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動じない精神力

大学入試センター試験が終わり、今年もまた1211人が再試験に。リスニング・プレーヤーの不具合は減少しましたが、試験会場で携帯電話が30秒鳴ったとか、5~30秒照明が消えたとかで、「ごめんなさい、もう一度どうぞ」ということのようです。
また、全講義をインターネット上で実施している「サイバー大学」(昨年4月開校、吉村作治学長)が、在校生620人のうち約200人の本人確認をしていなかったとのことです。所管の文部科学省が改善指導するらしいです。
このように、日本の見事な社会運営システムをしっかりと支えてきた「確認」という基本中の基本が、非常に弱くなってきたのは確かです。携帯電話を切り忘れる、自動消燈システムを解除し忘れる、本人確認をし忘れる。それ自体が、難しい作業や技術を要するものではなく、ただ単純に「確認を忘れた」ということであれば、とても怖いことです。まさに、デジタル(機械)は進化し、アナログ(脳)は退化す・・・。
このような状況になるというのは、以前より何となく感じていました。原因は「携帯電話」と「コンビニ」です。例えば待ち合わせについて言うと、昔は時間と場所を詳細に決めて、事前にしっかりと確認し合い、もし会えなかった場合の事も想定したり、前日にもう一度を連絡をしたり、いろいろと二重三重の準備をしていました。もし行き違いになったら、もう終わりでしたから。でも今は、「携帯で連絡取り合って!」でOK。携帯があれば、時間も場所も、その場その場で何とかなる。忘れ物をしても、「コンビニ行ってくる!」で問題なし。だから、特に準備をしたり、前もって下調べをしなくても、なんとかなる時代になってしまった。便利だけど、「準備不要」の「行き当たりばったり」社会です。
このようなパターンが悪い習慣になってしまうと、大事な時に頭が回らない。何が必要か、事前にどのような連絡や確認をしておくべきか、考えられるケースは何か、その時はどうするか・・・このようなイメージが湧いてこないと、思いもよらないミスや事態を招いてしまいます。人間自体もきっと弱くなっていくでしょう。試験中に携帯電話が30秒鳴っても、5~30秒照明が消えても、動じない精神力を鍛えなければならないのが教育なのに、何かが変な気がします。