


2013.01.31
昨日のJR中央線の事故は、線路に隣接する建設現場の足場用鉄パイプと防護ネットが倒れて起きました。あらためて私たちも、安全管理へのさらなる注意が必要と感じました。このような事故を未然に防ぐには、様々な日頃の安全意識や防災対策が必要ですが、それをもっともっと辿って行くと、日々の小さな挨拶やマナーの習慣に行き着くような気がします。挨拶を疎かにしない、マナーを大切にする、横柄な態度を取らない、まわりに気を配る。このような日頃の小さな物事の集積が、最後は自分自身を事故や災難から守ってくれるのではないかと考えます。
世界で最もマナーの良い国である日本が(他国に比べて)平和であると言う事実は、決して偶然では無いと聞きました。であるならば、キレイな現場で事故が起きにくいのも、理に叶っています。現場をキレイにするのも1つのマナーだからです。最近はトイレ掃除や街の掃除をする人が増えていますが、私たち建設会社は、毎日現場をキレイに掃除や整理整頓をすることで、自分自身の人生を守っていると言えます。建設業は、業務の中に「掃除」が在る職業です。だからこそ建設業は聖職であり、私たちはそのことに誇りを感じています。
これから世の中はどんどん進んで行き、発展をしながらも、同時に新たな問題も増えて行くと思います。地球も社会も、まったく新しい段階に入りましたので、今後どのような危険が待ち構えているか分かりません。だからと言って、恐れていては何事も成されません。ただ毎日、小さなことを意識して、大切にしていくことではないかと思います。私たちにとっての「キレイな現場」とは、そのような意味を持っています。毎日、コツコツ、キレイにする。いかなる時代に成ろうとも、毎日現場をキレイに掃除するという「心」に勝るものはありません。どんなニュースを見ても、結局最後はここに行き着きます。
※最近のCD

冨田勲/イーハトーヴ交響曲
大友直人&日本フィルハーモニー交響楽団、初音ミク、他
「心」と書く時、いつも宮澤賢治を思います・・・。さて最近、冨田勲氏が、新しい音楽を創りました。宮澤賢治の「イーハトーヴ交響曲」です。子どもの頃から冨田勲氏のシンセサイザー音楽が好きでしたが、今度の曲はオーケストラと合唱とヴァーチャルシンガー・初音ミクとの協演です。そして宮澤賢治の世界。昨日CDを買って、初めて聞いて、「銀河鉄道の夜」のところで思わずウルウルしてしまいました。イーハトーヴとは賢治が描いた理想郷です。「銀河鉄度の夜」も、昨年公開された映画「グスコーブドリの伝記」も、自己犠牲の物語です。本当の「さいわい」を求め生きた宮澤賢治の「心」は、きっとどのような時代が来ても、永遠に生き続けるでしょう。
2013.01.30
先日、知人から面白いお話をお聞きしました。それは、「信長や秀吉は天下を取ったが、家康は天下を治めた」と。信長や秀吉は確かに鮮やかに天下を取ってトップに立ちましたが、それは長くは続きませんでした。逆に家康は、大量の時間と苦労を掛けて(やっとの思いで)天下を取り、その後も260年に及ぶ江戸時代を築き上げました。
その勝因のポイントは2つだったと言います。
①家康は、(参勤交代等の)仕組みを造った。
②家康は、(時間を掛けて)根を張った。
人間も会社も、先ずは(時間を掛けて)根を張ることが大事だと思います。でもここは、目に見えない土の中なので、多くの人が軽視する部分でもあります。人間は、すぐに実に成ることばかりを追いかけて、土の中で根を張る作業を疎かにします。仮にたくさんの実が獲れても、すぐに枯れてしまうのに・・・。その繰り返しです。真実は、基礎造りに在ります。
丸二の経営理念も同様です。私たちはお客様との「ご縁」を大切にしています。時間を掛けて育てています。小さな芽がいつかは大きな木に成るように、その信用をじっくり育てています。まさに年輪のように1mmずつです。大きな木が倒れないのは、土の中に立派な根が張っているから。様々なサービスや対応の仕組みと共に、私たちはあえて時間を掛ける道を歩んでいるところです。
実は私は、信長より家康の方が好きです。ナントナクそういう面に共感していたのかもしれません。丸二は家康型だと思います。天下を「取る」ことが目的ではなく、「治める」こと・・・つまり「持続して成長する」ことが目的だからです。だからいろいろな仕組みもあります。社員のための勉強会もあります。すべてが有機的に結びついていると感じます。
