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特別な何か。。。

米国トランプ大統領の初来日の3日間が無事に終わり、先ずは良かったと思います。日米関係の絆は、日本にとっても、米国にとっても、大事な生命線と感じますので、両国間の様々な問題・課題を認識しつつも、深い部分(底流・基礎)において、良好な関係が(今後も)続いて欲しいと思います。当日のニュースで、トランプ大統領とにこやかにお話をされる天皇陛下のお姿を拝見し、同時に72年前の昭和天皇とマッカーサーとの歴史的会見を思いました。あの時マッカーサーは、天皇陛下に特別な何かを感じ、大きな感動と衝撃を受けたと云われています。そしてそのおかげで今の日本が在ります。きっと今回のトランプ大統領も、特別な何かを感じたのではないでしょうか。その後、韓国~中国を巡った後、日本という国の持つ「特別な何か」に気づくのではないかと期待いたします。
一方、むしろ日本の中にいる私たちの方が、その「特別な何か」に対する意識が薄れて来てしまったようにも感じます。例えば、最近の日本を代表する大企業による(重大な)不正が相次いで露呈しています。このことで日本の技術、品質、国民性に対する世界からの絶大な信頼に傷が付かないか大いに心配するところですが、問題の本質は、会社あるいは個人の意識であり、人としての良心に起因するものです。現代の日本人は(目には見えない)何か大きな存在を忘れかけているような気がします。
昔の日本の家では、おじいちゃんやおばあちゃんが、日々の日常生活の中で、「お天道様が見ているよ」と小さな子どもたちに言って聞かせていました。これは理屈で理解するものではなく、素直に、純粋に、「感じる」種類のものです。このことを「道徳」と呼ぶのであれば、今の日本には「道徳教育」が必要なのではないかと。「道徳」「道理」「原理原則」は、日々の生活や人生、あるいは経営や政治を行う上で、絶対的に必要不可欠な基礎であり、日本人の固有の共有財産です。その素晴らしい道徳観が失われつつある時代の中で、私たちはどう生きて行くべきなのでしょうか・・・。
これから世の中は人工知能(AI)の時代に成って行くと言われています。実際に多くの職業や職種が消えて行くのでしょう。けれども(最後は)人間の目と手に依る建築やリフォームの現場においては、今後も「人」が主役であり続けると思います。だからこそ、私たちは「道徳感」というものを大事にして行きたいのです。日々、美しい現場造りを懸命に目指すのも、何か特別な・・・まるでお天道様に見られている様な感覚が在るからです。迷ったら良心に問え。このような「情緒」は日本人独自の文化でしょう。私たちは、日本の建築業界の片隅で、特別な何か大切なものを見付け、継承して行きたいと思います。
※映画「山」(1956年/米国)
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名優スペンサー・トレイシー主演、アルプスの雄大な風景を舞台とした山岳映画「山」をDVDで鑑賞しました。全く知らない映画だったのですが、非常に面白かったです。山を愛する老ガイド(スペンサー・トレーシー)とその弟(ロバート・ワグナー)が、山頂に激突した航空機の墜落現場へ向かう物語なのですが、弟の金品目当ての目的を嘆き悲しみ、自らは生存者1名を麓まで背負って生命を救います。一方、金品に目が眩んだ弟は、下山の途中で命を落とします。ところが最後に主人公は、愛する弟の名誉のために、ある嘘を付きます。此処に何か、日本人にも相通じる情緒的な美学を感じ取りました。とても古い映画ですが、隠れた名作です。