

2010.02.04
今朝、大学時代の友人から、「松下幸之助の言葉」がメールで送られてきました。私のブログを想起させる内容だったからという理由で・・・。とても嬉しく思いながらも、まだまだ至らない自分自身に気づく良い機会となりました。
その言葉は・・・
「企業は社会の公器~一般に、企業の目的は利益の追求にあると言われる。たしかに利益は健全な事業経営を行なう上で欠かすことができない。しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。根本はその事業を通じて共同生活の向上をはかることであって、その根本の使命を遂行していく上で利益が大切になってくるのである。そういう意味で、事業経営は本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。だから、たとえ個人の企業であろうと、私の立場で考えるのでなく、常に共同生活にプラスになるかマイナスになるかという観点からものを考え、判断しなければならないと思うのである。」
会社は誰のものか・・・。この問いは、常に頭の中にあります。いま、トヨタがリコール問題で大変な状況になっていますが、まさに企業が「公」のものであることの証明を、突きつけられているように感じます。大企業であろうと中小企業であろうと、社会に対する責任は同様であり、重いものです。自社の考え方や仕事の中身によって、お客様や社会、関係者の生活や人生に多大な影響を与える以上、企業は「私」だけのものではないと理解できます。
もっと言えば、企業は「私」あるいは「公」をも超えて、もっと大きな視点としての、「大自然」から与えられたものではないかという認識も出てきます。社会(お客様)を幸せにするために、そして社員を幸せにするために与えられた器として・・・。とすれば、会社は社長のものでは無く、「大自然」の所有物。その大きな「大自然」から会社をお借りしている・・・つまり「させていただいている」という認識に立てば、きっと経営のあり様も変わってくるに違いありません。これからの時代の、不景気を吹き飛ばすヒントが、ここにあるように感じます。今日は、友人のメールに感謝しながら、「公器」としての会社、「大自然」に生かされている会社を考え、さらにもっと認識を変えていこうと自覚しました。
2010.01.23
ハイチの大地震、大寒波、JALの倒産、小沢氏と検察(マスコミ)の問題等・・・今年も1月にして、世界中で、日本で、さまざまな出来事が起きています。きっとこれらは、今年以降の大きな時代の方向性を示すものだと思います。地球環境の変化に伴う災害や異常気象の発生、大企業やブランド企業の衰退、そして「権力・支配」からの脱却です。このようなプロセスを経て、世の中は、「自然との共生」「人々の暮らしと生活を優先」「互助、助け合いの社会」「観光、第一次産業への回帰」「心の教育」「持続可能な社会」へと進んでいくと思います。多分、とても素晴らしい社会だと思います。
住まい、建築も、単なる物理的な「モノ」としてではなく、家族の<健康・安全・幸福>を積極的に創造する、ある種の「装置」としての場(住環境)に変化していくのではないかと考えます。何と言っても、次の時代は<医・食・住>ですから。医療(医学)、食事、住宅に対する考え方、常識、価値観が一変するのが、真の21世紀です。世界中の人たちの<医・食・住>が整えば、戦争も無くなり、競争も無くなり、安心と安全の時代が訪れます。それだけの技術も、素材も、すでに揃っています。あとは、今年から始まる大変革の流れに身を任すだけ。時代は今、そのようなゴールに向かって、着々と動いていると思います。
だから、今の時代を生きる人間として、一番大事にしたいのは、「良い方向に流れている」という自覚と、それに対する「感謝」だと思います。最近、「ありがとう」という言葉を積極的に使う人や企業が増えています。今は不況で、不景気で、大変な世の中なのですが、それでも、「ありがとう」の気持ちを大切にする人々が、身の回りに増えているのは確かな事実です。また、心のあり様や精神性について、自らの信条を語る人も増えています。実際、そういうことを人に言うのは恥ずかしいことですし、変に思われそうなので、なかなか口にすることは少ないですが、確かに、精神性を大切にしている人々が増えています。
