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お伊勢参り

2月の末にお伊勢参りに行かせていただきました。前回の伊勢神宮参拝は3年前、会社の創立60周年記念で(その翌年に)社員全員で参りましたが、今回は妻と二人です。朝早く近鉄名古屋駅を出て、伊勢市駅で下車。そのまま歩いて外宮まで行きました。外宮は内宮に比べて参拝者の数は少ないですが、非常に神秘的な森の中に在り、けれどもとても明るい光を感じさせます(上空から巨人に見られているような感覚です)。今回は特別参拝(御垣内参拝)をさせていただきました。御正宮の参拝後は、反対側の小さな山の上へと続く階段を登って(重要なお宮と言われている)多賀宮を参拝。後はゆっくり歩きながら、伊勢市駅まで戻りました。普通ならそのまま(バス等で)内宮へ向かうコースですが、今回は時間があったので、また電車に乗って(少し遠い)伊雑宮まで行きました。
伊勢市駅からさらに賢島方面へと下り、上之郷という小さな無人駅で降ります。そこまでの電車は二両編成のワンマン電車。駅員がいないため、切符は電車内の回収箱に入れてから下車します。そのようにして(誰もいない)上之郷駅を降り、普通の民家の間の小道を3分ほど歩くと、小さなお宮が在りました。そこが伊雑宮です(内宮の別宮です)。いろいろな識者や専門家のお話によると、全125社ある伊勢神宮の中で(内宮・外宮はもちろんですが)伊雑宮は最も重要なお宮とのこと。そのようなことを知り、確か10年程前(夏頃)の伊勢参りの際にも一人で来たことがあり、その時の印象がとても良く、また今回も参りました。本当に小さなお宮なので、参拝者の数も2~3人ほど。けれどもその森の参道の奥に在る御正宮の回りには、暖かな光のシャワーと鳥のさえずりが集まっていて、何とも言えない(原始的な)静寂空間でした。参拝を終え、隣にある御神田も観ました(此処で伊雑宮に奉納する米の田植えを毎年6月に行なう御田植式は、香取神宮・住吉大社とあわせて日本三大御田植祭とのことです)。
再び上之郷駅に戻り、一時間に二本の各駅停車に乗ってゴトゴトと上り、今度は五十鈴川駅で下車。タクシーに乗って内宮まで行きました。特に特別な行事の無い平日にも関わらず、やはり内宮の賑わいは凄かったです。駐車場を待つ車の渋滞もありました。此処で時間が正午を過ぎていたので、おかげ横丁でお昼を食べ、そしていよいよ内宮へ。あの有名な木造の長い橋(宇治橋)を渡り、玉砂利の参道を行きます。内宮は「右側通行」と書いてあり、皆、参道の右端を歩いて行きます(確か外宮は「左側通行」と聞いたことがあります)。外宮も内宮も参拝者の多くが、参道の端を歩くことや鳥居の下で(立ち止まって)一礼をすること等をごく自然に行っていました。他に気を付けるマナーとしては・・・御神木に手を触れない、石等を持ち帰らない、写真は正殿の正面からは撮らない、きちんとした服装でお参りする等があり、決して不敬にならないように神経を使います。決して観光気分では歩けない参道です。
御正宮への石段を一段一段と上がり、内宮も特別参拝(御垣内参拝)をさせていただきました。外宮も内宮も御垣内に入っての参拝は本当に緊張します。その瞬間まるで太古の日本へとワープしたかのような感覚がします。そして参拝後は御神楽を上げていただきました。雅楽の太古の響きにはいつも「厳しさ」を感じます。日常の人間同士の甘えとは程遠い世界が在り、身の引き締まる思いがしました。このようにして外宮~伊雑宮~内宮にて、それぞれの御札をいただき、そのまま真っ直ぐ帰路に着き、翌朝には自宅と会社の神棚に新しい御札をお祀りさせていただきました。ここで(やっと)ほっと一息です。古い御札を持って出かけて、新しい御札を持って帰り、新たにお祀りするまでの間(無意識にですが)ずっと緊張していたように思います。これがきっと伊勢神宮なのでしょう・・・。また来年以降も御礼参りに行けるよう、この日々を懸命に歩んで行きたいと思います。そして会社の創立70周年(2023年)の際は、また社員全員でお参りに行きたいと思います。確かもうその頃は・・・新しい天皇の時代、新しい元号の時代なのですね。次の式年遷宮に向けての神事もどんどん進んでいる事でしょう。さあ、新しい日本の風が吹く時代へ行きましょう。きっと素晴らしい時代に成ると信じて!!