

2009.02.25
耐震偽装事件で被害を受けた「センターワンホテル半田(愛知県)」が、建築確認を行った愛知県とコンサルタント会社「総合経営研究所」を相手取って、損害賠償を求めた訴訟の判決が出され、愛知県と総研側の過失責任が認められました。この問題が発覚した当時、「イーホームズ」等の民間の確認検査機関に対する厳しい責任追及がなされ、結局「イーホームズ」は廃業となりましたが、同様の確認検査を行った自治体に対しては、何故か全くその矛先は向かいませんでした。
しかしながら、今回の判決により、偽装を見抜けなかった自治体の責任も問われ、やっと物事の整合性が付いてきたと思います。確認検査機関の使命は、合法的な建築かどうかを検査・確認することですから、それが為されなかったとしたら、欠陥品を販売している業者と同じことです。まして、自治体がそうであったならば、その影響と責任はむしろ民間企業よりも大きいはず。今回の判決は、当然のことと思います。
昨日、ブログに書いた村上春樹氏の「壁と卵」という比喩に例えれば、「卵の力によって、壁が壊れ始めた」と言えるのではないでしょうか。社会の公正や安全が、確かに厳しい現実を経ながらも、このように実現してくるのであれば、時代は良い方向へ流れ始めたと思います。今、いろいろな不安や不満が多い世の中ですが、過去の戦時中や抑圧・統制された社会に生きていた世界の人々に比べれば、遥かに豊かな毎日を送っています。そのことに大いなる感謝をして、一人ひとりが、今の現状をより良い方向へ変えていく努力をしていけば、必ず私たちは、「調和」に行き着くと思います。
私が好きなクラシック音楽も、基本的には「混沌」から「調和」へというストーリー展開になっています。起承転結があって、最後は調和の取れた高らかな和音で終わる。ほとんどの曲が、そのような構成になっています。きっと時代の流れも、その繰り返しなのでしょう。今は、そういう意味では「転」の時期なのかもしれません。だから曲調も激しいし、不安と混乱が続きます。でも、いつかきっとその楽章は終わり、終楽章での大団円を迎えます。これは自然界の法則です。今の時代に生きている人々は、その感動のフィナーレを見られるのかもしれません。今回の判決は、そのような「転」の中での、小さなシグナルと聴こえました。
2009.02.24
村上春樹氏の「エルサレム賞」スピーチ全文を読みました。ニュース等では、「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」という部分のみが紹介されていましたが、全文はかなり長く、一言で簡単に評論できるようなレベルではないと感じました。この比喩については・・・「壁」とは、爆弾、戦車、ロケット弾、白リン弾であり、「卵」とは、これらによって押しつぶされ、焼かれ、銃撃を受ける非武装の市民たちのことと、村上氏自身が説明しています。
私は、かなりの衝撃を受けました。今、この時期に、このような表現を、しかもエルサレムの地で、公式にスピーチすることのできる日本人がいたとは・・・。イスラエルとパレスチナの問題は、様々な歴史、宗教、闇の権力等が入り乱れて起きている(であろう)ことで、簡単に白黒付けられない状況が今後も続いていくと思います。そして、誰もがその状況を解決できるとは思っていません。とにかく、怖い。
そのような中で、ある種の危険を伴いながらも、何かしらの使命感を持って、実際に足を踏み入れ、本当のことを話す・・・。その勇気ある行動に、心から拍手を送りたい思います。村上春樹氏の本が好きだからではありませんが、やはり何か人とは違うものを持った人だと思っていたので、腑に落ちました。もちろん、これくらいで戦争が終わることは無いでしょう。でもだからと言って、無関心でいてはならないというメッセージではないでしょうか。そして、このスピーチの最後の方に、こうあります。
「私たちは、国籍、人種を超越した人間であり、個々の存在なのです。『システム』と言われる堅固な壁に直面している壊れやすい卵なのです。どこからみても、勝ち目はみえてきません。壁はあまりに高く、強固で、冷たい存在です。もし、私たちに勝利への希望がみえることがあるとしたら、私たち自身や他者の独自性やかけがえのなさを、さらに魂を互いに交わらせることで得ることのできる温かみを強く信じることから生じるものでなければならないでしょう。」
