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明るく颯爽と流れるように

先の山口での衆院補選の結果は、素直に見て、「ガソリン税再議決」と「後期高齢者医療制度」への批判票だったと思います。民意は必ずしも常に正しいとは言えませんが、政府はこれを「民意ではない」とし、「みなし否決」と「(2人前の首相の時に得た)3分の2」をうまく使って、ガソリン暫定税は再議決されました。一方、本会議を欠席したり、思い切り良く「問責決議案」を出さなかったりする方も、何か足並みが揃わない感じでしたね。こういうモヤモヤ、イライラした状況が長く続く時は、要注意だと思います。正論(らしきもの)を振りかざす、言葉巧みな策士が現れて、一気に大衆を魅了し、変な方向へ突進していくことが良くあります。だから、こういう時は、(現れるかどうか分からない)一人の巨大なリーダーシップを待望するのではなく、周囲を見渡して、地道で誠実な人々を探して、そのような人たちと一緒に考えながら、小さなことをコツコツと実践していく方がいいのかもしれません。その積み重ねと広がりが、だんだんと世論を形成して行き、世論が変われば、自ずと政治も変わるでしょう。今の政治家を選んでいるのは、なにしろ私たち一人ひとりなんですから・・・。時間は掛かりますが、これが一番、間違いの無い道だと思います。
先日の「日本建築医学協会」のシンポジウムに集まった人達は、確かにTVやニュースに出ているような有名人はいませんが、地道に誠実に、建築のこと、環境のこと、健康のことを考え、具体的に実践している方ばかりです。講師の一人の船瀬俊介氏(環境問題評論家)は、10年以上前から、同じ勉強会でご一緒させていただいた方で、久しぶりに講演をお聞きすることが出来ました。さて、その講演の面白いの面白くないの!会場が最初から最後まで笑いの渦!こんなに楽しく<深刻な>話を聞けるなんて!とにかく、面白かった。
もちろん内容は、現在のハウスメーカーの実態や、医療や環境に対する大きな危機感など、本当に深刻かつ重大な情報ばかり。でも、人間と言うのは、なぜか「深刻かつ重大な情報」を素直に受け留められない変な特性がありますよね。だから「笑い」が必要なんでしょう。変に危機感を煽るのではなく、明るく前向きに理解し、楽しく取り組む。正しいことを「正義感」でやるのではなく、正しいことを「楽しく」やる。様々な問題を解決していくための現実的なコツが、ここには見えてきます。このコツを使って、環境や政治や様々なことに対する運動を、国民一人ひとりが「楽しく地道に誠実に」実践していけば、周囲の人たちもニコニコしながら、参加してくるでしょう。そうすれば、社会は変わってくると思います。「日本建築医学協会」のすごさは、正しいことを追求しているのに、妙な暗い深刻さが無いところ。これが、本当の「実行力」に繋がると思います。
※明るく颯爽と流れるように
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ベートーヴェン
交響曲第3番『英雄』 
ベルティーニ&ケルン放送交響楽団
最近買ったCDの紹介です。ベートーヴェンと言うと、つい重く深刻な音楽という印象を持ってしまいますが、この「英雄」はとても颯爽として美しく、ウキウキとした波動を出しています。「英雄」は、ベートーヴェンの中でも非常に人気のある曲なんですが、かつての私は一度たりとも「いい!」と思ったことが無かった。有名なフルトヴェングラー盤を何枚か聴いても全然ダメ。そこに現れたのが、モントゥー指揮:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のCDでした。これを聴いて初めて、「英雄」っていい曲なんだあと思ったものです。そして、今回のCDがやっと2枚目。これもいい!こういう、好きな演奏との出会いがあるから、楽しいですね。さて、モントゥー盤とベルティーニ盤との共通点は、明るく颯爽と流れるような音楽であるということ。ベートーヴェン本来の重さとは正反対なので、一般的では無いかもしれませんが、私は好きです。