この①と②を実現するために一番大切なものは、実は社員の人間性ではないでしょうか。社員一人ひとりが人間としての基礎を持って、成長していく方向性があって初めて、仕組みや根造りは良き方向へ伸びて行くと思います。私たちの最大の強みはここにあると感じています。丸二は今年で創立60年。江戸時代の260年には遠く及びませんが、これからも静かに(地中に)根を張って行きたいと思います。
※最近のCD

ハイドン/交響曲第93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104番
ミンコフスキ&ルーヴル宮音楽隊
「静かに根を張る」とは、とても地味なイメージですね。でも私自身も、丸二も、そのイメージにかなり近いと思います。私がひそかに愛好しているハイドンの音楽も、まさにそうです。ハイドンと言う名前自体はとても多くの人に知られていますが、実際の音楽を知っている人は先ずほとんどいません。クラシック音楽のファンの中でも、少数派ではないでしょうか。それくらい地味です。でも・・・聴き始めると本当に素晴らしいのです。モーツァルトやベートーヴェンのような有名曲はまったく無く、どれを聴いても同じように聴こえるのに・・・深いのです。そして楽しいのです。気分が爽快になります。つい微笑んでしまいます。交響曲の父と言われてますので、交響曲の数がとても多い。全部で104曲。どれが何番だか、未だによく判りません。それでも、どれを聴いてもワクワクします。深いけど、深刻さは皆無。不思議な感覚です。ハイドンのCDは、ヨッフム、ベーム、セル、ザンデルリンク、ワルター、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ等の往年の大指揮者のものを持っていますが、最近は、古楽器系の指揮者、ミンコフスキのを買って聴いています。今まさに、この音楽が誕生したかのような新鮮さで、ハイドンの面白さが伝わります。本当におおらかで、やさしくて、元気な音楽です。静かに心に入って来ます。
2013.01.05
1月5日です。例年なら今日から仕事始めですが、今年は土曜日に当たるので、週明けの7日(月)よりスタートいたします。それでも自分自身の中では今日からがスタートの意識で、いつも通りの時間に会社に来て、静かに仕事始めをしています。年を追うごとに時間の過ぎるのが速く感じられますが、それは自分自身の年齢の問題だけでは無く、本当に世の中のスピードが上がって来ているように思います。社員にも日頃から「スピード、スピード」と言っていますが、時代のスピードは上がる一方なのに(逆に)様々な規制や手続きが無秩序に増加するばかりで、今の社会は(まるで)深い泥の中を必死で走っているかのような状態だと思います。泥(規制や手続き)がもっと少なく成れば、スピードはどんどん上がります。もちろん、私たち自身の走るスピード(足腰の強さ)も上げて行かなければ成りません。日本人は知力も能力も高く、悪人よりも善人の方が多いのだから、もっと規制や管理を少なくして、足取りを速めて行くことが、国全体としても有効ではないかと思うのですが・・・。事故や事件を防止するために、あまりにも組織、規制、手続き、管理、監査等を強化させてしまい、善意で仕事をする人々にとっては、本当に無駄な時間を浪費させられている社会に成っています。
国のGDPを上げて、財政状態を改善するには、日本中の会社や個人の仕事のスピードを(今のレベルのままで)単純に上げて行けば良いのではないでしょうか。12か月掛かるものが10カ月で出来れば、年間売上(利益)は、1.2倍に成ります。そのためには企業努力も当然必要ですが、いろいろな規制(待ち時間、書類の作成時間等)が無く成る方が、もっと大きな時間的スペースを生み出すと思います。そうすれば増税しなくても税収は上がり、同時に景気も上がり、さらに税収が増える善循環に入ります。
