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3.11から一年

東日本大震災から一年が経ちました。今日の2時46分、心の中で、黙祷を捧げたいと思います。あの日から始まった恐怖は、誰の心からも未だ消し去ることはできないと思いますが、それでも「時間」を重ねる中で、前へ、前へと進んで行かなければなりません。この一年、被災された方々をめぐる様々な物語をお聞きしながら、多くの国民は(心の中で手を合わせながら)被災地の復興を祈って来たと思います。それでも、なかなか物事は順調に進んでいません。
私たちは、何か根本的なことを喪失しているような気がします。それは、「基礎から」造り直すという視点です。必要な部分補修と並行して、本質的な「建て替え」計画を創造しているかどうかということです。そのような意味で、この一年間は、「空白の一年」だったのではないでしょうか。
被災され、命を落とされた多くの方々に対して、私たちが出来ることは、日本を良き国、良き社会に建て直すこと以外にありません。このような自然界からの明確な意志を受けた以上、日本も世界も、早急に21世紀のグランドビジョンを打ち出さなければならないと思います。もう一年も経ったのですから・・・。
今までの時代は、自然を破壊しながら、人間のエゴを優先させてきました。その結果、確かに物質的な豊かさを享受できました。私たちも、そのおかげで便利で快適な社会生活が出来ています(これは感謝すべきことです)。でもその一方、自然界へ多大なダメージを与えてきたことも事実であり、同時に、良心的な人や良心的な会社が苦しむ経済システムを造り上げてしまいました(これが最大の負の遺産です)。
そして、このような20世紀の「負」の部分を引き摺ったまま21世紀は始まり、善良なる東北の地において、「3.11」が発生しました。私たちは、そこに気が付かなければなりません。今出来る部分的な対処を懸命に続けながらも、より根本的、より本質的、正しい道理に基づいた「本当の」価値観による世の中づくりを開始しなければなりません。
その実践者は、もう政府や大企業ではなくて、「個人」だと思います。個人の意識だと思います。一人ひとりが、これからどのような世の中を造るべきかを考えて、そのイメージの中で、出来ること(小さなこと)をやっていく。一見、まわり道の様ですが、実は最も早く、確かだと思います。その流れは、仲間同士やインターネットで広がり、最後は(逆に)国の形を形成していくと思います。
国造りが「個人」の集合意識でできる時代になりました。3.11から一年という今、未来へ向けての良きイメージを持ち、共に良き社会を創造していきましょう。