社長ブログ

「何か」を目指して

伊勢丹の吉祥寺店が閉店することに。地元、吉祥寺としては近鉄、三越に続く有名百貨店の撤退ということで、時代の大きな変化を感じます。特に伊勢丹のような「勝ち組」にも、今回の景気後退が大きく響き始めたのかと思うと、「100年に一度」という状況を再認識させられます。ただ、撤退することで空いた空間には、また別のお店やオフィスが入るでしょうし、またそこでは、今までとは違う「何か」が生み出されるはずですので、常に「CHANGEはCHANCE」ですね。どんな時代になろうとも、ビジネスの本質である「事業を通じて社会に貢献する」ことに向かって、絶えざる前進さえして行けば、必ず活路は見出せると思います。
とは言え、その絶えざる前進のことを、ついつい忘れてしまったり、疎かにしてしまったりするのが人間の弱いところで・・・だからこれからは、「上手」「下手」というよりも、少しでも前へ進む努力をし続けられるかどうかに掛かっているように思います。「より良くなろうとする欲」を持って、社員一人ひとりが自らの人間性を高めて、本当により良い商品とより良いサービスをご提供することに、毎日1mmの前進をしていく。こういう微細なことへの関心と行動が、いずれ大きなうねりに発展すると考えます。
一方、政治の世界では、小沢さんが代表を辞任しました。(良い悪い、好き嫌いは別にして・・・)大政治家の時代の終焉だなと感じます。かつての善悪兼ね備えたダイナミックな指導者の時代は、もう戻ってこないのでしょうね。そう考えると、何となく寂しいような気もします。もしかしたら、この国の難局を乗り越えるために必要不可欠な豪傑たちを、与党も野党も、みすみす失っているのかも・・・。でも確かに時代が変わったのも事実。これからは、みんなが固有の能力を持ち寄って、共同作業で切り開いていく時代に。そうとなれば、全人類一人ひとりに、何かしらの役割と共に責任が生まれます。
特に、経営者の責任はさらに重くなっていくのでしょう。中でも「教育」という部分への責任が、日に日に大きくなっていくように思います。社員さん一人ひとりの人間性が高まって行かないと、いかなる商品やサービスも本物として完成しないからです。そういう意味において、これからの企業経営は、目に見える論理的な面と、目に見えない非論理的な面の両方を扱っていくことになるはずです。
丸二の企業理念である「ありがとうございます」は、まさに非論理的なもので、雲を掴むようなものです。ただ、この理念があるおかげで、(本当に時間は掛かりますが)これからの時代に必要とされる「何か」を与えられているように感じます。例えば、ここ一週間の出来事ですが、入社してまだ数年の若い営業社員さんが、自身が担当している工事の地鎮祭で司会を務めた後、感極まって涙があふれ出てきたのです。なぜでしょうか・・・。そこには、仕事を超えた何か・・・お客様への純粋でとても強い感謝の念があったからではないかと思うのです。これは、非論理の世界です。
また昨日、リフォーム工事をさせていただいたお客様から、「(感激して)涙が出そうになりました」というお言葉もいただきました。これが・・・何と言いますか、私たちが目指している「何か」なんだろうと思うのです。実は他にも紹介したい出来事はありますが、とにかく今の私が言いたいことは、「これが仕事の本質なんだろう」ということです。ここに、今回の「100年に一度」に対する突破口があるのではないかと。時代が変わり、新しい価値が生み出させるタイミングの中で、私たちは、一人ひとりが人間としての成長を遂げながら、自身の能力にさらに磨きをかけ、建築という分野において社会に貢献していく。その揺ぎ無い信念を、さらに強くしていく。日々1mmずつ。まだまだ未完成で未熟な私たちですが、このような想いを持って、前向きに努力中です!!