同時に、個人個人の時間(スピード)に対する意識の問題もあると思います。仕事が速い人の特徴は、「常に仮説を立てて行動している」「物事や日時を常に自己決定して行動している」と言う面があります。つまり、「いつまでにこうする」「こういう方法で出来る」という具体的な意志・考え・数字が(常に)腹の中にあります。もちろん実際の物事は、自分の考え通りには進みません。それでも仕事の速い人は、状況が変わるたびに(瞬時に、頭の中で)決定事項を上書き修正しているのです(元の原稿があるので、修正は速くて簡単)。逆に、「〇〇してから考えよう」という人には、この習慣がありません。いつも状況が見えて来てから考え出すため、長大な時間を費やします(元の原稿が無く、白紙から書き始めるので、とてつもない時間が掛かる)。そして結局、時間に追いつけず、ミスや失敗をします。仕事の速い人も(もちろん)ミスや失敗、見込み違いをしますが、それでも(その人の場合は)常に先回りして走っているので、修正が十分間に合うのです。だから、スピードとは意志の力です。私たちは、意志の力をもっと強くして、時間との競争に勝たなくては成りません。競争の相手は、他国や他人では無く、常に自分自身の意志です。2013年から、ますます時間は速く成って行くでしょう。物理的に物事を動かすには、それ相当の時間が必要ですが、自らの意志や意識を変えるのには、「数秒」で充分です。最後はやはり、自らの人間性を高め、意識を変えることしか無いようです。丸二は、常に時代に追い付き追い越せるよう、意識を変えて行こうと思います。そしてもっと世の中に貢献して行きたいと思います。
2013.01.01
新年明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。2013年の東京の元日は、とても素晴らしい天気です。昨夜は「紅白歌合戦」を少し見て、そのまま「ゆく年くる年」を見て、その中で伊勢神宮(内宮)の様子も見ることができ、その後「さだまさしの番組(とても面白かった)」をちょっと見て、気持ち良く寝ました。そして今朝は、いつも通りの時間に起きて、いつもの様に仏壇に線香を上げ、そのまま地元の氏神様(武蔵野八幡宮)へお参りに行きました。いつも毎月1日の朝は、氏神様への御礼の挨拶に行っているので、今日も(初詣という感覚では無く)そのような気持ちで参拝しました。朝の6時頃は、ちょうど初詣の参拝客が少なくて良かったです。そして会社に来て、神棚の水を交換したり、あれこれやって、今ブログを書いています。あとは年賀状の整理ですね。
こうして毎年、同じように元日がめぐって来ます。これはまさに奇跡ですね。毎年365日(366日)で一年が終わり、また元日がやって来る。まるで測ったかのようにです。しかも私自身もこうして今を生きて、それを体験できている。一方、世界のニュースを見れば、戦争、紛争、銃の乱射、強奪、食糧不足、旱魃、寒波、内紛・・・。確かに日本の状況は厳しいですが、世界という視点から見れば、何と平和で豊かで幸福なことでしょうか。その日本に生きて、今日も素晴らしい初日の出を見ることが出来る。そのことに感謝せずにはいられません。本当にありがたいことです。
今年はどのような一年に成るのでしょうか・・・と言うよりも、今年一年を(私自身が)どのような意識で生きるのか、の方が重要だと思います。外側の世界がどうであろうと、自身の内側の世界を造ることは出来るからです。だから、今年も素晴らしい一年に「成る」のです。そう心に決めれば、そう成ります。「心に決めて、最善を尽くす。後は天が結果を出してくれる」と思えば、どんな時でもワクワクできます。2013年は、伊勢神宮の御遷宮の年。丸二がご縁をいただいている加子母の檜材によって新たな社殿が完成する年。そして丸二の創立60周年の年です。今年は社員みんなで伊勢神宮を参拝します。お願いに行くのでは無く、感謝の御挨拶にです。このようにして丸二の2013年が始まりました。本年も多くのお客様とのご縁を大切にして、しっかり育てて参りますので、何卒よろしくお願いいたします。ありがとう御座位ます。
2012.12.28
本日は仕事納めです。現場等はまだ(年末年始にかけて)動きますが、今年もおかげさまで無事に一年を終えることができ、心から感謝申し上げます。誠にありがとうございました。昨年の震災以降、日本経済にも建設業界にも、大きな変化の波が押し寄せましたが、その流れの方向と丸二が向かっている方向とが遂に一致し始め、今年はとても充実した一年と成りました。つまり、増改リフォーム工事の増注と新築工事(民間工事)の増注という車の両輪が大きく動き出したのです。