「温かみ」とは、とても優しく柔らかい言葉ですが、すべてを解凍するだけの力があると思います。政治でも、経済でも、この「温かみ」を犠牲にしすぎた結果が今なのではないでしょうか。この「温かみ」を理解しえない社会が、だんだんと壊れていくことが、今の経済状況であるとしたら、その未来は決して暗くは無いはずです。この流れの意味を、本質を理解して、「温かみ」を基盤とした政治や経済やビジネス、そして生き方に回帰していくことで、全体平和への方向が見えてくるのでしょう。小説家も、政治家も、経営者も、すべての人々も、それぞれの役割の中で、使命を果たし、「温かみ」の実現に向かっていく時代になったと思います。
2009.02.13
2月2日の日本経済新聞に、「地球の気候、寒冷化」という記事が出ました。「温暖化」ではなく「寒冷化」です。実は、地球は過去にも、今以上の温暖化がありました。もちろん、CO2の排出等が無かった時代です。そして今、CO2をたくさん排出している時代にも関わらず、地球は「寒冷化」しているということです。これを見ると、少なくともCO2が地球温暖化の主因でないことが明らかです。
とすると、ノーベル平和賞を受賞したアル・ゴア氏の「不都合な真実」は何だったのでしょうか。もちろん、CO2削減は、人間や動植物の空気環境や生活環境を浄化するためにも、重要な方向性です。ただ、地球温暖化の原因ではないということを考えると、昨今の「環境ビジネス」の前提がよく見えなくなります。何か変な感じがします。
今大変なことになっているオーストラリアの山火事や、旱魃、温暖化等を含めた最近の地球の異常気象は、太陽活動(太陽黒点)が原因であると、様々な識者や科学者が随分前から言っていました。でも、政治やビジネスの世界では、「CO2削減」というスローガンのみを唱え、新しいビジネスや利権を発生させてきたように思います。確かにCO2削減は大切なことです。でも、何か変な感じがします。
また、昨夜のニュースで、久々に小泉さんが吼えていましたが、日本を現在のような状況に陥れた「構造改革」を断行した人が、慌てふためいて、再びその正当性を訴え始めたように映ります。麻生総理の「郵政民営化に反対だった」という、あまりにも正直すぎる発言や、「かんぽの宿」のような疑惑がどんどん明るみに出る事態に対して、逆に、このまま逃げ切ることが出来ないと判断し、首相批判の時流に乗って、自らの危機を先回りして乗り越えようと動いたかのようにも見えます。これも、変な感じです。
これで、政権与党も弱体化し、構造改革推進派も逃げ切れず、かと言って野党にも政策の軸が無く、やはり困るのは国民一人ひとりです。ただ、希望の光はあります。私たち一人ひとりが、本来の姿である「自立」に一歩一歩近づいていると思うからです。人間は、そもそもが「孤独」な存在です。この「孤独」をいかに克服していくかが人生なのだと、学びました。自らが自立できる自分自身になっていくことで、始めて本当の意味で、世の中のお役に立つことができると思います。
そもそも、毎日TVに出ている「他人」によって、自分の人生(心や感情)が日々振り回されるなんて、何か変な感じがします。これは主従関係で言えば、「従」の立場です。私たち人間は、一人ひとりが主人公。「私の人生」というドラマの主役です。その他の存在はすべて、ドラマの脇役。当然、協力者もいれば、悪役もいます。そのような関係性の中で、面白おかしく主役を張っていくのが人生だと思いますし、そこで起きてくる様々な事件に対して、楽しく対処していくだけで、自然に「自立」することができる。なかなか面白い訓練と成長のストーリーではないでしょうか。
今、生きている私たちは、きっと大いなる成長を望んで、この時代に生まれてきたと思います。そして、ドラマは必ずハッピーエンドで終わります。それまでは、いろいろとあるだろうけれども。世の中が変な時は、「自立」のチャンス。そんな風に思って、毎日を一日一生、「明るく、前向きに、いい気分で」、主役を張りながら過ごして行きたいと思います。
※最近の発見