「共生」の厳しさ

ゴールデンウィークは自宅でゆっくり過ごしましたが、一日だけ家族と渋谷に遊びに行きました。それにしても凄い人混みで、もう・・・ダメですね。渋谷から原宿を(人をかき分けかき分け)歩いて往復して、エネルギー消耗。でも、今の若い人たちの動きが肌で分かって、それなりに収穫はありました。
特に驚いたのが、最近ニュースでやっていた「フォーエバー21」の前に行列ができていたこと。開店初日からずっとこうなんでしょうね。隣の「H&M」の前にも行列で(隣同士なのを初めて知りました)、整理券を配ってました。「ユニクロ」をはじめ低価格でデザイン性の良い商品がますます人気ですね。今後、多くの大手資本が低価格衣料に参入してくるでしょうから、それはそれで熾烈な競争になると思います。
そう考えてみると、本当に商売は難しい。吉祥寺のサンロードには巨大なシューズショップが出現して、目の前の靴屋さんとバトル開始。少し前は、ヨドバシカメラの出現で、並びのLAOXが撤退しました。以前の景気がいいときは、お互いが相乗効果で共存できたのでしょうが、最近はどこかの「一人勝ち」というパターンが多いように感じます。だから余計に「差別化」、つまり「ウチにしかないもの」が大切になって来るのでしょう。
逆に「ウチにしかないもの」があれば、決して大きな店でなくても、お客様は来るようです。ネットで評判になれば、全国から注文が殺到します。マスメディアに乗らなくても、いいものがあって、評判になれば勝てる。そういう意味で、面白い時代です。また、それこそが「共生経済」「公正社会」につながると思います。
それぞれが他には無い「いいもの」を持てば、お互いが繁盛するかもしれません。同じようなものを売るから価格競争や広告合戦となり、広告収入(=スポンサー)が頼りのマスメディアに公正さが失われていきます(結果、偏った意図的な情報しか出せなくなります)。いいものを作り、いい評判が伝われば(もちろん適切なPR活動は必要です)、お客様は自然に増えていくようになると思いますし、マスメディアとしても、一社あたりの広告料は減るかもしれませんが、個別のスポンサーからの圧力も比例して弱くなるので、いずれ公正な情報を出せるようになると思います(・・・そう期待します)。
ただ、どっちにしても、「いいものでないと話にならない」という歴然とした現実が、そこにはあります。だから、これからはイメージや資本力でモノを売ることは出来ず、本当の「品質」勝負になってきます。「いいもの」を作って提供することができるお店や会社が、お互いに「共生」するわけですから、まずここをクリアーしないと。とすると、「共生」とは、とんでもなく厳しいことなのかもしれません。
丸二も、この厳しさに正々堂々と立ち向かいながら、「共生経済」「公正社会」の中で、光り輝く存在になろうと思います。そのために、日々1mmの前進です!!

選別の時代へ

今年も、ゴールデンウィークに入りました。天気は良さそうですが、メキシコ発の豚インフルエンザが少し気がかりですね。でも、あまり過剰に心配しすぎると「引き寄せの法則」もあるので、早い段階で具体的な準備をして、その後は安心して暮らしていくことがベストではないかと思います。このような初めての出来事をひとつひとつ経験しながら、時代は少しづつですが、進化し始めたのではないでしょうか。
さて、もうすぐ「ありがとう通信」の発刊なので、そのための挨拶文を下記のように書いてみました。
(ありがとう通信:挨拶文)
ありがとうございます。今年も春らしい陽気に入りましたが、北海道や青森では季節はずれの雪が降るなど、地球環境の変化は依然として進行しています。また、メキシコで発生した豚インフルエンザの感染拡大を受けて、WHOの警戒水準も引き上げられました。丸二は、以前より、鳥インフルエンザのパンデミック対策に対する準備を行って来ましたが、いよいよ現実味を帯びてきたようです。もちろん、いたずらに危機感を煽る必要は無いと思いますが、国も企業も個人も、万が一に備えて、何かしらのアクションは必要だと思います。さて、建設業界全体の方は、昨年のリーマンショック以来、とても大きな影響を受けているところです。しかしながら、いよいよ「選別の時代」に入ったという意味において、社会にとっても、丸二にとっても、大いなるプラスと認識しています。造り手側の理屈や都合を優先していた時代から、住み手側の願いを優先する時代へ・・・。今はまさに、丸二が目指している究極の目標、「住む人の人生の流れがより良くなる建築」が、世に出る第一歩ではないでしょうか。私たちが、今まで様々な準備してきたのは、まさに「この時」のためであったと思います。建築の世界が変わることで、社会は変わると思います。そのような大きな流れの中で、丸二は確かな役割を果たしていきます。尚、今年の4月1日には、新卒2名の入社がありました。これからは、新しい視点による新しい発想が必要です。今後も若い力を投入し、育て、さらに価値あるご提案とサービスの創造に全力をあげてまいります。この時代への「ありがとうございます」の心を持って・・・。ありがとうございます。(挨拶文:終わり)
「選別の時代」に入ったという認識は、もう15年ほど前からあり、丸二の場合は「ルネス(逆梁)工法」の採用から具体的な準備に入りました。その後・・・エコ建築、外断熱工法、パワー・コンクリート工法、建築医学、加子母ヒノキ等を導入し、それらの技術を賃貸併用住宅、コーポラティブハウス、リフォーム、木造住宅等に組み込んでいます。
そのような意味で、「間に合った」という思いがあります。15年という歳月は非常に長く感じましたが、それくらいの時間が無いと、このような各種技術を身につけることは出来なかったでしょう。ひとつひとつが非常に高い価値を持ち、本物なので、これから相当な時間軸をかけて、世の中に広まっていくことと思います。
時代が変わるというのは、たぶん怖いことだと思います。先に何があるか分からないから。でも、今の現状の中で、これからの未来がどうなるかを真剣に考えた時、多くの人の「心の声」は、きっと同じ言葉を発しているはずです。
競争から共生へ・・・。
今の自分自身の立場や仕事を考えた時、その言葉を聴きたくない人もいるでしょう。でも確かに聴こえているはずです。そういう時代へ向けて、一歩足を踏み出すことで、きっと何かが変わる。丸二もそういう思いを込めて、今を生きています。どんな世の中になるか、確かな確信があるわけではありませんが、大きく外れてもいないように感じます。そして、来るべきニューワールドにおいて、「医・食・住」の中の「住」の分野をリードできる、質の高い建築集団になっていきたいと思います。