丸二は「脱・公共工事」と「始・増改工事」の2つの柱で(10年計画で)「業態改革」を行って来ました。その過程はとても長くて大変でしたが、本年はその1つの成果が生まれた一年だったと思います。「これからは直して使う時代」というマクロな時流を捉えて、試行錯誤をしながらも、リフォーム事業をコツコツと積み重ねて来た結果、今期は増改リフォーム工事が(過去最高だった)昨年をさらに上回ることができました(前年度の140%を達成)。件数も1,000件を超え、今年も大変多くのお客様との良きご縁をいただき、本当にありがとうございます。そのような数々のご縁の中から、新築工事の着工も安定的に伸びています。すべてご縁をいただいたお客様のおかげです。心から感謝申し上げます。
このように1つ1つの小さなことを、誠実に、懸命に、一生懸命取り組み続けることで、きっと道は開けるという強い信念を持ち続けて来た結果だと思います。そのことを社員さん一人ひとりが良く理解をしてくれて、付いて来てくれたからだと思います。大事業も、最初は小さなことから始まると言います。コツコツと1mmの前進を(辛抱しながらも)続けて行くと、いつか必ず大きな事を成すことができる。丸二は幸いにして(今まさに)そのような実体験をさせていただいています。もちろん課題も多いです。反省すべき点も山ほどあります。でもそれらをしっかりと認識して、1つ1つ改善を続けて行くことで、その経験は必ず私たちの血と成り肉と成り、会社全体のレベルを向上させてくれるでしょう。経済情勢は今後も厳しさが続くとは思いますが、当社の来年以降の見通しは明るく、心からの感謝の気持ちで年越しをさせていただきます。
2013年は一体どのような年に成るのでしょうか。政権が変わったので、政治は変わるでしょう。消費税も上がります。世界的な政治経済の流れも注視しなければ成りません。それでも人間は日々を生きて行きます。服を着て、ご飯を食べて、家で暮らします。この生活の原点は、どのような時代に成っても(進化はしても)絶対に変わらないものです。丸二は(幸いなことに)その中における「暮らし」の分野を担わせていただいています。かつては3Kと言われた建設業ですが、このような時代に成ったからこそ、本当に大切で尊い仕事と判ります。まさに聖職です。私たちは、人々の暮らしと生命を守る聖なる仕事を通じて、このような激動の時代を生かして頂いている喜びを噛みしめながら、来年は「もっとより良い会社に成ろう」「もっとより良い人間に成ろう」と、決意を固めて走って行きます。来年も何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
2012.12.22
選挙が終わり、自民党政権に戻りました。安倍政権は(早速)景気回復に全力を挙げるものと思われます。原発、消費税、TPP、国防、憲法改正等という懸案の重要課題については、未だ消化不良の面が残りますが、先ずは景気回復に対する期待値が今回の選挙結果に繋がったのでしょう。日銀の白川総裁も「物価上昇率目標」を導入するとして、新政権との足並みを揃え始めています。あらゆる政策の実現のために景気回復が必要なのは確かなことですので、金融緩和によるデフレ脱却の効果に期待します。
ただ消費税や原発、TPP、国防等については、今後も継続的に議論を続けて欲しいと思います。本当に日本のために成る道は何なのか・・・。選挙は終わりましたが、国民はまだ迷っていると思います。国の方は真剣に説明を尽くし、国民の生命と生活を守る道を明確に示すべきでしょう。もう政党間で戦っている場合ではありません。国全体が一致団結して、この難局を突破しなくてはなりません。今回の選挙は、戦後最低の投票率でしたが、それは国民が政治家同士の争いに背を向けたということ。今回の選挙ほど、今後の日本の道筋を決めて行く上で、大切な選挙は無かったのに・・・。もはや政党同士の競争ではなく、国民の意識との競争に成ったのです。日本の政治は新たなステージに入ったのだと思います。