実は、私たち一人ひとりの精神性や人間性が高まらない限り、世界が<医・食・住>で満たされることは無いのでしょうから、ゆえに、今の変革の大根本、大前提は、「人心改革」なのだと思います。不況や大地震も、この「人心改革」が終わると同時に、終了するのかもしれんません。だから・・・(自分ではない)誰かが変わることを期待するのではなく、「私」が変わることが早道なのでしょう。丸二も、「感謝」を大切な信条として、社員一人ひとりの心の成長を目指しています。これはもう、「1mmの前進」で、ほとんど目に見えません。でも、目に見えない世界にこそ、本物があると思います。
2010.01.12
JALが会社更正法を申請し、再建を始めることになりました。「日の丸」を象徴する大企業の破綻は、これからの社会の大転換を暗示するようで、何かとても緊張感と言いますか、気持ちが引き締まる思いがします。トヨタ自動車の米国におけるリコール問題も、かなり大きなことになっているようで、日本を象徴する多くの企業が、これから様々な壁にぶつかっていくことが予想されます。そうなると、その大企業を取り巻く協力企業や下請会社(中小企業)にも大きな影響が出てくるのは必至です。この難局を乗り越えるのには、自らがマーケット(エンドユーザー)とつながるしか道は無いのかもしれません。自社が持っている独自の技術やサービスを、特定少数の(大きな)発注者だけに頼るのではなく、不特定多数の市場において、ひとつひとつ信用を数多く積み重ねていくこと。この地道な開拓精神が大切だと思います。
それにしても、表向きは静かですが、社会の地殻変動はどんどん進んできるように感じます。そういう意味での緊張感は日増しに高まってきていますが、それは同時に「いよいよ出番が近づいてきた」というシグナルでもあり、ワクワクとした高揚感でもあります。変革の時は、夢と志と(心の)準備さえあれば、誰もが世の中のお役に立てると思います。私たちは、幸い、夢を持って、志を抱き、地道な準備を続けて来ましたので、変革の風が強く吹けば吹くほど、帆を張って、前へ進むことが出来ます。丸二は、建築という分野において、次の社会で貢献できる会社として、この変化の激しい環境を楽しく進んでいきたいと思います。
尚、赤松農相が、林業の活性化のために、学校や自治体の庁舎など公共建築で、国産材の使用を義務付ける法案を通常国会に提出する考えを発表しました。今、国内の木材自給率は24%で、今後10年間で50%まで引き上げる方針ですから、本腰を入れないといけません。その目的は、当然、林業の活性化が第一ですが、やはり日本の森を守るということが、より抽象的な概念として存在しています。それは、(もっと言うと)地球を守ることにもつながります。つまり、これからの林業や農業は、地球を守る役割を担うわけで、私たちは、そういう大きな夢や志への協力を、ぜひさせていただきたいと、心から願っているわけです。
さて、寒く乾燥した1月で、雪も多く、寒波もやって来そうです。このように、気象にも地殻変動の波が来ているようですので、地震対策や火災予防等の準備も必要ですね。今一度、さまざまなことに対する点検と確認をしていきたいと思います。
2010.01.07
年が明けて一週間が過ぎましたが、とても寒いお正月でした。日本海側では雪が続き、山では遭難事故が多発、また海外でも大寒波の影響で多くの凍死者が出ているなど、温暖化と寒冷化の二極化が進んでいるような気がします。このような極端な天候の変化は、恐らく今後もさらに拡大しながら続いていくと思われますので、今までの常識に捉われず、万全の準備や対策が必要になってくるでしょう。
また、政治や経済の動きも急で、突然の財務大臣の交代もあり、景気の先行きも未だ不透明です。ただ、昨年末に政府から出された「新成長戦略」を読むと、これから始まる新時代へのビジョン・方向性が明確に判ります。その中で柱となるのは、「環境」「健康」「観光」の3つだと感じます(新3Kですね)。この3つの分野を成長させることによって、環境と経済の両方が成り立ち、持続可能な社会造りができると思います。
私は、この方向性は絶対に間違っていないと思います。現在のような、「競争」「戦争」「格差」から富を生み出す時代から、「環境」「健康」「観光」から富を生み出す時代への大変化の始まり・・・これは、総ての人にとって、国にとって、地球にとって、とても良心的で温かいものになるのではないでしょうか。
ですので、現在の混沌とした状況からできるだけ早く脱出し、この3つのキーワードに添った運動や取り組み、ビジネスを推し進めることが、いま最も重要なことだと思います。それも、お題目としての「エコ」や商売のための「エコ」ではなく、もっと本質的かつ根本的な解決を目指したものです。自動車や家電にしても、「エコカー減税」や「エコポイント」等で、取り急ぎの売上を増やすことばかりではなく、本当に無公害の自動車や家電を世に出すことに全力を挙げて欲しいと思います。
