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遠い空から

今の世の中の流れは、非常に複雑怪奇で、正しい読み取りが難しく成って来たように感じます。インターネットやSNS等の普及で、昔よりも大量の情報を取得できるように成ったのに、結局中身がよく分からない。枝葉末節ばかりで、根っ子(本当のこと)が分からない。国会やTV番組でも、枝葉末節のみが取り沙汰されるだけで、一向に根本的な真因に行き着かない。情報過多によって、(逆に)日替わりの新しい枝(事件・事故)へと飛び回るばかりで、深く地下(真実)へと深耕する力が分散しているのかも知れません。木を見て森を見ずの状態に陥っていると感じます。
令和の日本にとって、最優先は(あらゆる意味で)国民の生命(安全)を守ることであり、その基盤の上での「財政再建」や「社会保障」だと思います。日本の政府や官僚は、基本的には(確かに色々な不祥事やミスもありますが・・・他国に比べれば)真面目に国民の生命を思い、諸外国との厳しい駆け引きを継続していると思います。私たち一般の国民には、本当に起きている事実(根本)は分かりませんし、当然明かせないことも多いはずです。それらを含めての全体性、あらゆる森羅万象(マクロ)の視点から、(世間の風潮のみを対象とせず)正しい判断を下して行って欲しいと思います。
また、今、人の命も自分の命も粗末にする事件が多いです。自分自身が造ったものでない生命(=預かりもの)を、自分勝手に傷つけるのは、最大の罪と思います。天からいただいた生命、天からいただいた肉体を(自ら)大事に(思いやりをもって)育てて行くことが、自分のことも、人のことも、共に大事にして行く道ではないかと思います。今の自分の目の前の世界だけ(ミクロ)の視点から離れ、「生きているのではなく、生かされている」という遠い空から(マクロ)の視点へと切り替えることが出来れば、不思議と状況は変わって行くと思います。
遠くから俯瞰する視点で物事を捉えることが出来れば、行くべき正しい道が見えて来ます。そしてその道を日々1mmの前進で、只々、懸命に歩むのみ。時間も掛かるし、遠回りかも知れない。けれども黙ってその道を行く経験こそが、人生最大の収穫と成ると信じます。それにしても・・・自分の人生なのに「自分の未来は分からない」とは不思議なものです。だから面白いし、楽しい。夢もある。まるで映画の様ですね。私たちも、常に大きな視点で物事を見て、素晴らしい未来へ向かって、今日も1mmの前進を続けて行きたいと思います。
※エルネスト・ブロッホ「祈り」/ソル・ガベッタ(チェロ)
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アルゼンチン生まれの女流チェリスト、ソル・ガベッタのCDを聞き、初めて、エルネスト・ブロッホという作曲家を知りました。ブロッホは1880年にスイスで生まれたユダヤ人で、ユダヤ教の典礼音楽や、ユダヤ人の民俗音楽を取り入れた音楽を多く作曲しています。このCDでは「ユダヤ人の生活から」の第1曲「祈り」、第2曲「哀願」、第3曲「ユダヤの歌」他が演奏されていましたが、とても素晴らしく、深く感動しました。ユダヤと日本は古来より不思議な縁で結ばれているとよく聞きますが、この曲を聴くと、確かに時空を超えた懐かしさ、遥か遠い古代の風を感じます。これからブロッホの他の曲も聴いてみようと思います。