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真の成功者

最近、女性芸能人の洗脳問題がワイドショーを賑わせていましたが、今はあらゆるところに(無意識に)人を管理・コントロールする作為が満ちているような気がします。TV、CM、映画、音楽、新聞、ネット・・・。結局、今の時代を造り上げたのは、私たちの総意だったのですが、その総意も「何となく」のイメージで構築(誘導)されているものであり、本当に「分かった」上での総意ではないと感じられます。女性芸能人のことを、とやかく言えません。
日本は先進国の中で、異常に自殺が多い国です。これは確かに問題であり、改善すべき重要課題です。でも、内閣府が「〇〇対策強化月間」「〇〇予防週間」として大々的に謳えば謳うほど、余計に「〇〇」は拡大・増加していくものです。人が意識を向けたもの、言葉として発したもの、文章化したものは、増加・拡大・実現化する法則(特性)があるからです。人の心の無意識(潜在意識)とは凄いもので、それを見たり、聞いたりすればするほど、その現実を引き寄せます。
だからもし対策をするのであれば、例えば「元気いっぱい月間」「こころの安心月間」「大丈夫だよ週間」「生きようね週間」等の良き言葉に変換して行う方が良いと思います。「戦争反対」では、逆に戦争が拡大するからです。このように私たちは、あらゆる「情報」に気を付けていかなければなりません。もしかしたら毎日、無駄な情報あるいは作為を持った(意図的な)情報を(無意識に)受信しているかもしれません。それによって誤った人生を選択しているかもしれないのです。
その情報が、正しい(善意の)情報かどうかを見極めるのには、先ず自らが本物の感性を持つ以外にありません。そのためには、物の道理を理解することです。まわり道のように見えますが、それが王道です。自然界の様相から学び、物事の摂理を理解して、自らの生き方を創造していく。決して外側のもの(人)に依存しない。そうすれば、変な情報や変な人は離れて行き、真実のみと向き合えるようになると思います。「自分自身」に成ること。それが偽物情報(人間)から身を守る最善の方法だと思います。
ところで、先程の「元気いっぱい月間」に関してですが、人は誰でもトコトン落ち込む時があるものです。それを避けたいがために、何かに「依存」することはあるでしょう(その女性芸能人のように)。でも、よく考えてみると、そもそも人間は、様々な経験(艱難辛苦も含めて)を味わいたくて、生まれて来たのではないでしょうか(私はそう感じています)。だから、それを上手に避けてしまったら、いったい何のための人生なのか・・・意味が分からなくなってしまいます。
私たちは、うまく(難を)避けている人々のことを「成功者」「幸福者」と呼びます。でも、果たして本当にそうなのでしょうか・・・。苦しい時は、素直に落ち込み、嬉しい時は素直に喜ぶ。その状況に(良い意味で)どっぷりと浸かりながら(味わいながら)何かを掴もうと、もがく。本当は、そのような体験を「したくて」「したくて」生きているのかもしれません。
祭りに来たのに、踊らずに帰る。それを後悔して、また祭りに来て、また踊らずに帰る。その繰り返し。人生とは艱難辛苦のお祭り事ではないでしょうか。思い切って、輪(環、和)の中に入り、どっぷりと味わってしまった者の勝ち。そのように考えられれば、「〇〇対策強化月間」などはもはや不要で、むしろ悩みながら前へ進んでいる(踊っている)人々こそが、真の成功者であるという真実が見えてきます。
発想の転換ですね。こういう考え方、私は好きです。もちろん私も、たまには落ち込みます。でもそこに、あまり深刻さはありません。実は内心、ワクワクしている時もあります。なぜかと言うと、そういう時は、ビーチボーイズの「ペットサウンズ」を思い出すからです。意味が分からないとは思いますが、ビーチボーイズの大黒柱であるブライアン・ウィルソンが、極度の精神的破綻状態に落ち入った時、後に「金字塔」と呼ばれることになるアルバム「ペットサウンズ」を生み出したことを知っているからです。
もし、彼が上手に(うまく)人生を歩んでいたら、「ペットサウンズ」は生まれず、それに対抗して作られたビートルズの名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」も生まれなかったでしょう。「ペットサウンズ」というアルバムの名前は、メンバーから「こんなクダラナイ音楽は犬にでも食わせとけ!」と罵られたことから付けられたそうです。何て、悲しいことでしょう・・・。でも、その「クダラナイ音楽」のおかげで、今の彼らの名声が在るのです。そしてあのベートーヴェンも、耳が聞こえなくなり、あまりにも生きていくことが苦しくなり、ついに遺書を書きました(ハイリゲンシュタットの遺書)。でもそこを懸命に乗り越えた「後に」、「英雄」「運命」「田園」「第9」が誕生していくのです。
苦しい時が来たら、ワクワクしながら「後に〇〇と呼ばれる」何かを創造しましょう。きっと誰にでも出来ることです。決して、何か(誰か)に依存して、そのビッグ・チャンスを逃してはいけません。悩んでいる人こそ、真の成功者だからです。