もちろん、建築の分野でも同様で、早期に(鉄筋コンクリート造の)外断熱工法の普及や、建築の原点である天然木造住宅への回帰も急務です。このように、それぞれの業界や企業や個人が、本当に「新成長戦略」に則った行動をしていくことさえできれば、自ずと道は開けてくるでしょう。現在の「混沌」は、旧時代と新時代の間に架かったブリッジの上で起こる必然であり、当たり前のことです。そのような現象に目を奪われず、このブリッジを渡りきった先にある新時代において、真に社会に貢献できる人や会社になるべく、今から準備をしていくことの方が重要ではないでしょか。
昨夜、NHKで、スケートの荒川静香さんの特集をやっていて、面白くて、最後まで見てしまいましたが、荒川選手が得意の「イナバウアー」は、何か特殊な練習をして完成させたものでは無く、毎日少しずつ努力しているうちに出来上がってしまったという話をしていました。本物を造りあげるのは、本当に日々の小さな努力の積み重ねだと思いますし、短期間でパッとできるようなものでは無いと、あらためて確信しました。
丸二は、本当に長い時間を掛けて、さまざまな取り組みを継続しています。本当に小さなことの繰り返しや改善ばかりですが、これが徐々に本物に近づいているという実感があります。これらが本物になった時、次の新時代においても、社会に貢献できる会社として存在させていただけると思います。「環境」「健康」「観光」という方向性に向けて、これからも小さな努力を積み重ねて行きたいと思います。
2010.01.01
新年、明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
大晦日の夜はとても冷えましたが、日中に吹いた風のおかげで雲が飛んで行き、夜空には小さな星たちがたくさん浮かんでいました。そして、その中央(真上)には、まるで強い発光体のような満月が輝いていました。元旦に満月とは、とても縁起がいいと思い、そのまま夜空を見上げながら、2010年1月1日午前0時を迎えました。その少し前までは、紅白歌合戦を少しだけ見ていました。
今回の紅白で素晴らしかったのは、ゲストで来日した、スーザン・ボイルさんです。歌がその人の人生と一体化する時、何かが降りてくる様な気配を感じる・・・スーザン・ボイルさんの歌を聴きながら、確かにそのようなものはあるのだろうと考えました。他にも、数人の若い女性歌手に、同じようなものを感じました。今回は、「歌の力、無限大」というキャッチコピーがテーマになっていましたが、丸二には「無限大(∞)の感謝の力」という言葉があります。偶然ですが、いい偶然です。
そのまま夜中に、氏神様をお参りしました。とても人出が多く、今の時勢を実感いたします。2010年・・・21世紀に入って10年目の年のスタートです。今年も丸二は、「無限大(∞)の感謝の力」で、お客様、地域社会、自然環境と総和してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
2009.12.28
丸二は、本日が仕事納めです。この一年間を無事に過ごせた感謝の気持ちを込めて、先程、地元の氏神様に御礼の挨拶をしてきました。確かに世の中は、厳しい経済環境の中ではありますが、丸二は本当に多くのお客様に支えられて、今年も良い一年を終えることができます。心から感謝です。来年は2010年と言うことで、21世紀に入って10年目の節目の年。きっと、いろいろな出来事が起きるでしょう。でも、それは天体の動きの巨大なサイクルの節目であり、次の新しいサイクルに入るためのゲートを通過するようなもので、とても清清しい気持ちがします。このような時代の大きな転換点を経験できることは、きっと幸福なことなんだろうと感じます。
来年から、建築のあり方も大きく転換していくと思います。現在工事中の「小石川エコビレッジ(スクワーバ見樹院)」は、「天然住宅」で持続可能な社会づくりをリードする相根昭典氏のプロデュースで、本格的エコロジー・マンションであり、100年定期借地権によるコーポラティブハウスであり、寺院(見樹院)との複合住宅でもあります。また、丸二が取り組んでいる岐阜県・加子母森林組合との連携による総ひのきの家づくりも、徐々に軌道に乗りつつあります。RC(鉄筋コンクリート造)での外断熱工法やルネス(逆梁)工法も、お客様の方からリクエストが来るようになりました。数年前とは大きく変化してきています。
