社長ブログ

想像し、創造する。

年が明けて10日が過ぎ、世間も平常運転になって来ました。元旦に地震があって、ちょっとドキッとしましたが(私は外にいて、全く気が付きませんでした)、まずは穏やかな滑り出しのようです。それでも社会全体を覆う様々な事象については、なかなか思うように前へ進まず、とりあえずの対策のままで、何とか表面を維持しているように見えます。「変えよう」とするアクセルと「変えたくない」とするブレーキの両方を踏んでいる状態ですので、どちらにも進んでいないように見えますが、今後はアクセルの力の方が増して行くのは必然です。そのようにして2012年は進んで行くと思います。
「変える」というのは、本当に大きなエネルギーが必要ですし、もちろん恐い気持ちもあります。でも、やはり何かしらの「動き」を出さない限り、事態は良くなりません。事態が動けば、今までの安定均衡が崩れるので、当然さまざまな問題も平行して起きて来ます。それでも、速度を落とさずに進んでさえ行けば、必ず次の段階の(新しい)安定均衡の道へと出るのでしょう。
2012年は、昨年の3.11以後、この「動き」が加速していく年になると思います。だから、日本も、自分自身も、あえて不安定(逆境)な状況の中に積極的に飛び込み、でこぼこ道を行く必要があると思います。今まで走っていた(安全だと思っていた)道の先では、大きな崖崩れが起きているからです。だから、もうすでに、でこぼこ道(苦難道)に入っている人は、逆に早く(新しい)綺麗な道に出るのかもしれません。そう信じていけば、そう成ると思います。何が幸いするか、分からないのだから、「いま」に感謝をして、前へ向かってアクセルを踏み続ける。日本はきっと、最高の道に行けると思います。
さて今年は辰年(昇龍)です。辰年は(過去の平均から)最も株価が上昇する年と言われていますが、前回の2000年の時は下がりましたので、今は別の形で「昇龍」現象は起きて来るのだと思います。多分、一人ひとりの意識が高まる(上昇)というような形ではないでしょうか。それは、経済的な面と(すぐには)結びつかないため、「良くなった」と感じることが出来ないかもしれませんが、後で振りかえると「あぁ、良い一年だったんだなぁ」と成るような気がしてなりません。
ここは、人によって差が出て来るのかもしれません。置かれた状況(環境)に全く関係なく、「何だか分からないけど楽しい、面白い、ワクワクする」と言う人と、「何だか分からないけど不安、心配、恐い」と言う人とに。ここがポイントではないでしょうか。「楽しい、面白い、ワクワク」の人は、きっともうすぐ良い道に出られるのだと思います。「不安、心配、恐い」の人は、なかなか悪路から抜け出せないのだと思います。自分自身の「良心(太陽)」に従って、「自力」で生きて行く腹を決めれば、自動運転装置に切り替わって、良き道へ向かわせてくれるような気がします。「依存からの脱却」が今年のテーマだと考え、「自分自身」を生きて行こうと思います。
話は変わりますが、先のブログで、指揮者のフルトヴェングラーのことを書きましたが、この人の音楽の特徴に、極端な「速度の変化」というものがあります。普通はインテンポ(一定のテンポ)で演奏するところを、フルトヴェングラーは、リタルダンド(だんだん遅くする)や、アッチェレランド(だんだん速くする)等をして、音楽に感情(意識)を投入していきます。これは「譜面通りでないからダメ」のような意見も確かにあるのですが、聞いていて、とても自然で、人間的で、心から音楽に感情移入することが出来ます。どんどん減速(リタルダンド)することによって、その後の音楽から、最高の喜びや歓喜、感情の爆発が生まれるのです。
インテンポ(一定のテンポ)で淡々と(ただ安全に)生きて行くよりも、時には減速して、止まってしまうようなことが起きたことによって、その後の人生が爆発するという面があるように思います。楽譜とは、作曲家の頭の中(天から受信?)にあるものを、便宜的に紙に書き写したもので、頭に思い浮かんだものの「全て」ではないはずです。楽譜に書き留められなかったものまでを想像して、「創造」するのが、指揮者の仕事だとすると、「ただ譜面通りやれば良い」というのは、何か違うような気がします。
実は建築も同様で、図面は、(作曲家である)設計者の頭の中にある建物の姿を、便宜的に平面に書き写したもので、その全てを表現できているわけではありません。(指揮者である)現場監督が、その図面から、建物の全てを想像して、実際に「創造」するのです。図面通りは当たり前で、その上に、感情(意識)を投入していくものです。だから、現場監督は、人間性で決まるのです。その建物の全てを、住む人の気持ちになって考え、お客様にとっての「最良」とは何かを想像し、「創造」するのです。これは人間性の発露、そのものではないでしょうか。
私は、施工管理技術者(現場監督/指揮者)という仕事を、心より尊敬します。音楽も建築も、指揮者(現場監督)と聞く人(お施主様)で成り立つものです。その創造作業の中に、書かれているもの以上の「何か」を想像し、「創造」することができるのは、特別な仕事だと思います。そして、自分の人生を指揮するのは、自分自身です。ただ無意識にレ-ルの上を行くのではなく、本当の自分自分の姿を想像し、「創造」することが大切だと思います。外側の世界に依存し、外側の世界に合わせるだけで、自分自身を生きていないことこそが、本当の不幸ではないかと思います。幸福とは、自分自身を生き切ることだと思います。だから「幸福は今、ここにある」と言うのは、本当のことだと思います。
今、日本を含めて世界は、大胆なリタルダンド(減速)の最中にいます。でも、その先には大胆なアッチェレランド(加速)が待っています。これは、私たちが本当の喜びを最大限に感じられるようにするための、大自然の大いなる計らいかもしれません。共に、良き未来を想像し、「創造」して行きましょう。