2009.05.14
「何か」を目指して
伊勢丹の吉祥寺店が閉店することに。地元、吉祥寺としては近鉄、三越に続く有名百貨店の撤退ということで、時代の大きな変化を感じます。特に伊勢丹のような「勝ち組」にも、今回の景気後退が大きく響き始めたのかと思うと、「100年に一度」という状況を再認識させられます。ただ、撤退することで空いた空間には、また別のお店やオフィスが入るでしょうし、またそこでは、今までとは違う「何か」が生み出されるはずですので、常に「CHANGEはCHANCE」ですね。どんな時代になろうとも、ビジネスの本質である「事業を通じて社会に貢献する」ことに向かって、絶えざる前進さえして行けば、必ず活路は見出せると思います。
とは言え、その絶えざる前進のことを、ついつい忘れてしまったり、疎かにしてしまったりするのが人間の弱いところで・・・だからこれからは、「上手」「下手」というよりも、少しでも前へ進む努力をし続けられるかどうかに掛かっているように思います。「より良くなろうとする欲」を持って、社員一人ひとりが自らの人間性を高めて、本当により良い商品とより良いサービスをご提供することに、毎日1mmの前進をしていく。こういう微細なことへの関心と行動が、いずれ大きなうねりに発展すると考えます。
一方、政治の世界では、小沢さんが代表を辞任しました。(良い悪い、好き嫌いは別にして・・・)大政治家の時代の終焉だなと感じます。かつての善悪兼ね備えたダイナミックな指導者の時代は、もう戻ってこないのでしょうね。そう考えると、何となく寂しいような気もします。もしかしたら、この国の難局を乗り越えるために必要不可欠な豪傑たちを、与党も野党も、みすみす失っているのかも・・・。でも確かに時代が変わったのも事実。これからは、みんなが固有の能力を持ち寄って、共同作業で切り開いていく時代に。そうとなれば、全人類一人ひとりに、何かしらの役割と共に責任が生まれます。
特に、経営者の責任はさらに重くなっていくのでしょう。中でも「教育」という部分への責任が、日に日に大きくなっていくように思います。社員さん一人ひとりの人間性が高まって行かないと、いかなる商品やサービスも本物として完成しないからです。そういう意味において、これからの企業経営は、目に見える論理的な面と、目に見えない非論理的な面の両方を扱っていくことになるはずです。
丸二の企業理念である「ありがとうございます」は、まさに非論理的なもので、雲を掴むようなものです。ただ、この理念があるおかげで、(本当に時間は掛かりますが)これからの時代に必要とされる「何か」を与えられているように感じます。例えば、ここ一週間の出来事ですが、入社してまだ数年の若い営業社員さんが、自身が担当している工事の地鎮祭で司会を務めた後、感極まって涙があふれ出てきたのです。なぜでしょうか・・・。そこには、仕事を超えた何か・・・お客様への純粋でとても強い感謝の念があったからではないかと思うのです。これは、非論理の世界です。
また昨日、リフォーム工事をさせていただいたお客様から、「(感激して)涙が出そうになりました」というお言葉もいただきました。これが・・・何と言いますか、私たちが目指している「何か」なんだろうと思うのです。実は他にも紹介したい出来事はありますが、とにかく今の私が言いたいことは、「これが仕事の本質なんだろう」ということです。ここに、今回の「100年に一度」に対する突破口があるのではないかと。時代が変わり、新しい価値が生み出させるタイミングの中で、私たちは、一人ひとりが人間としての成長を遂げながら、自身の能力にさらに磨きをかけ、建築という分野において社会に貢献していく。その揺ぎ無い信念を、さらに強くしていく。日々1mmずつ。まだまだ未完成で未熟な私たちですが、このような想いを持って、前向きに努力中です!!