また、住まいのリフォームの件数も増加中で、現在では毎月100件以上のお問い合わせをいただけるようになりました。どのような小さな仕事でも、本当に誠心誠意の気持ちで対応し、総てのお客様のお役に立てる、小回りのきく建設会社を目指しています。その中でも、健康素材を活用したリフォームのニーズも増えてきていて、時代の変化を強く感じます。来年の干支は「寅」ですので、勇ましく、丸二の取り組みを世に出していきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
さて、最近聴いたCDで良かったのが、バルビローリ指揮/ベルリン・フィルによる「マーラーの交響曲第3番(1969年ライブ)」です。マーラーの音楽はとても先進的で、当時の人々にはすぐには受け入れられなかったと聞きます。しかしながら、マーラー本人による「いずれ私の時代が来る」という言葉どおり、今やクラシック音楽の頂点を極めています。多少難解で、風変わりな音楽ですが、「今までに聴いたことが無い」「その先にも無い」、そういうオンリーワンの異彩を放っています。今のような時代に必要なのは、まさにこれだと思います。
2009.12.14
師走に入って、いつものように、何となく慌しく感じられる年末が近づいてきました。一年間の整理と新年への展望等が交錯しながら、ひとつの大きな区切りを超えていく瞬間が大晦日であり、あるいは元旦ではないかと思います。自然科学的に言っても、地球が太陽のまわりを一周して戻ってくるわけですので、実はとても巨大な出来事のような気がします。もし何かの都合で、この天体の運営システムがちょっと故障してしまい、復旧に時間が掛かり、大晦日までに地球が元の位置に戻らなかったら・・・大変ですね。でも、ちゃんと戻ってくる。人間が管理している鉄道とは、システムのレベルが雲泥の差です。
ただ、これからも永遠にそうなのかと言うと・・・実際、分からないのではないかと思います。今、「2012」という映画が公開されていますが、マヤ暦が2012年12月21日までしか書かれていないということもあり、以前から様々な憶測や予測が出ているのは事実です。昨今の地球温暖化に対する緊急対策も、そのような背景が影響しているはずです。しかしながら、本当に映画「2012」のような、地殻の大変動が突然起こるとも思えず、多分きっと・・・少しずつ・・・何かが(大きく)変わっていくのでしょう。
そう考えると、これからの経済や自然界の大変化は、誰もが未体験ゾーンに入るようなもので、確かな予測もできないでしょうし、具体的な特効薬も出てこないでしょう。だから、いつか誰かが守ってくれるという幻想から、いち早く脱却して、自らを救い、他者をも救える自分自身を確立するしかないと思います。そのためには、やはり、心を磨くことしかありません。そして、「環境+衣(医)食住」の改善です。
バブル時代を経て、様々な新しいビジネスやカテゴリーが生まれてきましたが、これからは、本当に人間にとって必要なものしか生き残れない時代になると思います。それは・・・自然環境を守ることと、「衣(医)食住」を改善していくことに関わることです。つまり、この素晴らしい自然の中で、人間が幸福に生きていくための本質に肉薄していく分野ではないかと感じます。
人間は、体に良い服を着て、体に良いものを食べて、体に良い環境に暮らし、体に良い医療を受けられれば、まず外側は整います。そのために、豊かな自然環境も必要です。と同時に、心を磨き、脳を開発し、徳を積み、最善を生きるというような内側を整えることも、同時に重要です。丸二は、主に、「体に良い環境に暮らす」という部分にコミットメントしていますが、私たち一人ひとりも、内面を鍛えることを意識し、実践をしていかなければいけません。
このような方向性の中で、少しでも次の新しい時代に相応しい人造り、会社造りができるよう、(まだまだ未熟で発展途上ではありますが・・・)丸二は挑戦を続けています。それは、私たち一人ひとりが、自立して、他者のために貢献できる人間になるためです。そのような人間が、これから数多く増えることを促すために、社会も、経済も、自然環境も大きく変化しているはずです。だから、決して人類が困るようなことが突然起こることは無いでしょうし、むしろ、そのことに気づくための多くのシグナルが出されているのではないかと思うのです。
