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変化の兆し

正社員を減らし、派遣・パート社員を増やすことで、企業利益を上げてきた「改革路線」がもたらしたものは、人々の「年収の低下」、「やる気の低下」、そして「消費の低下」だったように思います。めぐりめぐって、さらに経済の傷跡は深まってしまった・・・。
経済アナリスト:藤原直哉氏の最新書『世界同時株大暴落』には、1970年代の不況について、あの時は、銀行が融資をして、企業を助けた。また企業は、労働者にきちんと賃金を払った。結果、社員はやる気を持ち、生活もできた。企業も設備投資ができ、新しい技術・商品を生み出した。消費者は、その新しい商品を購入することができた。これにより、黄金の1980年代を迎えた」という内容を書いています。
今になって「そうだったのか」と、自分自身の不勉強さを恥ずかしく思います。なぜかと言うと、1980年代の私は、証券会社の社員でした。まさにバブルの絶頂期。この当たり前の好景気が、1970年代の大変な苦しみと見事なリーダーシップによって得られたものとは全く知らず、ノンキに「株が上がった、上がった」と喜んでいたわけです(ああ、恥ずかしい・・)。
でもそうすると、現在はその時と全く逆の状態であることがよく分かります。国民の年収が下がれば、当然消費は上向きません。やる気も落ちるでしょう。その上、年金や不正などの不祥事、不信感。富める者と富めない者との格差も広がり、ますます社会は乱れ、全体が不調和となる。なかなか厳しい現状が見えてきます。
ただ、活路は十分あると思います。「行き詰まり」は「変化」の兆しですので、この時代の流れに抵抗せずに、完全に身をまかせていけば、近々全く新しい景色の場所に出られるはずです。その新しい景色の場所にふさわしい人間であったり、ふさわしい技術や商品を持っていたりすれば、その場所に必ず流れつくと思います。どのようなルートで行き着くかは分かりませんが・・・。滝もあるでしょう、急流もあるでしょう。でも、きっと流れ着く。問題は、その新しい景色の場所にふさわしい人間とは一体どういう人間か・・・、ふさわしい技術や商品とは一体どういう技術や商品か・・・、ということです。
まだまだ、やるべきことがたくさんあるというのが、結論です。