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さいわい

社長業15年目に入りましたが、昨年3.11以降の大きな「うねり(のようなモノ)」の感覚は初めてです。「変化」というよりも、むしろ「上書き」という方が合っているような気がします。全部、過去のことはキレイに消去されてしまい、まったく新しい「情報」に入れ替わるというイメージです。今までの常識が通用しなくなる時代がもうすぐやって来るのでしょう。このようにして、世の中が「リセット」されて、私たちも自然に「リセット」できます。だから、(先のブログに書いた通り)今が苦しい人ほど、懸命に生き続けようとする限り、「さいわい」に成るのだと、あらためて思います。
宮澤賢治には今の時代を生きて欲しかったと思います。もしこのような「うねり」の時代の人であれば、間違いなく「超さいわい」の人生を体験出来たはずだからです。でも、宇宙創生の時間軸から見れば、100年や200年位の差など、ほんの僅かな誤差レベルでしかありません。だから私たちは、「さいわい」なのです。「今」という時代に、ピンポイントで生まれて来た訳ですから。多分、ゴルフのホールインワンを100回連続で達成したほどの確率ではないでしょうか。この宇宙や自然界の成り立ち、法則、規律、真理を知った上で、身ひとつで「上書き」の瞬間を体験していく。そのために、私たちは「今」をワクワク生きているのです。
建築の世界も、何か違う発想が求められているような気がしてなりません。東北の復興に関しても、今までと同じ発想の街づくりや建築様式では、結局同じことの繰り返しに成るように思います。今後は、(地球規模的に)災害が巨大化してくると予測されています。「3.11の地震で大丈夫だったから、もう安心」と言う訳には行きません。人々の「生命と心を守る」役割としての住居という発想への「重心移動」が、いよいよ加速して行くでしょう。毎週のように、地震が起きる時代がすでに来ているからです。
そのような視点で、建設業の行く末を見て行くと、なかなか興味深いと思います。丸二も現在、おかげさまで昨年以降、お客様からの依頼件数が非常に増え始め、今まで以上に、鉄筋コンクリート造、高強度の伊勢神宮御遷宮ひのき(加子母ひのき)住宅、鉄筋コンクリート造+木造のハイブリット(混構造)住宅、コンクリート住宅の外断熱仕様、鉄筋コンクリート造の賃貸併用住宅、古い木造住宅の建て替え、耐震改修、老朽化した部分の修繕や補修等が多い状況が続いています。いよいよ新しい時代への備えという意識が、動き出したのでしょう。
これからは「生命を守る」がキーワードに成ると思います。それは、文字通り「命」を守るという面に加えて、「心」を守るという面もあります。それには、新しい時代に相応しい「人間性」を持つということ以外に無いと思います。自らの良心に従って生き、安易に何か(他者)に依存すること無く、本当の真実を知ることによって「自力」を付けること。今まで良心的に生きて来た人や会社が、いよいよ「さいわい」に成る「上書き」が始まります。