さて、年末と言えば、「第9」ですが、クラシック・ファンの私にとっての第9は、有名なベートーヴェンの第9「合唱」ではなく、マーラーとブルックナーの第9です。ベートーヴェンの第9を「人類」としたら、マーラーの第9は「精神」、ブルックナーの第9は「宇宙」という感じですね。マーラーもブルックナーも、ベートーヴェンと同じく、完成された交響曲は第9までしか書けませんでした。このように、多くの作曲家が「9」という数字で最後を迎えたわけですが、そういえば、今年は「2009」です。そして、来年は「2010」です。多分、新しい時代の始まりだと思います。年末は、マーラーとブルックナーの第9でも聴きながら、大いなる感謝の心を持って、一年間の地球一周旅行(?)の無事帰還と、新しい時代の誕生を夢見ようと思います。ちなみに私が好きな盤は、マーラー第9(ワルター/コロンビア響)、ブルックナー第9(ヨッフム/ミュンヘン・フィル)です。
2009.11.30
先週の22日~23日に開催された「加子母森林モニターツアー」には、おかげさまで約30名のお客様が参加され(キャンセル待ちも出て・・・)、とても有意義な二日間となりました。森を守ることと、天然の神宮ひのきで家を造ることについて、様々な体験と学習ができたものと思います。私自身も、「(岐阜県)加子母」というあまり有名ではない土地に何度も訪れているうち、その場所の持つ不思議なエネルギーのようなものを感じるようになりました。
今回の二日間でも、皆で見学した「ひのき」伐採現場の森や、二日目の朝の霧に包まれた幽玄な山々の風景、初めて触れることの出来た大きな杉の御神木等、あくまで感覚的な表現ですが・・・何か特別な力が宿っているような気がしました。実は、今回参加された方々の中にも、そのような感覚を持たれた方が多く、本プロジェクトの意義を強く感じていただけたと思います。
伊勢神宮、姫路城等に使われている神宮ひのきで、<健康・安全・幸福>な住環境を造る、間伐することで森の中に光を入れ、美しい日本の自然・環境・景観を護り、育てる。この二つの美点を実現することが、このツアーに参加された方々全員の「志」にまで昇華されたような、無限(∞)の時間でした。東京武蔵野と岐阜加子母・・・。この線がしっかりと結びついて、日本の政治・経済の中心地である東京へ、神宮ひのきと共に素晴らしいエネルギーが流れてくることを期待します。
さて、新政権になって、2ヶ月くらいが経ちますが、なかなか状況は厳しいようです。事業仕分けに対しての評価は高く、内閣支持率も高い状態をキープしていますが、対米問題や景気浮揚策は、なかなかビジョンが見えてきません。今は恐らく、「それどころじゃない」「とにかく出費(出血)を止めなくては」・・・という程、財政状況は想像以上に厳しいのかもしれません。
確かに、崩壊しそうな家に乗り込み、先ずは押入れや机や屋根裏から全部を引っ張り出し、実体を把握をしている最中ですから、仕方のないことです。今はとにかく、国民と一緒になって、今の日本の本当の姿を明らかにすることだと思います。そうすれば、きっと次なる一手は見えてくるでしょう。また、かつての住人だった方々も、家の中が整理整頓で混沌としている間、先回りをして、次なる一手をどんどん提案して行ってはどうでしょうか。その両方の作業が追いかけっこをしながら、何とか良い方向を見出して欲しいと思います。
それにしても、先々へ向けての「ビジョン」は、とても大事です。会社で言うと、今行われていることは、固定費の削減であり、(もちろん大事なことですが・・・)限度があります。問題は、これからの新しい成長分野を、どう造っていくかだと思います。例えば、温室効果ガス25%削減のためのクリーンエネルギーの開発・普及や、地方活性化のための観光(林業)への投資、食糧自給率アップのための農業政策等、日本の素晴らしい技術や国土があれば、すぐにでも着手できるものばかりです。事業仕分けも、これからも継続して行かなければならないことですから、あらためて「ビジョン」を示し、どこに重点を置くかを決め、さらに無駄の削減と戦略的な予算の配分を進めて欲しいと思います。
加子母に行くと、日本には素晴らしい資源が眠っていることが分かります。もう石油の時代ではありませんね。素晴らしい自然、山、川、木、水、田んぼ、畑、湖、海、温泉、四季・・・。このような見事な資源を生かし、多くの人々に来ていただき、観ていただく(観光立国)。そこで産み出される食物を食べ、そこで生み出される木に暮らす。そういう事業やビジネスに、人もどんどん流れていく。そうすれば、もっと健康的な、晴れ晴れとした、お互いが分かち合える人生が始まっていく。