コンビニの中で、「セブンイレブン」が特に素晴らしい経営をしているのは、「セブン、イレブン、いい気分!」というCMのコピーにあるのでは・・・なんて思いました。簡単な言葉だけど「いい気分」って、とても大事だと思います。今日も一日、無理やりでもいいから、「いい気分」を演ずること・・・これが成長と幸福のコツかもしれないと、最近だんだんと分かってきた次第です。だから、街の中で、「セブンイレブン」を見た時は、「いい気分!」を思い出しましょう。そして、丸二の現場を見た時は、「ありがとうございます!」とつぶやきましょう。これで、一日のミニ・ハッピーが作れます。
2009.02.03
今日の朝日は、何かとても不思議な感じがしました。空との境界線が滲んでいるような、絵の具で塗ったようなオレンジ色で、もちろんとても美しくて・・・。最近、太陽黒点の活動が小さくなっていると新聞で読みましたが、地球温暖化や異常気象も、どうも太陽活動が主たる原因のようです。いろいろな問題の真相が明らかになってくると、情報に振り回されている自分自身に気がつきます。ひとつひとつのことを、細かく追求をしていけば、きっと真実が分かると思うのですが、多忙な現代社会の日常において、自身の専門分野や生活範囲以外のことは、ほとんど新聞・ニュース・本などの情報を信じるしかないのが現状です。
それでも、良い意味での「疑い」を持って、これらの情報に向かっていかないと、生きる上での大きなミスをしてしまう・・・そういう時代になったと思います。「国がやることは正しくて、完璧である」という神話が崩れてしまったことは、本当に大きなショックでした。でも、ならば本当の事は自分自身で確かめなくてはいけない!という意識や姿勢が芽生えてきたとしたら、これはこれで大きな変化であり、社会を変える一歩になると思います。
もう、新聞やニュースで言っていることを100%鵜呑みにする人たちは、さすがにいなくなったでしょう。もちろん、そこに事実はあるはずです。ただ、すべてが「真実」ではないと。これからの時代、「信じる」「信じない」の境界線が一体どこになるのか・・・私が思うに、今までの「権威」とか「力」ではなく、「人柄」とか「お国柄」という、なかなか測りにくいものに変わるような気がします。そういうものが、「信用」のモノサシになると思います。
会社で言えば、社風なのでしょう。信用できる社風。社風とは、社員さん一人ひとりの人柄や会社全体が持っている雰囲気や姿勢です。これをより良くすることが、経営目標になってくるはずです。そのためにも、誠実に、親切に、お客様の健康・安全・幸福を願いながら、責任ある仕事をしていくこと。もう、これしかありません。人柄や社風を数値化することはできませんが、最も巨大なパワーを持つことになると思います。
今、「経済」という視点からだけでモノを見ると、本当に大変な時代だと思います。ただ、このようにもうひとつの視点を持つことで・・・例えば、「社風をより良くする」というような視点・・・とても明るく、前向きに、いい気分で日常に向き合って行けるような気がします。明るく、前向きに、いい気分で生活していれば、当然良いことも起こります。風水とは、実は(決して難しいことでは無く)自分自身がいい気分になれるように、場を調整する技術です。だから、結局、問題は、「私の心の中」にあるということです。いい気分を感じるのも自分。不安と恐れを感じるのも自分。そこをどのようにして、意図的に、調整するか・・・です。
生き方の視点を変えてみたり、経営の視点を変えてみたりすると、きっと何かが見えてくる。境界線が滲んだ太陽は、モノサシが徐々に変わりつつあることを表現しているのかもしれません。人柄や社風を大切にしていく方向にモノサシが変わろうとしているのだから、私たちもそこに全力投球です!!
自然の中には、真実の情報があると感じました。
2009.01.27
日曜日は、昨年完成したコーポラティブハウスの祝宴に、社員と参加いたしました。「共生の時代」とは言うものの、「住」という分野においては、むしろ「プライバシー」を優先する傾向が強く、隣近所とのご縁はできるだけ避けようとするのが普通。それにも関わらず、このような人間関係を積極的に求めていく「コーポラティブハウス」の場合、必ずこのような祝宴があって、必ずとても楽しく温かい場となります。私たちとしても、本当に嬉しい時間を過ごさせていただきました。皆様、本当にありがとうございました!