そういう意味において、民主党政権の3年間は決して無駄では無かったと思います。私たちは様々な経験を経て、学習して行くものです。同時にこのような政治の大きな振り子現象を見たことで、(逆に)決して揺るがないものも見えて来たような気がします。それは、世界中の人々の心を震わせる日本人の精神性です。辛抱強さです。静かなる力です。外国人には、それが不気味に映るのでしょう。日本人は、必ず何かが起きても、辛抱することで乗り越えています。そして結局、逆境を克服して、さらに力強く成るのです。だから現在の政治の混沌状態は、日本人の潜在的な力を増幅しているのかもしれません。辛抱に辛抱を重ねた後の日本は強靭です。このように全てを前向きに捉えて、2013年を迎えたいと思います。
これは個人も会社も同様だと思います。辛抱に辛抱を重ねた人や会社は、必ずどこかで飛躍する瞬間がやって来ると思います。でも1つ、決して忘れては成らないのは、「感謝しながら辛抱し続けること」だと思います。多くの人は、苦しく成ると、人のせいにします。愚痴や不平不満、文句を言います。せっかく大きな飛躍が出来る種が芽生えているのに・・・もったいない。私たちは日本人です。「ありがとう」の国の住人です。日本再生の決め手は、国民全体の「感謝の総量」です。世界中で最も感謝力の強い日本が、最高の逆転劇を起こせるかどうか。それが2013年以後のテーマだと思います。毎日、生きている(生かされている)ことに感謝して、最善を生きること。これが、日本の真の理念だと思います。
2012.12.05
いよいよ衆議院議員選挙が公示に成りました。各党、それぞれの政策を掲げての選挙戦が始まりましたが、泣いても笑っても12月16日には結果が出て、年末までには新しい政権の姿が見えて来るのでしょう。いずれにしても政治の混迷は今後も続くものと思われ、私たち国民は(結局のところ)自ら「自力」を付けていかなければ成りません。
自力とは決して自分勝手という意味ではなく、自然界の法則に従って、自らの良心の声を聴きながら、本物の生き方を始めるということです。24時間流れ続ける意図的な情報や誹謗中傷から距離を置き、自らの中に在る静かなる力を見つめて、日々の日常生活をこそ大切にして、心を込めて生きること。決して他者を批判せず、他者に依存せず、感謝の心で、自分自身の良心と共に生きること。そういう、今までとは別物の流れに乗ることだと思います。
この選挙戦を見ていても、お互いの批判合戦が繰り広げられるのみで、国の未来を落ち着いて考える余裕がなかなかできません。国の未来を決めるのに、どうしてこうも騒ぎ立てなければ成らないのでしょうか。もし良い政策があれば、お互いに評価し合い、取り入れ、協力し合えば良いのに。私たちが望むのは、どこが勝つのかではなく、国が良く成ることです。国民の為に何が一番良いのかを真剣に、かつ誠実に考えてくれる人達が必要です。そのような結果に成ることを、節に願っています。このようにして2012年の日本は、総選挙で幕を閉じようとしています。
丸二にとっての2012年は、今年も大変多くのお客様とのご縁をいただき、新築工事・リフォーム工事共に、おかげさまで昨年以上の工事量と成って来ています。このような時期にも関わらず、本当にありがたいことで、嬉しいことです。私たちの信条は、小さなことを大切にしていくことです。その小さな積み重ねこそが、時代の流れに左右されない(いつの日か)大きな揺るぎない力に成ると信じています。目先だけを考えれば、小さなことより大きなことの方が(当然)大事です。でもそこをぐっと辛抱して、未来のために小さなことを大切にし続けて行く。そういう新しい流れをつくって行きたいのです。
日本と言う国は(結局のところ)国民一人ひとりの日常生活の中に在る、「良心」の総和によって、成り立っているような気がします。ここが他国との大きな違いではないでしょうか。様々な政策の是非論もありますが、日本の場合は、国民性のさらなる進化こそが、最大の力に成ると思います。そのためにも、私たち日本人は、日々の日常の小さなことへの感謝を取り戻すことです。感謝の心さえ復活できれば、日本は再生すると思います。日本は「ありがとう」の国です。あの3.11の時の東北の人々の美しい姿こそが、私たちの本当の目標です。私たちは今、そのことに気づきました。
これからは本物と偽物がはっきりと分かれる時代です。政治家も企業も人間も、本物と偽物に分かれます。それはとても怖いことです。でも、感謝の心で小さなことを大切にして行けば、道はきっと拓けると思います。建設業は人々の生命を守る大切な仕事です。そのことに誇りを持って、一人でも多くのお客様に喜ばれるよう、これからも日々小さなことを大切にして行きたいと思います。