今、起きていることは、いずれ来るであろう、このような社会に向けてのキックオフであり、とても良いことだと思います。今までの事を全て日の光に当てて、明らかにして、悩みながら、苦しみながら、混乱しながら・・・最後には「自然と総和」する道を選ぶ。もう、それしか道はないと気づく。そういうプロセスに入ったのではと思います。昨日、子どもたちに言いました。「本当に素晴らしい国に生まれたね。大きくなった頃にはいい時代になるよ」と。大きくなる頃に間に合うかどうか・・・でも、そのような願いを込めて。
2009.11.11
世界的な経済環境の激変により、国内の各産業も、大きな変革が必要になってきました。とりわけ建設業界においては、「コンクリートから人へ」という国の大方針により、公共事業・ハコモノ行政からの決別が進むでしょう。丸二は無事に、公共事業からの脱却を、10余年をかけて達成をいたしましたが、本当に大変な道のりでした。そう考えると、今からそれを始めるということは、事実上不可能であり、もう間に合わないのではと思います。地方においては、農業等の異業種への事業転換も進むと思います。
また、今までのような新築工事一本やりのようなことも無くなるでしょう。建てては壊し、スクラップ&ビルドを繰り返すことで、長期的な売上を立てていたゼネコンや住宅メーカーも、大きな岐路に立っています。これからは、モノを大事にする時代。修理・営繕・耐震・リフォームをしながら、長く使っていくという方向への大転換です。丸二もすでに、数年前から「リフォーム部門」を立ち上げて、現在では毎月100件以上のお客様からのご依頼をいただけるようになりました。このように、小さなこと、誠実なメンテナンスに本気で対応していくことが、新しい時代の要請だと思います。
新築工事についても、住宅着工件数が減っていく中で、「百年建築(ルネス工法+外断熱工法+パワー・コンクリート工法)」や「農商工連携認定事業:加子母ひのきの家」等をご提案し、健康で安全で幸福な環境共生長寿住宅を普及させていきます。賃貸併用住宅あるいは戸建住宅も、よりよい建築であれば、これから多くの建て替え需要が出てきます。環境、エコの時代と言われていますが、その中での本丸が、実は、「建築」「住環境」ではないかと考えます。
例えば、断熱方法についても、これからは「外断熱」へ移行していくと思います。日本の鉄筋コンクリート造のマンション、ビル、住宅のほとんどが、現在は「内断熱」であり、いつも結露、ダニ、カビに悩まされ、夏も冬もエアコン無しでは暮らせない状態になっています。ところが、広く欧米で標準となっている「外断熱」では、建物自体が外から守られ、建物寿命が長く、室内空気環境も改善され、結露、ダニ、カビが減少し、エアコンに頼らない省エネ環境をつくることができます。「温室効果ガス排出量25%削減」という日本の大目標を達成するためにも、国土交通省が「外断熱の推進」を行う必要が出てくるでしょう。丸二も、「外断熱」には、10年前から積極的に取り組み、すでに多くの施工実績があります。このように、住む人にも、建物にも、地球環境にもプラスになる工法を、私たちは無視する訳にはいかないのです。
「コンクリートから人へ」と書きましたが、もうひとつ、「コンクリートから木へ」という方向性もこれから出てくるはずです。日本の山は今、荒れ始めています。森の木を間伐しないと、日の光が入らず、森が死んでいくからです。日本の美しい森を守り、林業を復活させるには、森の木を間伐することが大切です。外材ばかりに頼らないで、国産の素晴らしい木を使って、家を建てることは、地球環境への貢献にもなります。コンクリートから木へ・・・。丸二は、農商工連携事業の認定を受けて、岐阜県・加子母森林組合様と共に、伊勢神宮の御用材として有名な「加子母ひのき」を産地直送でお客様にご提供し、都会に癒しの住環境を造ることと、森を守ることに貢献しています。
そして・・・、建築デザインも大きく変わっていくと思います。これからは、自然と調和する「自然風水デザイン」が始まります。つまり、人間が頭で考えるデザインではなく、そもそも自然の中に無尽蔵に宿っている力を利用したデザインです。風水というと、方位とか、占いのイメージがありますが、ここで言う自然風水とは、「あるがままの自然(風、水、木、火、草、土、石、光・・・)と調和する」と言う意味で、つまり、古来から先人たちが、建築や都市計画に利用していた自然科学の智慧のことです。丸二も、時間を掛けて研究を進めていますが、徐々に現代科学でも立証され始めていて(建築医学として確立)、とても興味深いテーマになってくると思います。これらのノウハウを、今後は基本設計に取り入れていきたいと考えています。そのコンセプトは、「シンプル」「美しい」「安価」です。
