社長ブログ

諸葛孔明と共生の時代

今、「三国志」の中の「赤壁の戦い」を題材にした映画「レッドクリフ」が話題になっていますが、まさに今こそ動乱の最中にあり、三国志から学ぶべき点が多いように思います。敵同士が同盟を組み、共通の敵を叩きつつ、隙あらば同盟軍を潰し、天下を取ろうとする。日本史でも世界史でも、このような戦国時代は常にあったわけです。今は形が変わりましたが、国同士、企業同志が、同様の戦略を駆使して、生き残りをかけていることは明らかです。逆に言うと、一人とか、一社では生き残れない時代。仲間や参謀、提携先、パートナーを増やしていくことが、乱世において重要なことのようです。
三国志の中で、最も特異な人物は「諸葛孔明」だと思います。並外れた見識を持つ軍師として、劉備に仕え、次々と人間離れした戦略・戦術で戦いを勝利に導く・・・まさに最高の軍師、参謀でした。諸葛孔明が多用した手法に「奇門遁甲(きもんとんこう)」という秘術があります。いつ、どの方向へ進むと、どのような「気」を得ることができる・・・というもので、攻撃の時期を決めたり、相手を動かし弱体化させるために活用したようです。今の日本に、このような軍師がいたら面白いのになぁと思います。もちろん時代が違うので、戦って勝つのではなく、国のトップを良い方向へ導き、民のためになる政治を行えるように・・・です。
丸二の場合は、以前より、様々な優秀な技術を持った人・企業とパートナーシップを結び、多くの建築技術を身に付けることができました。昨日のブログで書いた「建築医学」もそうですし、丸二の看板商品である「ルネス工法」「外断熱工法」もそうです。これらの技術は、一社で開発することは出来ません。そのような特殊な技術を持った人・企業の力を借りていくものです。そのようなプロセスを経て、丸二は、建築に関わる総合的な本物技術の実績を積み重ねてくることが出来ました。まさに、提携型ではないかと思います。
本当に良いものを提案するために、良いものを探し、共同でマスターする。あるいは、コーポラティブハウスのように、共同で住まいを建てる。これも一種の提携型です。時代は、共生の時代に入りました。地球環境との共生ももちろんですが、人・企業・社会との共生も急務です。共に力を合わせて、良いものを広めて行きたいと思います。

建築医学の可能性

16日の日曜日に、日本建築医学協会主催のシンポジウム「癒しの環境と建築医学」が開催され、丸二もいつものようにブース出展をさせていただきました。今回は参加者が400人を超えたということで、大盛況!!本協会が発足した当時から比べると、本当に時代が変わってきたという印象を強く受けます。
「環境」と「場」が、どれほど人間の心と脳と体に影響を与え、それが人々の健康、人間関係、ビジネス活動を大きく左右しているという現実を知ることにより、真剣に取り組む人が増えてきたのでしょう。まして、今のような経済環境の中では、心と体を常に健康にしておかないと、大変です。国の財政が厳しくなってきたのであれば、医療費の削減も確かに必要です。そのためにも、病気になりにくい環境プログラムを住まいや地域の医療施設にインストールすることは、色々な意味においても急務だと思います。
この日本建築医学協会は、「健康的な住環境を推進する議員連盟」の後援もあり、国の政策に対する道標の役割も担っています。つまり今後は、建築という分野において、国民の健康と財政再建を両立することが可能になってくるのです。これは本当に凄いことだと思います。ただ不要な道路をつくるような「浪費型」ではなく、街や地域の「場」を改善する「創造型」の政策で、人々の健康と景気の浮揚の両方を狙って欲しいと思います。住まいが人を病気にしているという現実から目を背けてはいけません。建設業界としては、耳の痛いこともたくさんあります。でも、そこを切り拓いていくことが、業界のためのみならず、社会全体への貢献につながると思います。
今こそ、勇気を持って取り組む時です。この収縮の時代では、本当に必要なものしか生き残れません。供給者側(建設会社、設計者)の利益やエゴは、もう限界値まで来ています。これからは住む人の健康・安全・幸福の追求です。そういうものに取り組むには、相当の時間とエネルギーが必要です。丸二は15年をかけて、ひとつの答え(=技術)を持つことが出来ました。これが最大の資産でもあります。これからの厳しい時代の中で最も必要とされる心と脳と体の健康を、私たちは「建築」という分野で実現していきます。

流れを変える

いろいろなことが起きています。アメリカで初の黒人大統領が誕生し、世界の流れが未知の世界に入ろうとしています。今までの流れを断ち切って、新しい世界を創っていこうとするパワーの誕生。さすがアメリカ。一時的な混沌や混乱を覚悟の上で、それを乗り越えていこうとする勇気が、今回の「CHANGE」を実現させたのでしょう。結果的に、オバマ新大統領が優れた政治を行えるかどうかは、それこそ未知の領域ですし、実際は相当大変だと思いますが、少なくとも「現状のままではダメだ」という判断が下されたのは間違いありません。
日本の場合も、いろいろと事情が違うにせよ、「現状のままではダメだ」という意識は明らかに生まれて来ています。その変化を(アメリカのように)政治そのものに求めるのか、そうではなく、むしろ自分自身の内面の方に求めるのか・・・それは国によっても、個人によっても違います。でも、どちらにせよ、世界でも日本でも、「人心改革」のスイッチは押されたように思います。
そんな中、小室哲哉氏が大変なことになってしまいました。流れの変化とは本当に恐ろしいものです。巨大な幸運の波の後は、巨大な不運の波が来るのでしょうか・・・。この流れの変化は、個人の能力を超えた力を持って押し寄せるので、誰しもが飲み込まれてしまうのでしょう。抵抗不能。そういう意味で、小室氏の人生は、私たち一般人から見ると、確かに極端に誇張された見え方をしていますが、すべての人々の問題でもあると思います。「人の事は言えないなぁ・・・」と、素直に思います。
小室氏にように、とてつもない才能があったが故に、巨大な幸運と巨大な不運が生み出されたとしたら、自分自身に特別な才能が無かったことに、むしろ安堵すら覚えます。うん、このまま「中庸」の路線で行こうと。何か変な自信に満ち溢れます。そして、その中で小さな幸運の流れが来ても、決して奢らず、謙虚に、質素に生き、もし小さな不運の波が来ても、辛抱して、誠実に生きる。こういう学びを得る事が出来たとしたら、小室氏の生き様は、ひとつのシグナルとして、感謝して受け取ることができると思います。ぜひ、ここを辛抱して、復活して欲しいと思います。
流れを変えていくには、自分自身を変えていく以外ありません。でも、どのようにして変えていくかは、なかなか難しいものです。それでも日々1mmずつでいいから、「何か」を続けていくこと。継続は力なり。小さなことの積み重ねは、いずれ大きな流れを生み出すはずです。日々、今できることに、最善を尽くすこと。抽象的ですが、これしかないと思います。