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遷宮と創立60周年

少し前ですが、パキスタン南部で大きな地震があり、海上に小さな島が出現しました。ニュースで現地の人達が上陸している様子が映し出されていましたが、映画やアニメでしか見たことの無い異変がこのように数多く起こって来ると、いよいよ世界全体の問題として、取り組んで行かなければ成らないと感じます。今後は海面の上昇が起こると予測されており、これはまさに各国共通の危機に成るはずです。日本の3.11の津波が、その警告に成ったはずですが、それでも防災対策の歩みはなかなか進みません。結局、国も個人も、経済的な問題があるので、景気対策や財政改善を先行せざるを得ないのが実情です。同時に、不況は戦争やテロを誘発しやすいので、防衛対策も並行して行かなければ成らないでしょう。おそらく戦後最大の難題に直面する世界を、私たちは目撃するのかもしれません。
けれども、そのような大きな歴史的な転換と共に、私たちの日常は淡々と前に進んでいます。日本に限って言えば、確かに厳しい社会情勢ですが、戦時中の暮らしに比べれば、本当に天国のような世界です。懸命に(努力して)生きて行こうとする限り、道はあるからです。他の国には無い(何か)根源的な強固な基礎(基盤)が横たわっているような気がします。そう捉えれば、地球規模的な難題に向かうことが出来る国は、日本をおいて他に無いと思います。ケネディ大統領の長女であるキャロライン・ケネディ女史が駐日大使として赴任されることに成りましたが、ケネディ女史は「日本以外の赴任は考えられない」と発言されたそうです。私たちが知らない「日本」という国が存在していて、世界が「日本」と言う国に、「何か特別なもの」を期待しているように思えて成りません。その力に成れるのなら、人生を掛けてでも日本に行きたい。「尽くしたい国は日本だけです」とケネディ女史は述べたそうです。私たちは、本当の日本を知らないのかもしれません。
偶然にも伊勢神宮と出雲大社の遷宮が重なった年に、2020年の東京オリンピック開催が決まり、キャロライン・ケネディ女史の日本赴任も決まりました。先日は被災地東北の楽天が優勝を決めました。10月の2日と5日には、伊勢神宮内宮と外宮における「式年遷宮」のクライマックスである「遷御(せんぎょ)の儀」が無事に営まれました。そして今、加子母の神宮備林から切り出された神宮ヒノキが、伊勢の地で美しい姿を現しています。2013年の日本は、このようにして、新しい何かを生み出そうとしている様です。そして私たち丸二も、昨日(10月8日)、おかげさまで創立60周年を迎えることが出来ました。これもひとえに、お客様、地域の皆様、関係各位、そして社員みんなのおかげです。心より感謝申し上げます。人間で言うところの還暦に当たる60年を無事に迎えることが出来ましたが、伊勢神宮の遷宮と同じ年と成り、そこには特別な思いがあります。
最近、伊勢神宮がTVで良く取り上げられています。今年の参拝客数は過去最多ペースだそうです。遷宮には一万本のヒノキが必要で、今後はその確保が大変とのことです(加子母の山の素晴らしいヒノキがそれに貢献しています)。それから、遷宮の翌年は良い年に成るそうです。来年以降、世界の中で日本の位置(役割)はさらに重要に成ってくるでしょう。私たちは、戦後最大の難題に直面する世界を目撃しつつ、もしかしたら戦後最大の幸福を掴める可能性を有しているのかも知れません。それは決して物質的な幸福ではなく、きっと精神的な意味合いを含む幸福感のような気がします。私たち丸二も、新たな次の60年を築くために、懸命に人々の生命と生活を守る建築を創造し、日本と世界に貢献して参ります。ありがとうございます。