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入江泰吉記念奈良市写真美術館

今回の奈良観光では、念願の「入江泰吉記念奈良市写真美術館」にも行くことが出来ました。入江泰吉(いりえたいきち)とは、1905年生まれの奈良出身の写真家で、生涯、大和路の風景や仏像などの写真を撮った方です。入江泰吉は「奈良は心象的に味わうべきだ」との言葉を残したそうですが、実際の写真を観ると、視覚だけではなく、聴覚、触覚、嗅覚にも訴えて来るものがあり、時空を超えた郷愁と情緒を感じました。そうです・・・私は、以前から入江泰吉の写真を観て、大和路への郷愁を感じていたのです。行ったことのない場所なのに、涙が出るような懐かしさを感じたのです。その時、私自身の大和路への憧れを自覚しました。

奈良公園の南側にある記念美術館では、ちょうど「没後30年記念/入江泰吉:万葉大和路とみほとけ展」が開催中で、入江泰吉の仏像写真と風景写真を多数観ることが出来ました。日曜日なのに来館者は数人です。その分、静かに、ゆっくりと、大和路の心象風景の中を歩くことが出来ました。

今回は、京都から奈良へ入りましたが、京都も奈良も同じ古都とは言いながら、全くの別物のようです。この違いは一体何なのか・・・。例えば、奈良は「神々の里」であり、京都は「文明の里」という感じでしょうか。大和路は人智を超えた(目には見えない)霞が掛かっている。入江泰吉の写真には、その霞が映っている。入江泰吉の写真集をもう一度、よく見てみようと思いました。