社長ブログ

加子母宇宙

10日(土)~11日(日)、第4回岐阜県・加子母森林ツアーを開催いたしました。心配された天気も、初日は晴天、二日目も雨が降る前にすべての見学を終え、とてもラッキーな二日間となりました。今回は20名のツアーで、加子母森林組合さんの取り組みや山や林業の現状を学びながら、パワースポットとも言える加子母の神宮美林を歩き、都会の喧騒から離れた場所で、自然との触れ合いを体感できたと思います。
歴史的に、加子母の山のひのきは、とても神聖なものであり、今でも伊勢神宮の御用材として有名です。しかしながら、そのような由緒ある森を護ることは、実際にはとても厳しく大変なことです。それでも、永きにわたり、この加子母の山が護られ続けているのは、加子母の人々たちの「森を護る。森・自然へ感謝する」という強い思いが、代々受け継がれているからではないかと、感じるのです。すべてが森を護ることと結びついている。それ以上のものは不要である。加子母にいると、そのような「気」を感じます。
それでも、私たちのような「よそ者」が来ても、懐深く受け入れていただき、歓迎してくださる。雨雲をちょっと避けてくださる。そのような「加子母宇宙」に対して、私たちは、一体どのような貢献が出来るのだろうと、ふと考えます。私たちは、適切な間伐をすることが、森を護ることだと知りました。しかしながら、だからと言って、むやみやたらに(当たり前のように)木を伐るのではなく、「人々の暮らしのために、使わせていただきます。ごめんなさい。ありがとうございます」と言う、強い強い畏敬の念と感謝の気持ちを忘れないことが大切だと考えています。
私たちは、今後も森林ツアーを続けてまいりますので、ぜひご参加ください。この二日間で、とても大切な何かを学ぶことができると思います。また、「家」とは「人生を造る場(宇宙)」のことを言います。人生を造る場に、どのような材料が使われているのかを、家主は知る権利(責任)があると思います。加子母の山に行って、ぜひ、その答えを見つけていただきたいと思います。
さて、参議院議員選挙が終わり、盛り上がったワールドカップも終わりました。短い期間で振り子が大きく振れたり、予測もしにくい時代になりましたが、これは大変化の兆しです。前向きに、楽しみながら、ジェットコースターに乗ることでしょう。いよいよ新しい時代が始まりそうで、ワクワクします。

変化を!

ワールドカップが終わりました。決してサッカーの国ではない日本が、あそこまで戦えるようになったのを見て、世界はきっと驚いたと思います。素人目から見ても、本当に日本代表は強くなりました。今までのような大物スター選手がいなくても、チームワークで勝つことができることを、岡田監督は証明したかったのかなと思います。もしそうであるならば、十分その目的は果たせたのではないでしょうか。
また、この大会で初めて本田選手のことを知りましたが、本当に真面目な勉強家なんですね。ずっと「サッカー日記」を付けていて、夢を持って、懸命に精進していたのだと思います。きっと家族、兄弟、親戚やまわりの環境のおかげもあったのでしょう。こういう人が、今後日本の政治の世界にも現れて、活躍してくれることを期待しています。
逆に参議院選挙の方は、あまり盛り上がっていないようです。今回は、消費税についての考え方が焦点の一つになってきましたが、二大政党の両方ともが増税を掲げなくてはならないほど、国の財政が厳しいことはよく分かりました。その上で、どのようにしてこの難局を乗り越えていくのか。もう少し根本的な部分に踏み込んで、長期的に日本を強くするためのビジョンを示し、サッカー日本代表のように、捨て身になって、時代や状況と戦って欲しいと思います。国民もみんな、日々戦っていますから。
変化、進化が、今こそ求められています、変化、進化が止まると、会社も国家も終わりです。勇気を持って、あえて変化をつくる。そのような精神と積極的な姿勢が、現状をブレイクスルーする唯一の道だと思います。
※サロネンのマーラー
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マーラー/交響曲第9番 サロネン&フィルハーモニア管弦楽団
先日紹介したサロネンのマーラー9番が出たので、早速聴いてみました。明らかに今までの他の演奏とは違い、とても独創的です。マーラーと言うと、もっと重くて暗いイメージがあるのですが、この演奏はとてもダイナミックで音楽的でスリリング。それなのに、アダージョは美しくて神秘的・・・マーラーの深くて精神的な部分が伝わります。不思議なオリジナリティ・・・これが、丸二が求めているものか。

