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北極星への道

「昨日4月5日の東京株式市場は、出来高が64億4912万株と過去最高を更新し、前日比199円10銭高の1万2833円64銭と3日連続で上昇。4年7カ月ぶりの高値水準となった。」
私の前職は証券会社でしたので、出来高64億株という数字がいかに物凄い商いの量であるか判ります(当時のバブル時でも20億株台だったと記憶します)。当時は取引所内で、大勢の場立ちが手でサインを送りながら、売り買いをしていました。商いが多い日の盛り上がりは(それはそれは)大変なもので、出来高20億株を超えた日などは、当然株価も高騰し、取引所内も異様な興奮状態に包まれ、あちらこちらで拍手と歓声が湧き起こり、ある種の興奮状態でした。日々、投資家にもそのような(取引所の)熱気が伝播し、株価は更に上昇し続け、遂にバブルが発生しました。後にそれは終わってしまうのですが、日本経済が最も光り輝いていた良き時代だったのは事実です。
現在の取引所は全てがシステム売買に成り、もう場立ちの姿はありません。人間の手では無く、機械ですので、64億株も楽に処理できるのでしょう。静かにで効率的で合理的に成りました。けれどもそこには、あの時代の「熱気」はありません。バブル自体に対する見方は様々ですが、あの時、あの場所で、確かに日本は「元気」を創造していたと思うのです。
あらゆるものが効率的、合理的に成り、物事は早くて楽に成りました。便利に成ることで、人々の暮らしはきっと良く成るはずだと。けれども便利と引き換えに、同時に何か大切なエレメントも喪失してしまったような気もします。例えば、連日、証券取引所を包み込んだ「熱気」もその1つでしょう。アベノミクスと日銀の金融緩和政策によって、日本がデフレからの脱却を目指す中、市場が良い反応し始めています。これを発展的に持続して行く為に必要なことは、日本人一人ひとりの気持ちが、前向きに成り、元気に成り、勇気が出る、そういう「気」を創造することではないでしょうか。
いま私たちに必要なのは、「明るい気」です。目指すべきは「北極星」です。「決して手は届かないけれど、あの光り輝く星を目指して行こう」とするワクワクしたビジョンです。北極星とは、常に北天の中心に在る、決してブレない(目指すべき)光点です。そこへ向かう「気」の伝播こそが、日本人の底力を復興させ、(そしていつか必ず)あの北極星のように世界を照らすことを実現するでしょう。北極星に向かって歩いて行こう。世界を照らす場所へ行こう。日本人の潜在意識が、そのような精神の復興によって、一致団結するように思えて成りません。
あの東日本大震災と共に、日本の大地と海は大きく振動しました。けれども、その振動が最も揺らしたかった対象は、私たち日本人の魂だったのでは無いでしょうか。日本人の魂は、共に協力し合う「共認」によって、再び光り輝きます。そこが西洋の個人主義とは違うところです。「みんなで良くしよう」とする共認の和を増幅させることで、震災の傷跡を再生の力に変換する。だからこそ、みんなを照らす北極星に成ろうと。自分だけが良く成るのではなく、みんなで良く成ろうと。そういう意識の方向性が明確に成った時、日本人の「気」は(一気呵成に)一体化すると思います。そしてその力は世界へと伝播して、きっとそこから新しい(熱気に満ちた)社会が始まると思います。だから先ずは、自分自身が北極星に成ること。まわりの人を照らすこと。その総和が、きっと世界を変えると信じて・・・。