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温かい社会へ

少子高齢化が問題に成っています。若い人が少なく成ると、未来の社会を支える力が不足するからです。国としても少子化対策を行っていますが、その効果が出るのには相当な時間が掛かるでしょう。そう考えると、逆に高齢化社会が生かされるような時代を造って行くことも面白いと思います。
つまり、個人の「実力」が歳を追うごとに上がって行く仕事を見つけることです。働き盛りのピークが60代とか70代、あるいは80代の仕事です。例えばアーティストや芸術家はそうですね。指揮者も60代はまだ若手です。国民が高齢化するほど、実力が上がる国を造るのです。それはきっと健康と長生きも同時に実現できるかもしれません。歳を追うごとに、認められ、評価され、必要とされる社会に成れば、人はもっともっと元気に成ると思います。
そう考えると、建設業は宝の山です。建築技術者が日々の仕事から得ている経験量は、本当に凄いものが在ります。歳を追うごとに技量レベルも上がって行きます。体力的な問題さえ無ければ、年齢的なピークは無く、どんどん右肩上がりです。このような貴重な「智慧」を生かさないのは、社会の損失であり、国家の損失です。
この業界に身を置いて常に感じるのは、ベテランに成れば成るほど「素晴らしい」と言うことです。政治の世界のように、若い世代への刷新が必要なところも多いですが、逆に「年輪を積み重ねたからこそ発揮される智慧」を生かす社会システムも重要だと思います。そのような智慧者を「尊敬する心」が、(逆に)若い世代を育てることに成ると感じます。
建設作業は「自然」が相手です。自然界は未来永劫変わらないものです。であるならば、私たち建設産業人の本質も変わらないはずです。新しい技術やテクニック論はもちろん変化して行きますが、建設作業の原理原則は変わりません。だから、ベテラン建設人の智慧は偉大なのです。私は今48歳ですが、もっともっと多くのベテラン建設人の先輩方と仕事をして行きたいと思っています。確かに柔軟で新しい発想は若手に軍配が上がりますが、建設作業に最も大切なのは「基礎」です。私も基礎を学びながら、新しい発想を目指して行きたいと思います。
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映画「狼たちの午後」
上記の内容とあまり関係ありませんが、最近ブルーレイで観て、あらためて感嘆した映画「狼たちの午後」です。確か中学生の頃に2本立てで観たような記憶があり、その時、ものすごく面白かったという印象がありました。それから数十年振りでしたが、またまた本当に面白かった。「ゴッドファーザー」出演直後のアル・パチーノがとんでもない銀行強盗犯を演じています。実際の事件を再現した物語なので、とてもリアリティーがありながらも滑稽な面もあり、最後までドキドキワクワクしました。このように映画や小説は、時に犯罪や事件を題材にしますが、それは全ての人間の持っている「孤独」にフォーカスするためではないかと思います。この映画の主人公も孤独です。そして私たち人間も、皆「一人で生まれて、一人で死んで行く」孤独の面を持っています。だからこそ、力を合わせて温かい社会を作り、お互いを尊重し合うことを大切にするのだと思います。人が歳を追うごとに評価され、尊敬される社会は、きっと温かい社会だと思います。