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温かい志

日経新聞のスポーツ欄に三浦知良選手のコラムがあって、たまに目を通すと、必ずいつも何か心地よい気持ちになります。先日の記事では、岩手の被災地を回って、子どもたちと一緒に遊び、「うれしい」「楽しい」時間を共有したことが綴られていました。その中で、「こちら側でできることをしよう」「こちら側の僕たち自身も変わっていかなければ」という印象的な言葉がありました。
「こちら側の僕たち」は、「(向こうの被災地に)何かをしてあげたい」と考えます。でも、それ以上に「こちら側の僕たち」自身が変わることの方が大事・・・。それはきっと巡り巡って、東北を救い、日本を救うことになる・・・私もそう思い、そして共感しました。確か以前も、この三浦知良選手のコラムに感銘を受けたことがありました(特別、サッカーファンではないのに・・・)。
多分、何か温かいものを感じたからだと思います。温かくて優しい目を。スポーツも人生も、結局勝ち負けや成績だけでなく、そこには(もうひとつ)心の世界が同時に流れていると感じます。そして最後は、心の世界の方に比重が移って行くと思います。今回の震災では、何かその比重の移動が一気に進んだような感覚があります。震災まで光り輝いていた人が震災後からフェードアウトしていくこともあるでしょうし、その逆もあるでしょう。すべての転機がやって来たと思います。
また今日の新聞に、ソニーの元社長の大賀典雄氏が81歳で亡くなったとありました。大賀氏と言えば、「バリトン歌手」「指揮者」で「ソニーの経営者」という異質の経歴の持ち主で、特に指揮者カラヤンとの親交が深く、CD(コンパクトディスク)の開発の成功も大賀氏とカラヤンの2人の力が大きかったと聞いています。
例えば、CDの記録時間の長さは「ベートーヴェンの第9が一枚に収まるようにしよう」という理由で、約70分になったという話は有名ですが、これもこの2人が相談して決めたことです。カラヤンの指揮者(音楽性)としての評価は、必ずしも高いものではありません(と、私は思ってます)が、やはりCDの開発、そしてクラシック音楽の世界的普及には大いに貢献しましたし、その技術的なパートナーとしての大賀氏(ソニー)の存在も大きかったと思います。
このように日本の技術や日本人の人間性は、本当に素晴らしいものがあります。その根底には必ず何か「温かいもの」が流れているようにも感じます。それは(仕事を通じて)世のため人のために貢献したい気持ちがどこかにあるからではないでしょうか。そのような「志」が、一人ひとりの人生の動機になっているからこそ、どのような大きな困難が来ても、必ず日本は再生し、復興し、今まで以上の成長を遂げていける思います。私たちも、大いなる「志」を持って、建築業を通じ、もっともっと世の中に貢献しようと思います。