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美しさへの畏敬

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イタリアのフィレンツェにある「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)」に落書きをした日本人がいた!!ああ、何という恥・・・。フィレンツェの街を歩いていると、突如、信じられないほどの巨大な建造物が出現します。それが、この「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(ドゥオーモ)」で、イタリア旅行のパンフレットやチラシには、必ずと言っていいほど、そのレンガ色のドーム屋根が美しい大聖堂が映っています。私も数回、その雄姿を目にしましたが、その巨大さを超えた圧倒的なエネルギーは、大げさではなく、この世のものとは思えないほどの存在感でした・・・。
そのような歴史的な建築物(3棟に分かれています)に、マジックで落書きをするとは・・・。唖然ですね。最近、ニュースを騒がせているような大事件と、今回の「(本人の意識では)ちょっとしたイタズラ」を天秤に掛けることはできませんが、「悪」という意味においては同じ重さかもしれません。日本人は、いよいよ「美意識」を失ってしまったのでしょうか。風景や街並みや田園の美しさを犠牲にして、経済的な豊かさばかりを追求してしまった結果、海外で平気で恥をさらす文化を造り上げてしまったのか・・・。政治や経済をめぐる様々な問題やトラブルに対しては、大いなる批判的精神を持ちながらも、その底流には基本的な相互理解というものが横たわっているものですが、このような低次元の悪事に対しては、そのようなものすら存在する余地はありません。このニュースは、(ある意味)近年最も日本人の評価を落としてしまった出来事になったのではないかと思います。
私がなぜそこまで言うかというと、本当にこの大聖堂は、見事で美しくて壮麗なのです。ただ、それだけです。でも、それ以上の説明が必要でしょうか。私は、「美しい」ということに畏敬の念を持つ感性だけは、一生失いたく無いと思います。今ある風景や現実を大切にし、できる限り美しい状態を維持したり、あるいは、より美しく改善していくことは、風景を共有する私たち人間の最も大切な義務だと思います。地球環境を論ずる前に、身の回りを汚さないことから始めなくてはなりません。相変わらず、東京の道端には、タバコの吸殻が落ちています。信じられないことです。