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三浦カズ選手のコラムから

私は、サッカーよりも野球世代だったので、サッカーのことをあまり詳しく知りませんが、最近のワールドカップでの日本代表の活躍等を見ていると、それなりに関心を持つようになっています。今朝の日経のスポーツ欄に、三浦知良選手のコラムがあり、何となく読んでみると、なかなか面白かった。
要約すると・・・「今でもサッカーの中心は欧州であり、あえて日本代表の監督として、積極的に欧州から離れる理由はない。異文化では、その土地に合わせた指導が必要で、監督がスペイン人になったからと言って、スペイン代表のサッカーができるわけではない。日本では、ボード上で戦術を語れる人が優れた戦術家だと見られているが、アルゼンチンのメッシ選手のドリブルの前に、多くの戦術は無力だ。ブラジルはピッチ上での表現を大事にする。ボールは人間より速く、人間はボールより速く走れない。」
「人間はボールより速く走れない」・・・この真実の言葉は、とても示唆に富んでいると感じました。何か、そのような一種の道理のようなものを忘れているから、様々な物事に狂いが生じる。その結果、(最近の最悪な例としては)相撲協会の現状があるように思います。
野球と違いサッカーは、個人個人の瞬時のプレーの連続で成り立っていて、野球のように監督やコーチからのサインを見て動くというような管理型スタイルではありません。まさにこれからは、ブラジルサッカーのように、ピッチの上で、個人個人が自らの直観と判断と技術によって(それを信じて)、お互いに息を合わせてゴールを狙う時代なのでしょう。監督やコーチは、そういう場(ステージ)を造ることと、人を造ることが本来の仕事になるのではないかと感じました。
さて、実はそれよりも驚いたのが、このコラムの冒頭に「2014年ワールドカップを目指している僕にとって・・・」という一文あったことです。三浦カズ選手は、まだ夢を諦めていない。どのような経緯があって、今までワールドカップの代表に選ばれなかったのか・・・実際の事はよく知りませんが、この年になっても「可能性がゼロでない限り」夢を諦めないという姿勢と勇気に、心から拍手を送りたいと思います。
そのような意味において、実際にワールドカップに出場できた選手と、出来なくても強く夢や信念を持ち続けている選手と、人間的成長という観点から見て、一体どれほどの差があるのだろうか・・・。三浦知良選手の夢が実現するかどうかは分かりません。でも、何かそこには大切なものがあるように感じました。