者数に換算すれば、その数十倍(数百倍)以上でしょう。このような数字(事実)を見ながら、政府は、「今、目の前の国民の命」と「この先の国民の命(経済の維持)」の難しいバランスに苦心していることが窺えます。いずれにしても、私たち一人ひとりは、3密を回避し、自身のウイルス対策を懸命に行いつつ、工夫しながらも経済を動かして行くことが大事でしょう。おかげさまで丸二の現場も(様々な工夫をしながら)順調に進行中です。このような時だからこそ、地域のお役に立って行きたいと思います。
また、最近特に感じるのは、このような時期にも関わらず、素晴らしい春の好天が続いていることです。日々、自然の素晴らしさを感じます。世界の経済活動が一時的にお休みしていることで、自然界が息を吹き返しているような気もします。今の自然界が為しているのは、人間を傷つけている訳ではなく、人間の心の浄化を求めているのではないでしょうか。もしかしたら、コロナウイルスもその1つの働きとして存在したのではないかと・・・。日本が(なぜか他国よりも)奇跡的に恵まれていることに感謝して、一人ひとりの心の在り方を見直して行けば、事態は早く収束(終息)して行くと思います。青い空、気持ちの良い風、美しい桜、そして新緑の季節へ。丸二の私たちは、今日もお客様に喜ばれる為に、1mmの前進を続けて参ります。ありがとうございます。
※J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)
ラインハルト・ゲーベル指揮/ムジカ・アンティクヮ・ケルン
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最近は、様々な夜間の会合等が無くなって、自宅にいる時間が増えました。私は、映画鑑賞や音楽鑑賞が趣味なので、実は全く退屈しません。気分転換には、映画「男はつらいよ」が最適。真剣に観る時は、ヨーロッパの古い文芸映画が好きです。CDでは、クラシック音楽やエレカシ等を聴いています。最近はバッハを良く聞きますが、特に「ブランデンブルク協奏曲」は非常に面白いです。この曲にはたくさんの名盤がありますが、ゲーベル指揮の盤は、超高速演奏で有名で、目が回るような楽しさです。バッハの音楽は今聞いても新曲のように響き、まるで宇宙の果てから降ってきたような気がします。この世界を浄化してくれそうな気もします。