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堰を切る

トヨタがアメリカで380万台のリコール。日本の超一流メーカーも、昨年のリーマンショック以降、次々と大きな問題に直面しているようです。そもそも企業があまりにも大きくなりすぎて、一転流れが変わると、こんなにまで制御不能に陥ってしまうのでしょうか。お客様に本当に良いサービスや良い商品をお届けすることが真の目的であるならば、行き過ぎた拡大路線は、このように信用を落とす結果を招く可能性があるわけで、結局のところ本末転倒になってしまう・・・。そのような、今までの行き過ぎた経済の動きに対するある種の戒めが、様々な形として現象化しているのが「今」だと感じます。
また昨日は、広島県鞆の浦の埋め立て架橋事業の差し止めという判決が出ました。鞆の浦は、宮崎アニメ「崖の上のポニョ」の舞台となったという素晴らしい景勝地とのことで、今まででは考えられなかった判決となりました。八ツ場ダムの中止問題にしても、テレビでは「中止反対」の住民のみを追いかけていますが、実際には「中止賛成」の声の方が大きいそうです。景観を守る、自然を守る。少々不便でも、そこに良さを見つけ、前向きに共有していく。その先に、観光立国という日本が真に目指すべきビジョンが見える。そのような考え方は、確かに以前より強くあったはずですが、利潤追求の勢力の前では弱者でした。
でも・・・流れが変わってきました。ダイア建設が分譲した新築マンションに住んだことで、シックハウス症候群(化学物質過敏症)になってしまった女性が損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁はダイア建設に、3600万円の支払いを命じました。建材で健康被害が認められる時代になったのです。これも今まででは考えられなかったこと。いま、何かが急激に変わり始めました。しかも、良い方向へ・・・。
今までの、このような理不尽さに対して、真面目に前向きに取り組みながらも、なかなか現実の壁にぶつかって諦めざるを得ない状況に陥った個人や中小企業が多々あったと思います。でも、いよいよ動き出しました。物事は、動き出すまでは本当に時間もエネルギーも掛かります。相手が巨大であればあるほど、なおさらです。そこで大体は諦めてしまいます。でも、一端流れが変わって、動き始めると、堰を切ったような激変が始まります。
これからの2~3年は、今までの20~30年に値するくらいの大変化になるのではないでしょうか。その変化に対応できるかどうかは、むしろ今までどのくらいの準備をしてきたかで決まってしまうように思います。これから起こる大変化の先の社会に照準を当てて、その時代に必要な技術、商品、ノウハウ、人材を準備する。丸二も、この10年~20年で苦労しながら身につけてきた様々な技術、工法、ノウハウ、ソフトを、今後もさらに磨き上げ、この大変化の先を目指して行きたいと思います。