2012.11.13
今年もあと1月半に成りました。2012年という年は、一体どのような形で終わるのでしょうか。マヤ暦最後の年と言われ、様々な意味で「転換点」として注目されて来たこの一年。昨年の震災を経て、きっと何かが大きく変わるだろうと、多くの人は不安と共に期待を抱いていたと思います。でも実際は、目に見える形での良き変化はまだ出てきていないようです。けれども、目には見えない深層部分においては、相当激しい動きが起きているように感じます。
それは多分、私たち一人ひとりの良心の声が束に成り始めたからではないでしょうか。この動きはますます大きく成って、社会全体を包み込んで行くでしょう。そのように成った時、政治も経済も世の中も、全てがいったん白紙に戻って、正しき方向へ向いていくと思います。変わる時は一気に変わります。
私たちは、今の現実を生きながらも、転換後の「佳き世」に順応できる自分自身を(今から)造り上げなければいけません。もっと言うと、仮に今が苦しくても、転換後の自分自身を造り上げる方が優先だと思います。これは仕事面でも同じです。大転換後の世の中に必要とされる会社造りを進めておかないと、今が良くても、ダメです。その転換点は、(実はもう)すでに過ぎているかもしれません。
個人も会社も、良心と共に生きることしか道は無いと思います。とても抽象的な表現ではありますが、それしかない。そう信じて、前へ進んでいく勇気が必要だと思います。加えて、毎日の新聞やニュースから流れて来る意図的な情報に惑わされず、「本当のことは何だろうか」という問いをしっかり持って、真実を見つけていくことです。本当のことが分からない限り、良心とは何かも分からないはずだから。
私たちは一人ではありません。常に良心と共に生きています。まさに「同行二人」です。それほど頼りに成る良心さんを胸に宿しているのに、多くの人は、外側の他者に依存をしています。他者は助けてくれる代わりに、後で大きな代償(引き換え)を求めて来るでしょう。そう考えるのが自然です。それはとてもとても怖いことです。でも良心だけは、永遠に、無償の愛を与え続けてくれます。そのことに気が付けば、全てが変わるような気がします。
感謝とは、人間関係を円滑にするための礼儀作法のように思われていますが、それはそのごく一部であって、本当は、生かされていることへの感謝、自然界への感謝、良心への感謝こそが、真の感謝ではないかと思います。それは、いつでもどこでも、心で思えば出来ることです。私たちは、一人ひとりがそのような意識を持って、次の時代に求められる本物の会社を造りたいと考えています。そのために、我が未熟さを常に反省しながら、1mmの前進中です。それでもこの2012年は、何か特別大きな前進が出来た一年と成りそうです。その何より嬉しい証拠は、お客様の数が増え、工事件数が増え、依頼(紹介)件数が増えていることです。でも、まだまだです。
2012年は、実は、社会現象的な変化の年では無く、個人の内面が大きく切り変わる年だったのでは無いでしょうか。もちろん、昨年の震災を始め、世の中の変動が拡大しているのも事実です。それでも、今日も私たちは生きています(生かされています)。何があっても自分自身の良心に感謝さえすれば、幸せを感じることが出来ます。今やっと、そのことに気づきました・・・。
2012.10.15
建築と音楽はよく似ていると思います。構造設計と意匠設計は、言わばハーモニーとメロディーでしょうか。「法則」と「自由」の2つの要素が互いに溶け込み合って、建築も音楽も構築されます。そこには「学び」と「想像力」が必要です。基本を学ぶことと、その応用ですね。さらに加えて、最後の閃き。これが全体を整えます。丸二の建築は、1つ1つがオーダーメイドのオリジナルですので、まさに一人のお客様のために1つの曲を作曲するに等しい作業を、日々繰り返している事に成ります。そして、お客様のことを考えて考えて考え抜くことで、最後の閃きに辿りつきます。それが「良き建築」と成ります。