さて、今まで、家やマンションは「買うもの」「選ぶもの」でしたが、これからは「建てるもの」「造るもの」へと移行していくでしょう。住環境を得るということは、人任せに出来るほど、簡単なものではないということです。丸二が10年間かけて実績をつくって来ている「コーポラティブハウス」は、まさにその代表選手です。お客様一人ひとりのビジョンやイメージを叶えるために、私たちはさらに磨きをかけていきたいと思います。
最後にもうひとつ。あまり言われていないことですが、これからは建設会社と言えども、男性中心から男女協働へと移り変わっていくでしょう。建築、住宅、リフォーム、デザイン、住まい方・・・このようなご提案の中に、女性の視点、優しさ、繊細さを含めていかないと、造った側だけの自己満足で終わることになります。「建築は男の世界」というイメージから、いかに脱却し、男性・女性がお互いの役割の中で、総合的な住環境を造っていくことが、お客様のニーズにさらに一歩近づいていくことになると思います。丸二は、少しずつですが、新卒女子社員の採用を続けながら、じっくりとお客様志向の社風づくりに取り組んでいます。
さて、こうして考えてみると、21世紀の建築は、百年レベルで持続していく「百年建築」と、人や自然の生命を育む「生命建築」となるでしょう。丸二は、その二つを実現する技術と人を育てている会社です。
2009.11.06
松井選手の大活躍で、ヤンキーズがワールドシリーズを制し、松井選手自身もMVPに輝きました。本当におめでとうございます!松井選手は7年前に巨人を退団して、メジャーリーグに行ったわけですが、もしそのまま巨人に居れば、今でも四番打者で平穏かつ安泰な選手生活を送っていたでしょう。それなのに、「巨人の四番」という最高級ブランドを自ら捨てて、あえて茨の道を選んだところに、独特な美学を感じていました。
それでもやはり、メジャーは厳しいんですね。松井選手にとっては、イチローの活躍の影に隠れてしまった7年間だったと思います、WBCにも参加せず、怪我もあり、いろいろと精神的にも苦しかったのではないでしょうか。でも、このワールドシリーズでは日本人選手として大活躍し、とうとう世界一を経験することができました。いわば、野球界の最高峰を手にしたわけですよね。本当に、これまでの苦労の賜物だと思います。
考えてみると、イチロー選手の凄さと松井選手の凄さは、何かが違います。打ち方や体格のイメージもありますが、イチロー選手は「個・ミクロ」を求め、松井選手は「全体・マクロ」を求めているように感じます。どちらがいいのか、悪いのかは判りませんが、案外松井選手の大局観的な生き方は、私たち普通人にとっても、大いに参考になるような気がします。苦しくても、諦めずに努力する。そうすれば、長い目で見て、きっと結果は付いてくる。細かいことは気にせず、世間に惑わされず、人や環境と調和しながら、謙虚に自然体で生きる。松井選手がそういう信条を持っているかどうかは全く知りませんが、多分そうではないかと感じます。
「個」を磨き上げるイチロー選手と、「全体」に貢献する松井選手。不思議と、所属しているチームの強さもそれに呼応していますね。二人とも個性的で、面白い。それぞれが力を発揮した一年。WBCで始まりワールドシリーズで終わる。日本人の素晴らしさが全開したメジャーリーグでした。
ただ・・・、アメリカの威信、ドルの強さがどうもおかしくなってきたので、今後のメジャーリーグをはじめ、アメリカの行く末には暗雲が立ち込めていると思います。イチロー選手も松井選手も、そろそろ日本に帰ってきて、本場仕込のベースボールを日本で確立してはどうでしょうか。今、日本の政治や経済は確かに大変な状況ですが、政権交代が可能な環境が整い、いろいろな大混乱を経ながらも、世界の雛形としての新しい日本の姿がいずれ見えてくると思います(相当、先のことかもしれませんが・・・)。
その時は、環境、健康、農業、林業、景観、代替医療、ナノテク、バイオ、クリーンエネルギー等がリーディング産業になっていて、それぞれの分野において、日本が世界をリードしているはずです。その中にきっと、夢とか感動、喜びを味わうことのできる世界一の野球があってもいい。その礎を、この二人にぜひ造って欲しいです。