思いがけないこと

千代田区の建設現場でクレーンが横転するという事故が発生した模様で、あらためて現場の安全管理に対する意識の向上が必要と実感いたしました。いまの時代、いろいろなことがありすぎて、つい注意力が散漫になったり、思考が動かなかったりして、物事の基本的な「点検と確認」を疎かにしがちです。こういう時は、気をつけないと。何事も落ち着いて、よく整理をして、手順を踏んでやる。これからは、まわりの状況に左右されずに、自分自身と冷静に向き合いながら、落ち着いて判断や行動をしていかないと、思いがけないことが起こるのかもしれません。
でも、そういうことが起きる前には、必ず何か小さな予兆があるものです。そこに気づくことができる感性があるかないかが、大きな分かれ道となりそうです。ただ、いくら感性を磨くと言っても、手っ取り早くパッと高まる方法はないでしょうから、一体どうしたらいいでしょう・・・。毎日を明るい気持ちで、生きていくことかなぁ。それだって、なかなか大変なことです。でも、多少無理をしてでも、明るく楽しく前向きに、いい気分で生きていけば、だんだんとより良くなっていくことは間違いないと思いますので、私はそういう気持ちでやっていこうと思います。
さて、確かにこれから思いがけないことがいろいろと起きそうな気がしますが、「思いがけない」と思うのは、ただ私たちが無知なだけで、自然の摂理の上では、当然のことなのかもしれません。井沢元彦氏の「逆説の日本史」によると、邪馬台国の卑弥呼が死んだ年は「皆既日食」があり、民衆はそれを見て恐れおののき、「太陽が隠れて闇になったのは、国のトップである卑弥呼の不徳のせいである」となり、卑弥呼は殺された。その事実と皆既日食という自然現象が「天の岩戸隠れ」という神話になった。よって太陽神アマテラスのモデルは、卑弥呼であると。
つまり、その当時の人々にとって、皆既日食は未知なる「恐怖の大王」だったということです。現代では、いつ来るかも計算できるほどの普通の天体の動きなのに。でも、当時の人々にとっての「皆既日食」のようなものが、いまから起きないとも言い切れません。とにかく現代科学は、まだまだ完全ではないから。とすると、逆に言うと、いまから起きそうなことに過度な恐怖心を抱く必要も無いような気もします。もちろん、現実的な対応として様々な準備は必要です。でも、後になって「そういうことだったのか」と判ることしか現実には起きないわけですから、変な恐怖心や悲観論よりも、むしろ「何が起きるんだろう」というワクワクとした好奇心の方が必要ではないかと。
「思いがけないこと」が、必ずしもクレーン事故の様に、「悪いこと」ばかりだとは限りません。思いがけずに、「良いこと」がたくさん起きるかも知れません。だから、こういう大変化の時代を生きられるということは、その現場を生でウォッチできるわけですので、とてもありがたいことだと思います。いろいろと試してみる時だと思います。過去の常識やセオリーに捕らわれずに。人の逆を行くこと。常識の逆の考えを持つこと。そうすると、何か「良いこと」の方へ向かうような気がします。確かに、ちょっと怖いですけどね。でも、丸二の場合は、いつも好奇心の方が勝つので、そういう方向へ行きます。もちろん、これからも!!