そう考えると、まさに住宅は室内楽で、賃貸マンションは交響曲。賃貸併用住宅は協奏曲で、コーポラティブハウスはオペラ。そしてリフォームは、ピアノソナタから管弦楽曲まで・・・。自分の頭の中では、建築も音楽も一緒なのです。ピアノ曲も好きですし、オペラも好きです。小さなピアノの一音でも、壮大なオペラの大音響でも、そこには等しく美しい感動的な世界が拡がっています。そういうものを建築という媒体で奏でたいと思うのです。それが私の(丸二の)「良き建築」の底流にあるように感じます。小さなリフォーム工事から大きなビルやマンション工事まで、同様の思いと感謝の心を持って、誠実でオリジナルな対応をする。そのように努力をする。それが丸二の「両輪経営」の基礎的な意識構造に成っています。
さて、久しぶりにクラシック音楽の話になりましたので、音楽話を続けますが、多くのクラシック音楽ファンは、その演奏の違いに関心を寄せます。当然、譜面は決まっているわけですので、自ずとその違いは微細な差異でしかありません。でもその微細な差異の積み重ねが、巨大な力と成って、音楽を根底から変えてしまうのです。その摩訶不思議な体験は、一度知るとやめられません。つまり、その差異が微細であればあるほど、音楽は全く違う生き物に成るのです。
小さなこと、微細なものに意識を向けること。大切にすること。それが、実は巨大な変化を生み出すのではないかと、私たちは考えています。今、丸二ではリフォーム工事の件数が増加しています。リフォームは新築工事よりも小さな存在です。でもその増加曲線には、何かしらある種の法則性、波、リズムがあるようです。その流れとリズムに乗りながら、私たちはお客様からのご期待に応える努力を続けています。さらにその上、小さな波の合間には新築工事という大きな波も必ずやって来ます。これも何かしらの法則が働いているような気がします。つまりここで私が言いたいのは、音楽も事業も、「小さなこと」「微細なこと」に意識を向けることが大事ではないかという1つの仮説です。
建設会社は、基本的にはどこでも同じような仕事をしているように見えます。もちろん、他社にはないものを提供している会社もあります(丸二もそうです)。でも真の違いは、実は、小さなものを大切にしているかどうか。ここではないでしょうか。それはなかなか外からは分からないものです。音楽CDのジャケットを見ても、同じブラームスの交響曲第2番であれば、その差はよく判りません。もしかしたら一度や二度聞いただけでも判らないかもしれません。それくらい微細な差なのですが、でも5回、6回、そして10回となると、その差が明らかに大きくなって見えて来るものです。
私たちは、先ずは小さな工事から、お客様とのご縁をいただいております。そして、2回、3回とリピートしていただけるよう懸命に努力をしながら、その中で丸二の良さを判っていただきたいと考えています。それはとてもとても時間が掛かることです。それでも必ず、壮大な大音響へと発展します。ピアノの小さな一音が、いずれはオーケストラの大合奏へクレッシェンドして行くことを、私たちは体験的に理解しているからです。建築と音楽を一緒に考えると、なぜかそのような答えが出て来ました。丸二はこれからも、もっともっと「良き建築」を、みんなと一緒に奏でて行きたいと思います。
2012.10.14
世の中には、たくさんの凄い人(能力のある人)がいます。でも、その全ての人が(それ故に)尊敬されているとは限りません。否むしろ、尊敬されている人の方が少ないような気がします。でも、今年のノーベル医学生理学賞に選ばれた京都大学の山中伸弥教授は、その数少ない「尊敬されている凄い人」の一人ではないかと感じます。山中教授は今回の受賞に対して、国の支援への感謝を述べ、「個人でなく日本全体で受賞した賞」と話しました。あるいは、仲間の研究者への感謝、家族への感謝についても、繰り返し述べました。この「感謝」こそが、何か・・・「尊敬」に通じる鍵のような気がしました。