通常、集合住宅(マンション)を建設する場合、施工会社は、建主様(オーナー様)との打ち合わせを基に建築を進めていきますが、完成後に住む方々(購入する方、賃貸する方)と会う機会はあまり無いのが普通です。ですから、このように実際に住む方々とのふれあいはコーポラティブハウスならではのものです。
丸二も、おかげさまで現在11棟目のコーポラティブハウスを建設中ですが、このような、たくさんの「ふれあい」をおかげで、大きく成長させていただきました。建設業は、そこで生活する人の人生に大きく関与している・・・この気づきを得られるかどうか。ここが、21世紀に建築のテーマではないでしょうか。
人生において、住まいほど心を安らかにする場所はありません。人は・・・住む場所が無いと暴動を起こします。人は・・・マイホームを持つために、ローンを組んで一生懸命働きます。人は、安住の地を求めて戦争をします。なぜか・・・。その場所こそが、自らの心を安らかにし、人生をより豊かでより良い方向へ向かわせるという絶対的な確信があるからです。それほどまでの思いを、感じられる感性・・・これが大切なのだと思います。
環境、エコ、健康、自然という視点から見ても、まだまだ建築の分野は遅れています。日本は、多分・・・相当遅れているのではないかと思います。現状に流されている。未来を考えられない。強い力に抑えられている・・・。いろいろと理由はあるでしょう。でも、いずれは分かること。だから、丸二は、そのような感性を持った先進的な方々と共に、新しい取り組みを続けています。
2009.01.15
その日のまえに
重松 清
チャイルド44
トム・ロブ スミス
2009年 資本主義大崩壊!―いよいよ断末魔の最終章が始まった
船井 幸雄
恐慌前夜
副島 隆彦
崩壊前夜 日本の危機
森田 実
暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠
副島 隆彦, 佐藤 優
新しい日本を建設する
藤原 直哉
年末年始に読んだ主な本です。結局のところ、「日本の構造改革とは何だったのか。それは、既存の日本の社会の破壊であり、世界帝国としてのアメリカに対する属国化であった(藤原直哉氏)」というところが、本当のようです。ああ、本当に残念でもったいないことをしてしまった・・・。でも、それを選んだのは国民なのだから、いまさら後悔をするのではなく、前向きにやっていかなければいけないですね。昨今の様々な情勢は、誠に厳しいけれども、これは大きな流れの変化であり、チャンスでもあります。だからこそ、現実を直視し、本当のことを知って、その上で明るく温かく元気にやっていこう。そのような勇気を、これらの本からヒシヒシと感じ取ることが出来ました。ちょっとタイトルはキツイけど!
最初の二つの小説も、とてもよかった。「その日」とは、「死ぬ日」のこと。余命わずかな病気の妻に、近づいてくる「その日」。でも・・・私たち人間は、全員「その日」の前を生きているわけです。ただ「その日」がいつか知らないだけ。だから、無意味な日々を過ごしているのかもしれない。「その日」がいつかを知ってしまった人は、毎日を大切に大切に生きている。どっちが豊かで幸福なんだろう・・・。「チャイルド44」は、旧ソ連を舞台にした、子どもばかりを狙った大量殺人事件を題材にしています。犠牲者44人(以上)。最近、確かに残虐な事件が増えていますが、きっと昔の方が酷かったのかもしれません。時代は、多分ですが、少しづつ良くなってきていると思います。
崩壊の後には、必ず建設が始まります。そういう意味で言うと、今から「建設」に向けての準備や着手が必要です。その際のキーワードは、「自然との共生」「お客様の満足」「人や社会の役に立つ」ではないでしょうか。今こそ時代を先取りする勇気と行動が必要です。崩壊を恐れるのではなく、その先を見越して、楽しく手を打っていく。そういう状態に自らを置くことこそが、最高の安全対策だと思います。
2009.01.14
11日は、美しい満月を見ることができました。今年最初の満月ですね。とても明るく素晴らしかった。でも、このように28日周期にキチンと巡って来る満月の不思議は、いつも月を意識していないと感じられないものです。他にも様々な「不思議」が宇宙全体には存在しているはずですが、私たちは本当に知らない(知ろうとしない)し、何も分かっていないのでしょう。人間は、何かすべてを知っているかのように威張っていますが、それは傲慢というもので、とうとう自然や経済の流れが変わって、謙虚さを知る時代になったと思います。