来るべき新しい世の中

おとといは、社内研修会&新入社員歓迎会を行いました。社員さんが一堂に会して、学習したり、盛り上がったりすることはとても大事なことですね。新しい仲間が加わり、一人ひとりが意識を高め合い、腕を磨き、協力して目標を達成していく。こういうチームワークこそが大きなパワーになっていきます。丸二も総勢35名となり、ますますチームワークの重要性が高まってきました。ベテラン勢と若手組とがうまく融合して、高い技術力と人間力を発揮し、これからも責任ある仕事を行っていきたいと思います。
また、このような厳しい経済環境の中でも、あえて採用を続けて行く意味ですが、すべては「来るべき新しい世の中」への準備です。現在の状況は確かに大きな変化ですので表側は厳しさとして映りますが、その裏側では「来るべき新しい世の中」が、今か今かと待っているはずです。その新しい世の中になった時に求められる会社になっていなければ、いくら今の変化を乗り越えても全く意味がありません。
「来るべき新しい世の中」・・・つまり「本物」「健康」「環境」「自然」というお客様志向、「感謝」という心のあり方、「修理」というビジネス・マーケットへの具体的な準備をしっかり整えた上で、今の大変化に対応していくことが、本当に必要な企業行動だと思います。多少迂回してでも、苦労してでも、難しい道であっても、そちらの方向へ歩みを進めるべきだと思います。それが志というものです。
最近、「今の日本には、夢が無くなった」とよく聞きますが、とんでもない!「来るべき新しい世の中」が、もうすぐそこにあるじゃないですか。そういう「未来」を、(頭ではなくて)感性で感じ取ることのできる若い人たちこそが、これからの日本を立派に再構築していくはずです。丸二は、15年前から、「来るべき新しい世の中」に対する技術的、事業的な準備をし続けています。そして最後の仕上げとして「人」への取り組みも始めています。
ベテラン勢が築き上げた確かな技術と新しい事業に、これからは若手が夢と志を吹き込む。この核融合がいよいよ始まりました。

奇跡の今

このたび、日本最大級の社長動画サイト「賢者.tv」に取り上げていただくことになりました。まだまだ成長過程にある会社なので、とても恥ずかしいのですが、会社や私のことがいくらかでも伝わるのであれば、とても嬉しいです。カメラの前で話すことなんて、ほとんど無いですので、異常に緊張してしまいましたが、プロの方がうまく編集してくれました(ありがとうございます!)。昔、大学時代に映画研究会にいたので、撮影現場には慣れていたつもりですが、撮られるのは別ですね。
さて、話は変わって昨日のニュースですが、北海道のゴルフ場で女性が陥没した穴に落ちて亡くなったことを知りました。何とも言えなく、悲しくて・・・、そして考えられないことが起きたと思います。家族で楽しく過ごしていた間の一瞬に、このようにして命を失うことがあるのでしょうか。本当に、つらいことです。
考えてみると、私たちは日々このようなゴルフ場を歩いているのに等しいのかもしれません。たまたま、危険な場所を通っていないだけなのかもしれません。そういう風に捉えてみると、今日もいつものように目が覚めて、会社に来ることができたのは、まさに「奇跡」ではと感じられます。そういう、普通の状態の「今」に、喜びを見出せるような生き方をしていきたいと思いました。
また、住まいも人の暮らしのために在り、住む人の普通の日々を、陰でしっかり支えてくれていると思います。建築は、ただ物理的な構造物として在るのではなく、やはり何か「心」のようなものを持っていて、住む人のことを見守っているような気がしてなりません。だから時々、家に「ありがとう」とつぶやいてみます。私は時々、車にも「ありがとう」とつぶやいています。あらゆるものに「心」があると思えば、意外と普通に言えたりします。
このようにして、「賢者.tv」の取材で自分自身のことをあらためて振り返ることができましたが、私が建築の世界でやって行きたいのは、「物に心を宿す」ことなのかなぁと、ふと感じました。そんな思いを持って、これからも本物の建築への挑戦を続けて行きたいと思います。

