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環境を守る責任

2016年のオリンピックが、ブラジルのリオデジャネイロで開催されることに決まりました。東京開催を推進してきた方々にとっては、とても残念な結果だったと思いますが、未だ南米大陸での開催が無かったことを考えると、良かったのではないかと感じます。これで、五大陸の5つの環が本当に結ばれたわけで、オリンピックの精神としても、良い形が出来たのでしょう。ぜひ、素晴らしいオリンピックになるよう心から期待しています。
ある意味、もう東京のような近代都市の時代はピークアウトしたのかもしれません。東京は「環境」をテーマにして招致をしていましたが、環境のことを本当に強く語れる資格を持った国や地域は、実は南米大陸であり、アフリカ大陸であったはずです。もしろ東京(日本)は、今まで環境を守ることと引き換えに、戦後復興の経済成長を優先させてきたのですから、立場が逆のような気がします。鳩山総理が二酸化炭素25%削減を約束したのは、そういう経過に対しての(先進国である)日本の責任としてであり、環境を売り物にしようとしたのではないはずです。
今回の招致活動で、都は150億円(それ以上かもしれません)を使ってしまいました。もし本当に地球環境を守ることを理念とするならば、南米のような長きに渡って自然環境を大事にしてきてた地域を、むしろ積極的に応援した方がよかったとさえ思います。150億円以上と言う税金も、もっと本質的なことに使えたかもしれません。オバマ大統領が自ら乗り込みながら、シカゴが最下位になったことを見ても、世界の勢力地図はすでに大きく変わっているのです。
日本は、助けるべき相手を間違えてはいないだろうか・・・。本当に環境を大事にするのであれば、経済成長よりも自然環境を残すことを優先させた国や地域を尊敬し、そこに対する物資的、精神的な支援をしていく方がいいのではないでしょうか。遠回りのようですが、結果的に、日本の発展に繋がると思います。でも・・・いま動いている一つ一つの歯車を一回止めて、逆方向に回すのには、相当なエネルギーと時間が必要です。ですので、あせらずゆっくり、この静かな変化を見守りつつ、自らもこの静かな変化に参画していきたいと思います。
※静かなる巨匠、ジュリーニ
ジュリーニ.bmp
もう亡くなってしまいましたが、イタリアにジュリーニという指揮者がいました。残した録音も多く、たくさんのファンがいます。私も最近になって、数枚のCDを聴くようになり、とても好きになりました。何が違うのだろうかと思うのですが、音楽がとてもゆったりとして、深くて、静かで、温かい。そんな印象です。イタリア人と言うと、陽気で弾けるようなイメージがありますけど、ジュリーニはちょっと違いますね。見るからに紳士ですし、穏やかです。音楽もそのような印象と重なります。特に良かったCDは、ブルックナーの交響曲第9番、フォーレのレクイエム、モーツァルトのレクイエム、ベートーヴェンの交響曲第9番です。ブルックナー以外は合唱が入っている曲で、歌の心を大切にしているジュリーニの良さが出ていました。例えば、二つの「レクイエム(死者のための鎮魂曲)」も、普通は暗くて、悲しい音楽となるのですが、ジュリーニで聴くと、とても穏やかで優しくて温かい。細かいところにこだわるというよりも、全体の流れを大切にしていて、聴く人の心に、何かプラスの思いを残そうとしているような感覚を受けます。うまく言えませんが、そういう人です。こういう時代だから、こういう人がいいのです。