もう人間が勝手に作り出した「常識」に捉われず、太陽とか月とか星とか山とか川とか海とか花とか鳥の声とか虫の声から感じたものに従った方がいいのではないか・・・。美しい絵とか美しい写真とか美しい音楽に心を奪われた方がいいのではないか・・・。昨今の「新自由主義」が、人間の精神から真の自由を奪う結果を導いたとすれば、これからは「新自然主義」の時代になっていくでしょう。人間も自然の一部ですから、この自然界の摂理に従って、共に楽しく生きていく。この大転換は、仮に一時的な困難を招いたとしても、今を前向きに、誠実に、できるだけ正直に生きている人々にとって、やっと得られる安心の社会を創造することになると思います。
さて話は変わりますが、私が毎朝、会社まで歩く道の途中に、2つのラーメン屋さんがあります。両方ともなかなか流行っています。でも、この2つのラーメン屋さんには、実は大変大きな違いがあります。それは味とか量とか値段ではなくて、「臭い」です。私が前を通る時は、もちろん朝なので、お店は閉まっています。でも、閉まっている状態が違うのです。最初に通る方のお店は、お店の前にいろいろと荷物等が置いてあるのですが、毎朝きっちりと整理整頓されています。また、お店の中からの臭いも全くありません。とても気持ちいい。ところが、後に通る方のお店は、道が汚く、不潔で、とにかく周辺に異様で強烈な臭いが立ち込めています。決してラーメン自体の臭いでは無く、要するに生ゴミの腐敗臭です。ここは、息を止めて通ります。
お店を開ける店員さんは、間違いなく気づいているはずですが、きっと気にならないのでしょう。周辺にどれだけ不快な思いをさせているのかを・・・。このように、とても小さなことですが、わざわざ「徳」を浪費していくのはもったいないですね。もう一つのお店のように、「ご近隣にご迷惑のないように」という心掛けが、「徳」を少しずつ積み重ねていくのだと思います。これからは、「徳」の総量が一番の資産になる時代。私たちも、このような小さな気づきを大切にして、行動して行きたいと思います。お天道様やお月様に笑われないように。
2009.01.08
今、社会から温かみが失われているような気がします。世の中にはいろいろな人がいて、それぞれの価値観で生きているわけですが、基本的に、人はどこかひとつの国(組織)に所属をしていて、お互いに助け合うという「互助組織体」の一員になっているはずです。その中には、いろいろな考え方があって当然ですが、でも、苦しい環境にいる人を助け合うために税金や社会システムがあって、それを「温かい心を持って」確実に動かしていくのが政治・行政の役割であることは間違いないと思います。
今、その大切な税金が、苦しい人を救う方向に回らず、為政者たちの物質的豊かさのために随分浪費されてしまったような気がします。坂本哲志総務政務官が、「本当にまじめに働こうとしている人たちか」という発言をしましたが、一般の民間の人たちの中にも(もしかしたら)同様の思いを持っている人がいるのかもしれませんが、為政者の心の中だけには、絶対あってはならないことだと思います。全ての国民が、このような状況に陥らないように、最善を尽くし、仕組みを作り、税金を活用することが役割・本業であるのに・・・。もちろん、結果的にそう出来ないこともあります。でもその時は、「申し訳ない・・・」という思いこそが、口から出るはずだと思うのです。
思うに、政治や行政とは、仮に反発があっても、弱い立場の人の側に重心を持って行かなければならないと思います。仮に、強くて豊かな人たちからの反発があっても・・・。国は「互助組織体」であるという原理原則から言うと、そういうことなのではないでしょうか。ここ数年の日本は、明らかに強き者の側に大きく重心を取って、数々の改革を行ってきました。また、そうしなければ、悲しいことに、自らの立場を守ることができなかったのでしょう。でも、もうこのような瓦解が現実的に始まった以上、本来の「互助組織体」に戻す良いチャンスが来たと思います。富の再分配をして、みんなで助け合おうと。
全てのシステムや考え方を変えるのには、相当の時間と労力が掛かります。だから、せめてそういう「温かい思い」だけでもいいから、お互いに発信し合っていこう。この国の現状は、逆に何か新たな気づきを生み出す「未曾有」のチャンスです。必ず、日本ならではの、面白い転換があるような気がします。この時代に生きていることに感謝をして、その大転換の中で、楽しく元気に前進していきたいと思います。
2009.01.03
明けましておめでとうございます。いよいよ2009年が始まりました。自分自身の外側で起きることの全てをコントロールするわけには行きませんが、自分自身の内側で起きることを調整することは可能だと思います。今年からは、そのような認識を持ち、外側で何が起ころうとも、(その現象の本質をしっかり理解した上で)自身の内側を整えていくことが最も求められることになりそうです。
