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リーマン・ショック

前回のブログで、「TVを見ないようにしよう」という話をしましたが、その後本当に見なくなりました(もちろん、朝と晩の短いニュースや面白そうな特集くらいは見ますが・・・)。TVを見なくなると、新聞等でよくやっているアンケートや世論調査の結果に驚くようになります。どうして、この人が人気あるの!?とか、調査対象者が偏っているんじゃないの!?とか。今まで自分自身も無意識に、TVに映る断片・部分・表面に、随分誘導されていたんだということが、良く分かります。結局、TVはCMのみならず、番組自体が「宣伝活動」になっているので、これは仕方のないことですね。TV局の経営を考えれば、自ずと分かることです。それを理解した上で客観的に見ていければ、逆にいくらTVを見たって平気なのかもしれません。
さて、リーマン・ショックが世界経済に大きな影響を与えています。ところで、そもそもリーマンとはいったい何を生み出してきた会社なのでしょうか・・・。今は、人間が生きていく上で絶対的に必要な「衣」「食」「住」を実際に生産する地道な仕事よりも、モノやお金を動かしてサヤを稼ぐビジネスの方に富が集中しています。これは資本主義のシステムからいって、当然の結果だと思いますし、それによって私たちの生活も非常に進歩発展してきました。ただ、これが余りに行き過ぎると、最終的に人々の「日常生活」を犠牲にする恐れが出てくるということが、今起きている状況の意味だと思います。
今の若い人たちが、コツコツ生産する仕事よりも手早く稼げる仕事の方がカッコイイと思い、そのような分野ばかりに目が行ってしまうと、日常生活に不可欠な「衣」「食」「住」を生産できる優秀な人材が枯渇していく。それはとてもマズイことのような気がします。「実」を扱う人と「虚」を扱う人のバランスが大事ですね(当然、両方必要です)。今回のリーマン・ショックが方向転換のきっかけになるのかもしれません。
ただ一方で、農村で暮らす人々も増加しているそうです。多分(無意識かもしれないけど)、このような時代のアンバランスさを察知して、全体のバランス調整のために、自ら動き始めたのではないでしょうか。いつの時代でも、先駆者はいるものです。「建築」という、地球上で極めて長い歴史を持つ文化を伝承していくことは、ひとつの建設会社の役割というよりも、地域や国を超えて、文明として大事なことであろうと思います。今一度、社会の基礎である「実」に目を向けた風潮に立ち還れるように、私たちも建物の「生産」を続けながら、真剣に取り組んで行きたいと思います。