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3分の2条項について

3分の2条項の乱用が続いてます。1月の「新テロ特措法」、4月の「ガソリン税の暫定税率維持を盛り込んだ租税特別措置法改正案」、そして5月の「道路特定財源を10年間維持する道路整備財源特例法改正案」・・・すべて、与党など3分の2以上の賛成多数で再可決されました。しかしながら、この3分の2を得たのは、3年前の郵政選挙であり、「郵政民営化に賛成か反対か」という、(言い方は悪いですが)一種のアンケート結果によってでした。その後、昨年の参議院選挙で、与党は惨敗しました。
『現在、衆議院で3分の2を得ているが、直近の国政選挙において、与党は負けた。ならば、現在の国民の声は、3年前とは打って変わり、与党を厳しく批判していると見なくてはならない。よって、参議院の結果を「国民の声」として重く受け止め、その考え方を深く受け入れていく必要がある。よって、国民の声を無視する結果となるであろう「3分の2条項」の使用は、「禁じ手」とし、絶対に使わない。その上で、お互いに徹底議論をしていこう。もし、それが暗礁に乗り上げたら解散総選挙を行い、今一度、国民の審を問い、勝った側が正々堂々と政策を全うしていけば良い』・・・こういう決断を、前首相と現首相にはして欲しかった。
今の状況で、3分の2条項を使うことは、一種の独裁政治のようなものだと、素人ながら思うのです。「ルールどおりだ。何が悪い」という考え方もできると思いますが、必ずしもルールは万能ではありません。人間は基本的なルールの上に立って、本来の役割を果たしていくことが大切だと思います。・・・今思い出しましたが、昔こういうことがありました。
1984年のロサンゼルスオリンピックで、山下泰裕選手は軸足右ふくらはぎに肉離れを起こしてしまった。しかしながら、決勝で当たったエジプトのモハメド・ラシュワン選手は、山下選手の右足を狙わずに戦った。結果は、山下選手の金メダルだったが、皆はモハメド・ラシュワン選手のフェアプレーを称えた。
「ルールを守れば、何をやってもいい」・・・こういう考え方を「卑しい」とする文化が、かつての日本には(もちろん世界にも)ありました。今は、政治がこういう状況です。子どもたちの精神への影響の方が、むしろ心配です。
※独裁の末路
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ヒトラー~最期の12日間~
製作年 2004年
製作国 イタリア ドイツ
原題 DER UNTERGANG
時間 155分
監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
ヒトラーと側近たちの最後の12日間を描いた映画。ヒトラーも側近も、最後は自ら命を絶つわけですが、ある側近の夫婦の場合、自分たちの3人のカワイイ小さな子どもたちに、寝る前に(うまく、ごまかして)睡眠薬を飲ませ、寝静まったのを見計らって、子どもたち一人ひとりの口の中に錠剤を入れ、(頭とアゴを両手で挟み、力を入れて)噛ませる。子どもたちは、そのまま静かに亡くなる。その後、2人は拳銃で・・・。かつての独裁政治の末路はこうだったし、そうであるべきだった。と同時に、そういう「覚悟」も持っていた・・・。もう、こういう時代に戻っては行けないですね。