新入社員の入社

昨日の4月1日、2名の新入社員が入社をいたしました。厳しい経済環境の中ではありますが、このように常に新しい力を注入していくことは、企業の成長発展にとって大切なことだと思っています。また、先輩社員たちの方も気が引き締まり、いろいろな意味で社内の活性化となるでしょう。
このようにして、若い人たちが社会人となり、ひとつの企業・組織の一員となっていくわけですが、その後の道筋は大きく2つに分かれていくことになります。つまり、仕事ができるようになって、お客様や会社から喜ばれる存在になるか、そうはなれないかです。いろいろな原因があると思います。上司との相性もあるでしょう。いろいろな廻り合わせもあるかもしれません。でも、基本的には本人の考え方によるものと思います。
先日のブログでWBCについて書きましたが、そこには「チームワーク」という言葉がありました。チーム一丸となって戦って、勝たなければならない時に、もし自分の都合を優先させる人がいたとしたら、当然勝負には負けてしまいます。WBCに選ばれるほどのトップクラスの選手たちでさえも、「チームのために」戦ったわけです。
例えば、新入社員あるいは入社してまだ数年しか経っていない社員の場合、当然、先輩社員のように仕事はできませんし、結果も出ません。会社としても、あくまで将来への投資として、育てている期間です。でも、そういう中においても、一生懸命仕事に取り組んで、自分にできる仕事や役割を自ら見つけ出して、何でもやって、先輩社員や上司からも、「お前、良くやるなぁ!」と言われることは充分可能ですよね。だから、まだ完璧な仕事ができなくても、会社の役に立つことはできるのです。
それが「チームワーク」だと思います。言い換えれば、「チームワーク」は「ありがとうございます」の思いから成り立つものです。自らが育つまでの間、感謝の心で、全力を尽くせるかどうか・・・。ここで、大きな2つの分かれ道のどちらを進むかが決まってしまうような気がします。
今年、丸二に入社した2名も、きっと明るく素晴らしい道を進んでいくでしょう。先輩社員も、リーダーシップを発揮して、若い人たちをより良い方向へ導いて欲しいと思います。共に成長する喜びを分かち合いましょう!!

「気」の国、日本

WBCで日本代表が2連覇を達成でき、日本人として素直に嬉しいです。イチローが最後に大仕事をしたところを見ても、やはり「何か持ってる人は、本当に持っているんだな」と、逆に好調の時よりもハッキリ感じることができました。原監督も、巨人を指揮している時はあまり関心がありませんでしたが、WBCの監督としてトップレベルの選手たちを上手に使い、新しいタイプのリーダーなんだなぁと、感心しました。
原監督と言えば、高校野球の東海大相模の4番打者で、私が小学生で少年野球をやっていた頃からの国民的なアイドル(?)でしたし、それ以降も本当にず~っと表舞台にいる人ですから、やはり強運な星の下で生まれたんですね。巨人の4番時代は、なかなか思うような結果が出せず、ファンから厳しい評価を受けていた(ような気がする)ので、最近のペナントレースでの優勝や今回のWBC優勝は、世間を見返せたのではないでしょうか。厳しい勝負の世界で、なおかつ最高の舞台で、このように結果を出せるというのは、本当に選ばれた人である証拠だと思います。
WBCの後は、ワールドカップの予選があり、こちらも日本代表が勝ちましたが、サッカーの場合は世界一になるのは、まだまだ遠い夢のようです。野球はすでにWBC2連覇ですから、実際に世界一レベルと言っていい。日本人は、野球のように「静的なスポーツ+チームワーク」が馴染むのかなぁと、ふと考えます。サッカーは常に動いているので、身体能力が何よりも優先されると思いますが、野球の場合、実際に激しく動くのは(投手を除くと)試合中ほんの少しですし、意外と動きの静かなスポーツで、恐らく身体能力に加えて、何か別の資質が求められているのかもしれません。その資質こそが、日本人の強さなのか・・・。
今回のWBC連覇において、「チームワーク」という言葉が多く出ていました。「プロ」というと、つい「個人」をイメージしてしまいますが、イチローの不振をみんなでカバーしたというチームワークによって、勝利を勝ち取ったんですね。まさに「和」の国、日本です。全体を見渡して、自分自身の役割を見つけて、サポートし合う。サッカーの場合は、そういう日本人の良さを発揮する余地を与える暇なく、ゲームが突き進んでいくようなので、なかなか強くなれないのかなぁ。相撲にしても、柔道にしても、将棋にしても、囲碁にしても、間合いのような・・・お互いが対峙している「静」の時間が多い気がします。その間に、いろいろと考えたり、「気」を整えたりするのでしょう。だから・・・「気」が強いのが日本人で、「気」で勝負するスポーツに強いのが日本。勝手にそう決めました。
逆に「気」が弱まると、今のストレス社会では「うつ」になってしまいます。そもそも「気」が強いはずの日本人の気力が、最近落ちているとしたら、とても問題ですね。だから一日の内に、ほんの少しでいいから、静かな時間を持って、自分自身と向き合って、英気を養うことも大切なんでしょう。私の場合は、キャンドルの炎だけで風呂に入ると、何となくいい気分ですし、炎を見ていると脳波も調整されるので、一日の「あれやこれや」が、リセットされます。散歩でもいいし、CDを聴くのもいいですね。
「気」を高めて、強く生きていかなければいけない。だからこそ、日本がリーダーになる時代が来たと思います。

