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良い混迷を

日銀の次期総裁が決まりそうもない状態ですが、この際とことん混迷を極めた方が、第3の道あるいは新しい発想が出てくる可能性があると思います。思い切って、前例が無い世界に飛び込んでいくのも、いいかもしれません。落とし所が見えない政治というのは、案外ダイナミックで、本質的・抜本的見直しに繋がります。そもそも、どのような人物が日銀総裁に相応しいのか・・・この根本的な問題まで回帰することになれば、多少の混迷は「良し」ではないでしょうか。
ねじれ国会(という言い方自体、おかしいのですが)は、混迷とセットに、物事や問題の本質を洗い出す役割を持っているはずです。表面的な調和を後回しにしてでも、根源的な問題提起をあぶり出し、モメにモメる。いいことだと思います。ここに触らない限り、いつになっても、本質的な調和はやって来ないでしょう。だから、与党も野党もマスコミも、安易に、その場しのぎに、「いいところ」で手を打つことなく、お互いが政治生命をかけて、とことんぶつかり合って欲しいですね。すぐにベストな答えは出ないかもしれませんが、そのプロセスこそが、生きた政治の証だと思います。そのようにして混迷が深まるなら、まだ希望が持てます。
ところで、チベット騒乱はどうなるのでしょうか。フランスの外相は、北京オリンピックの(開会式の)ボイコットの検討が必要だと話しています。8月まであと5ヶ月間もありますので、もしこの騒乱がまだ拡大するようだと、国際的な問題に発展していくのでしょう。今、あらためて世界地図を見てみると、テロや内乱の全く無い国や地域というのは、本当に限られているように思います。真にオリンピック開催国に相応しい国家など、数えるほどしかありません。そのような意味において、様々な問題があるにせよ、日本という国の「お国柄」は、希少な存在であると思います。
数千年をかけて西方から伝来してきた文明や智慧が、極東の日本で、いま静かに息づいているとすれば、これからのリーダーは日本であるべきです。その自覚を持って、現在の混迷を打開するエネルギーを人々は求めているのかもしれません。それは、日本人のみならず、世界中の人々の潜在的な願いなのです、きっと。さて問題は、その願いに応えられる人物たちがいるのか??ということです。ここが見えてきたら、ガラッと世の中が変わるでしょう。そこに期待です。
※今、読んでいる本
くうかい.bmp
空海の風景〈上〉
(中公文庫)
司馬 遼太郎 (著)
弘法大師・空海が、今生きていたら、何をしたでしょうか。煩悩を肯定し、脳力と潜在意識を高めることによって、即身成仏(生きている間に、幸福になる=思いを実現する)するという発想は、案外、現代人に素直に受け入れられるような気がします。本の上巻では、密教を学びに長安に行ったところまで。下巻が楽しみです。読んでいると、あらゆる文明や智慧が、中国やインド、そしてもっと西方から伝来していることが、よく分かります。日本は様々な文化を包み込む力があるのだと思います。