今年の本ブログの中で、何度も取り上げさせていただいた映画「この空の花 長岡花火物語」が、第4回TAMA映画賞の「最優秀作品賞」に選ばれました。アカデミー賞等に比べれば小さな賞かもしれません。でも、それ故に、純粋で正当な評価を得られたと思い、とても嬉しいです。なぜ私が、この映画を何度も紹介するのかと言うと、この映画は、かつての戦争や今回の3.11を乗り越えて行く(であろう)日本人の「勇気」を、圧倒的な上昇思考をもって表現(デザイン)しているからです。「長岡の歴史(過去)」という1つの「粒子」にとことん一点突破していながら、実は「世界の未来」に向かって(凄まじいほどの力強いテンポで)全面展開しているからです。そしてその最後のメッセージこそが、「仲良くしなさい」・・・つまり、「共認社会の実現」へと結実します。作者の持つある種の研ぎ澄まされた感性が、これからの「共認の時代」を予見したのでしょうか。これは大資本による商業映画では無いので、どこでも上映している訳ではありませんが、もし近くで見るチャンスがあったら、ぜひ一人でも多くの日本人(特に若い人)に足を運んで欲しいと思います。
実は、この作品の監督である大林宣彦氏が、ラジオでこのように語っていました。「この作品は人間の知性などで出来上がったものではなく、大自然の(何か、よく分からないが・・・)そういう力によって出来たものだと思う」「自然界の力こそが全てであり、人間の考えることなど・・・」。言葉自体は多少違うと思いますが、要は「事を成すことが出来たのは、私(=人間)の力では無く、自然界の力だ。そこへの感謝しかない」という意味のことを話されていました。大林監督は、この作品の製作に入る前、大きな病気をされて、生死を彷徨ったそうです。その時、きっと何かが、訪れたのだろうと思います。そうでなければあの様なモノ(見ていない人には判らないですが・・・)は、生まれなかったでしょう。あれはきっと、映画ではないのかもしれません。大林監督をはじめ、(この映画にも出て来る)山下清も、ピカソも、岡本太郎も、芸術(アート)の力で未来への警告を鳴らしています。だってアート作品にしなければ、いつまでも残らないから。だからこそ、今、私たちは過去と現在の芸術から何かを学び、そして未来の子ども達に向けて希望を残さなければいけません。
山中教授も大林監督も、きっと「尊敬されている凄い人」です。もう、お顔を見れば分かります。その原点は、やはり「感謝の心」だと思います。自分の功績や作品を「オレが作った」「オレが考えた」と捉える人に「感謝の心」は在りません。でも、「私ではない、何か別の力によって出来た」「造らされた」「造らせていただいた」と、心の底から思える人からは、自然に感謝の言葉が出て来ます。未来の子ども達や未来の世界のために、何かを残してあげたい。そういう志や思いやりのある人に、自然界は何かを授けたのではないでしょうか。決して自分の力だと勘違いしないような人にだけ、そっとヒントやアイデア、閃きを与えたのではないでしょうか。私には、そうとしか考えられないのです。
さて今日、WOWOWで録画しておいたビーチボーイズの来日ライブを見ました。このライブは今年の夏に行われて、本当は行きたかったのですが、都合がつかず、残念でした。私の好きなブライアン・ウィルソンも参加していて、映像だけでも、とても楽しかった。この人が残してきた音楽も、表面は明るく軽快なサウンドですが、その裏側は、暗く、重く、孤独の声に満ちたものです。アメリカを象徴するバンドでしたので、その作品にアメリカの未来が転写されたのでしょう。ビーチボーイズの音楽は、アメリカの歴史そのもの。陽気さの陰に、深い闇が隠れています。そして彼は、ステージの一番端にいて、メンバーがノリノリの音楽が演奏している間も、キーボードの前に静かに座っていました。きっとこの人は、その佇まいで、何かを表現しているのだろうと感じました。
芸術や科学も未来へのメッセージです。私たちの生き方も未来へのメッセージです。そのメッセージを(今を生きる)私たちは発信し続けなければ成りません。であるならば、そのメッセージを発信できる自分自身に成らなければなりません。つまり、大自然への感謝の心を持つことです。自然とは、山や川という風景だけでなく、人間業を超えた「叡智の海」ようなものです。そこへ向けての感謝の心があって初めて、私たちは未来を生きる人たちへの貢献ができると思います。「共認の時代」とは、「期待に応える」ことが人生最大のテーマと成る時代。私たちは、未来の子どもたちの期待に応えられているでしょうか。鍵は、「感謝」です。感謝の心で、前へ進むことだと思います。それが唯一の道だと思います。私たちも、建設業という道で、そのような探求をしていこうと思います。