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恵みの森づくり

5月11日(土)~12日(日)、加子母に行き、岐阜県主催の「恵みの森づくりフォーラム2013」に参加してきました。本事業の後援は、坂本龍一さんが主宰する森林保護団体「一般社団法人モア・トゥリーズ」で、シンポジウムには坂本龍一さん、TBS「サンデーモーニング」でおなじみの造園家の湧井雅之さん、フリーアナウンサーで岐阜県中津川市出身の草野満代さんが登壇され、日本の山や森をいかに守って行くかについて、熱くも楽しい討論が繰り広げられました(会場は満席、立見状態でした)。
モア・トゥリーズの坂本龍一さんが日本の森づくりの動き出し、あの3.11を通過した後、昨年モア・トゥリーズと加子母森林組合は連携を決めました。それから一年が経ち、今回は全国にある「モア・トゥリーズの森」の(記念すべき)第1回サミット開催のために、(その会場と成った)加子母にやって来たのです。その一環で上記のシンポジウムも行われました。
われらが加子母森林組合の内木組合長も、本シンポジウムにて事例発表を行い、加子母の山づくりを紹介いたしました。「美林萬世之不滅」の理念の下で、4世代複層林の山づくりを目指し、どの世代でも山の経済が循環する仕組みを実現する。森に光を入れることで、生態系が蘇り、草や花や昆虫が住む美しい森をつくる。これが完成するにはあと50年掛かるが、そういう大きな夢を持って次世代へつなげて行きたい・・・。
国土の面積に対する森林の割合を比較すると、日本は世界第2位(1位はフィンランド)だそうです。しかも様々な種類の木々による生態系を維持しているのは世界で日本だけとのことです。日本はまさに森(木)の国なのですね。私たちは自然界、とりわけ森や植物たちのおかげで生きている(生かされている)ことを忘れがちです。だとすれば、やはり世界一の森林国である日本から、自然との親和性を取り戻して行かなければならないのでしょう。林業の活性化や地球環境の保全という(人間側の)目的の裏側には、このような自然信仰という側面もあるように感じます。だから、このような運動は日本から始まらなくては成らなかったのです。
13日(日)の朝、地元の中日新聞の朝刊の1面トップに、伊勢神宮に関する記事が大きく載っていました。「神宮、英語でもJingu」という大見出しで、伊勢神宮は今回の遷宮を機に、「神宮」を「Shrine」から「Jingu」に、「神」を「God」から「Kami」に表記を見直します。つまり、日本語のまま世界共通語に定着させることにしたのです。確かに神宮とShrineは違います。神とGodも違います。今までは、世界共通語の英語に合わせていましたが、柔道(Judo)や忍者(Ninjya)、あるいは改善(Kaizen)やもったいない(Mottainai)のように、日本オリジナルの意味を持った言葉(言霊)として貫くのです。これは大賛成です。「神宮」とは、まさに自然信仰の象徴です。そのようなオリジナルな文化を再生しようとする日本が、国土のほとんどを覆う森(大自然)を再生させようと歩み始めたことは、全く自然なことであり、必然なことだと思います。
ですので、このような森を守る運動のベースには、自然信仰の本質である「感謝」が無ければ成りません。自然界のおかげで生きている(生かされている)ことへの感謝の心を持ち、その自然界を(可能な限り)守って行く。その動きと森の経済を連動させ、いつまでも安心して森を守って行ける仕組みを造り上げる。そのような大きな流れの一部として、丸二も加子母の山づくりを(微力ながらも)コツコツと継続して行きます。内木組合長のお話には、未来や次世代(子どもたち)への大いなる夢がありました。夢は夢で終わるかもしれない。でも夢を見なければ実現しない。私たちも(加子母さんと共に)夢を見て、それを実現させる道を(一緒に)歩んで行きたいと思います。