意匠と構造

あらゆる物事には、必ず二面性(表と裏、陰と陽)があると言われています。例えば、WBCで盛り上がっている野球には、「攻撃と守備」という二つの要素がありますし、自然界にも、「昼と夜」や「天と地」等、相反する対象がバランスよく存在しています。会社も、「社長と社員」という二つの立場によって形づくられていますし、「思考と行動」という二つの要素によって、結果が出ます。株価のチャートも、「上昇と下降」が交互にやって来ます。
株価と言えば、麻生首相が、「株屋ってのは何となく信用されていない」などと発言したらしいですが、以前、株屋の一員だった私としては、とても不快です。株式の売買は、現在の資本主義の根本として、無くてはならない基本システムであり、これを否定するのは、どうかなと。様々な会社の株式をいつでも自由に売買できる取引市場があるからこそ、現在の信用経済は成り立っています。昨今の経済不況を招いたのは、株ではなく(もちろん株屋でもなく)、自由な市場に任せずに国が株式市場に介入したり、あるいは頭のいい人たちが、デリバティブやサブ・プライムローン等の複雑怪奇な金融工学商品を開発したからではないでしょうか。
さて、二面性に戻りますが、株も日々、陰線と陽線を出しながら、動いています。これが自然です。私が好きなクラシック音楽についても、この二面性があると思います。現在、様々なジャンルの音楽があって、とても素晴らしい曲もたくさんありますが、果たしてこれらが10年後、100年後まで残っているでしょうか。仮に残ったとしても、「懐かしい、思い出の・・・」という枕詞がついているのではないか。数百年後も、新しい録音が出るような曲は、本当に少ないと思います。
そう思うと、すでに数百年の間、演奏され、新しい録音が出ているクラシック音楽には、何か特別な要素があるのではないかと考えられます。その秘密は、曲の設計にあるのではないか。ところで建築の場合、設計は大きく二つに分かれます。「意匠設計と構造設計」です。意匠設計の方は、見た目のデザイン、配置、形状等ですから、ほとんどの方は理解できますし、気にします。でも、実際に施工をしていくためには、構造設計が無いと不可能です。姉歯事件は、この構造設計を偽装したわけですね。
建築は、この「意匠設計と構造設計」という二面性の両方を整えて、美しい建物を長く安全に持たせます。音楽も実はそうではないのかと。感動するメロディーやかっこいいフレーズ、素晴らしいハーモニー等の意匠設計が整っていても、音楽の構造設計に確固たる計算根拠やセオリーが無いと、一時的にヒットしても、長く持たないのではないかと。クラシック音楽の場合、良いか悪いかは別として、非常に難しい理屈や理論的な裏付け、セオリー、形式、様式の中で作曲されています(私にはよく分かりませんが・・・)。作曲するには、そういう理論や手法を知らないと不可能みたいです。
仮に、いいメロディーが閃いたとしても、それをどのように展開したり、反復、発展させていくかの「型」を知らないと。バッハの書いた曲の楽譜は、幾何学模様としても、見事なものらしいです。そこには何か、構造美のようなものがあるのでしょう。意匠は一般の人でも分かりやすいですが、構造は分かりにくい。そこが難しいところです。
さて、政治の中の政策にも同じようなことが言えないでしょうか。誰もが分かる意匠をいくら魅力的にしても、本当に構造設計として大丈夫なのか。例えば、今回の定額給付金についても、もらう側としては、もちろん嬉しいに決まっていますが、果たして政策としての構造設計上、本当に有効なのかどうか。メロディーラインはいいが、楽曲として成り立っているのか。そういうプロ的な視点があっての政策なのか。国民の多くが、この定額給付金に疑問符を出したのは、こういうことだったと思います。二面性の裏の部分こそが、プロフェショナルの出番ですし、本当に長く本物として残る部分だと思います。
経営の場合は、「技術と理念」ということになると思います。目に見える技術や商品に素晴らしい付加価値を持たせると同時に、その商品・技術を開発・採用した根底に流れている理念・考え方が一体どういうものなのか。この両方を磨き上げていくことが、商品や企業を長く継続させるポイントだと思います。私たちも、あらためて両面を見直して行きたいと思います。