とするならば、会社も同じで、周りがいくら不景気だと騒ごうとも、お客様のご期待に応えられる付加価値を提供することに全力投球さえして行ければ、外側で起きていることの影響を受けない状況を生み出すことができるのではないでしょうか。2009年からは、(本当の意味で)21世紀に入ったと感じます。内側を鍛える時代です。人の心、会社の心というものが、最後には大きなパワーになる。だから、一人ひとりの心の安定が大切です。
人や社会に依存する時代から、自身に内在する心を強くする時代へ。そういう意味においては、このような時代は、心を鍛えるのに一番最適な環境かもしれません。いくら厳しい時代と言っても、かつてのソ連の共産主義社会のような統制に比べれば、今はずっと安全で幸せです。いろいろな意味で、選ばれた時代に、選ばれた人たちが、それぞれの成長を試すカリキュラムが始まったような気がします。私も、丸二の社員さんたちも、今の時代を楽しむために、ここに集まってきたのです。
さあ、これからが楽しい川下りですね。今までやってきたことに誇りを持って、そして信じて、「今」に全力を傾ける。来るべき未来は、その流れに乗れば大丈夫。そういう気持ちで、新しい一年を始めてみようと思います。丸二の付加価値は、ルネス工法、外断熱工法、パワーコンクリート工法、自然素材、建築医学、風水科学、コーポラティブハウス等々、いろいろありますが、最大の長所は、社員全員の「温かさ」です。厳しい外側の環境を乗り越えるのに必要なことは、意外にも、この「温かさ」のような気がします。今年も一年、何卒よろしくお願い申し上げます。
2008.12.27
年末の慌しさの中、あと数日で今年も終わりというところに来ました。みなさんにとって、2008年はどのような年だったでしょうか。サブプライムローン問題をきっかけに、経済環境が一変した年。あのトヨタでさえ赤字になるという未曾有の事態。派遣社員さんたちも大変で、年越しが厳しい。政治は動かず、夢や希望、方向性やビジョンが見えにくい。世界的に見ても、米国経済が落ち込み、イラク戦争の正当性についても疑問の声が湧き上がってきた。
そして・・・米国に追従し続けた日本は、その代償を払おうとしている・・・。このように、現象だけを見れば、確かに良い年ではありませんでした。でも、その裏側に、静かに流れ始めている爽やかな風を、五感で感じることが出来れば、明るい希望の調べが聴こえてくるような気がします。
今、起きていることは、三つの流れだと思います。ひとつは、「西洋」から「東洋」へ。二つ目は、「人工」から「自然」へ。三つ目が、「冷」から「温」へ。西洋(=米国)的な「物質的な豊かさの追求」から、東洋的な「精神的な豊かさの追求」へ、人々の意識は変わってきた。人工的に作られたモノを壊し、自然に戻す作業が、これから始まる。冷酷な管理社会から、温厚な共生社会への大移行。
このような大きな時代の変化が起きる前哨戦として、まず経済的な面の消去作業が始まったように感じます。その消去作業の最中は、とても大変だと思うのですが、心(精神)を大事にして、自然を愛して、温厚な人間性を保つことが出来れば、当面の厳しさや混乱があっても、心の温かい人々が浮上する時代になるような気がします。そういう意味で、この2008年から始まった社会的、経済的変動は、きっと良い方向へ帰着すると思います。
だから、そのような人間になれるよう、日々の日常生活の中で、修練を重ねていこう。まだまだ未熟ではありますが、何事に対しても前向きに、温かく生きていこう。そのようなメッセージが、一人ひとりの心の中から自然に湧き上がって来たら、きっと世の中は変わる。それが大いなる期待です。私も、そのうちの一人になれるように、楽しみながら歩んでいこう。そんな思いを胸に、この一年を振り返り、明るい2009年を迎えようと思います。ありがとうございます!!
※新着「お客様インタビュー」です!!見てください!!
※サンフラワー
Sunflower
ビーチ・ボーイズ
ビーチ・ボーイズほど、アメリカ的なイメージでありながら、一番遠くにある音楽は無いのではと思います。サーフィンや車という、60年代の若者のトレンドを題材にした曲からは、想像もできないほど、音楽自体は内省的でスピリチュアルな側面を持っています。この「サンフラワー」も、メンバー全員の創造性がひとつになった素敵なアルバムで、不思議な曲調の中に、希望の調べが聴こえます。サンフラワーは「ひまわり」ですね。2009年は、「ひまわり」のような明るい年にしましょう!!