志と本物

今月28日から全国の高速道路で、ETCを搭載した普通車に限り、土日祝日は走行距離に関わらず上限1,000円になるとのこと。それでETCが売れに売れているんですね。ちなみに、わが家の愛車(緑色のトヨタ・イプサム!)には、まだETCは付いていません。あまり車に乗らないし、もし政権交代があって高速道路が無料化になったら、当然不要になるし、そんなことを考えていると、何となく気が進まないのです。
今回の1,000円化についても、業務のための大型トラック等が対象になれば(平日も)、流通コストが下がり、大きな景気対策になったのではと思います。もちろん、サンデー・ドライバーたちの増加で、地域観光には追い風になると思うので、それはそれでいいかと。でも・・・何でそんなにETCを売りたいのか、何でそんなに地デジに変えさせたいのか、いまひとつピンと来ないです。
ところで、環境志向のビジネス情報誌「オルタナ」が発行した「グリーン天職マガジン」が、全国書店で発売されました。この冊子は、環境や社会貢献への意識が高い企業(103社)だけを集めた採用情報誌で、企業の環境活動や社会貢献を問う学生や転職者に対する積極的な企業PRとなっています。
そして丸二も、その103社の中に入ることができました(オルタナさん、ありがとうございます!)。当社の場合は、ルネス(逆梁)工法、外断熱工法、建築医学等によって、建築を通じて「環境と健康」を守ることを大きなテーマにしているため、この冊子の趣旨とあったのではないかと思います。ぜひ、志ある方々が入社していただけると本当にありがたいです。
そう思うと、ETC等の普及のプロセスには、「志」よりも、まず先に「利」の存在を感じてしまいます。どうしてでしょうか・・・。この「グリーン天職マガジン」のような媒体を通じて、人々の意識が高まっていけば、もっと世の中に志高き本物の人物が増えていくと思います。そういう意味で、今の社会の変化はとても意義があるし面白く映ります。
本物と言えば、先日、「サラ・ブライトマン」のコンサートに行きました。何が「本物」かと言うと、「声」です。CDを聞くと、ものすごくうまかったり、声がキレイだったりする歌手はいっぱいいますが、実際に生で聞くと、全然そうではないことがあります。つまり、録音技術によって作られた声なんですね。
このサラ・ブライトマンさん(女性シンガーです)の声も、CDで聞く限り、極めてキレイで美しいものだったので、実際はどうかと。そうしたら、本当にそうだったので、ビックリしてしまいました。これを毎日歌っているのかと。うまさと言うよりも、そのエネルギーの強さと観客への誠意を強く感じました。音楽はもちろん、舞台や衣装も素晴らしく、「本物」に触れるいい時間となりました。
「志」や「本物」・・・何となく普段使い慣れない言葉ですが、いまの時代が求めているものだと思います。そういうものを持っている人と出会いたいと思いますし、自分自身がそういう人になって行きたいと思います。