加子母ヒノキの健康エコ住宅、1250万円

昨日、岐阜県加子母にて、加子母ヒノキの健康エコ住宅「CASIMO1250/1550」の商品発表を行いました。
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伊勢神宮の御用材として有名な加子母ヒノキで造られた家を、できるだけ安価で都会の方々へお届けしたい。と同時に、直径14㎝未満の特別有効利用材の価格を現在一本500円のところ、倍の1000円で購入させていただき、森の経済にも貢献したい。それらが結果的に、都会に住む人々の健康と日本の森を守ることにきっとつながる。
そのようなコンセプトを持って、一棟1250万円の加子母ヒノキ住宅を開発いたしました。1250万円という価格は、加子母森林組合が、極めて優良な森林認証材を「産地直送システム」で丸二に送っていただけることで実現可能となりました。
また、本事業が、国の経済産業省と農林水産省が推進する「農商工連携事業」の認定を受けたこともあり、様々な方々からのご支援、応援もいただいています。本当に感謝、感謝です。
丸二は、日本の森や山の恵みに感謝をして、「使わせていただく」という気持ちを忘れずに、今後の木造事業に積極的に取り組んでまいります。尚、この「CASIMO1250/1550」開発への思いを下記にまとめましたので、ぜひお読みください。詳細資料につきましては、お問い合わせをいただいた方にお届けいたします。
「CASIMO1250/1550」開発の動機
1.日本の森を守りたい。
間伐によって、森に光を入れることが、日本の森を守る道であることを知り、国産無垢材をふんだんに使った木造住宅事業を始める決心をいたしました。今、日本の森は荒れ、自然災害も増え、生態系や景観も壊れつつあります。日本で使われている木材の80%が外国産であり、国産材の需要が極めて低いことも大きな要因のひとつです。私たちは、この美しい日本の山々からの恵みを授かって、豊かな生活をさせていただいています。しかしながら、そのような自然の恩恵に対する感謝の気持ちは、今や失われつつあります。だからこそ丸二は、少しずつ、自然界への恩返しを始めようと思うのです。適切な量の木を、(山の立場から見て)適正な価格(直径14㎝未満の特別有効利用材一本500円を1000円で購入いたします)で使わせていただき、山に対する経済的貢献を果たしつつ、森に光を入れ、新しい木を植え、育て、森を守ることに参画していきます。その結果、加子母森林組合の皆様を始めとする、21世紀の中心産業となる林業(第一次産業)の発展と地球環境の保護に貢献してまいります。
2.誰もが国産ヒノキの家に住めるようにしたい。
先行きが見えない厳しい経済環境の中で、誰もが安心して暮らすことのできる住環境を提供していくことが、これからの私たちの社会的使命です。加子母森林組合様の大変なご厚意による(業界の常識を飛び越えた)「産地直送システム」の導入と、設計施工に関わるコストへの挑戦によって、「ヒノキだから高い」「良いものは高くて当たり前」という固定観念を打ち破り、多くの人々の手に届く価格帯で、本物の自然住宅を提供していきたいと思います。加子母地域の神宮美林で育った木々は、日本の建築・精神文化の歴史的象徴であり、住宅用材としての特性の良さはもちろんのこと、すべての日本人にとって、大いなる精神的な拠り所(大黒柱)となるはずです。色も香りも素晴らしい加子母ヒノキで造られた家に住むということは、自然の素材による安心感以上に、「護られている」という無形の価値を得ることでもあります。私たちは、加子母の木々を使わせていただき、健康的で、癒し効果の高い住宅を広く社会にお届けしていきます。また、そこには「風水」「建築医学」の智慧も取り入れ、デザイン性も大切にし、住む人の楽しさや喜び、そして心と体の健康を実現してまいります。孫の代まで3世代(100年間)、地球と家族の未来を育み続ける家であるように・・・それが、私たちの目指している「最善の住環境」です。
3.創業の精神に回帰したい。
私の祖父、渡辺二郎は、岩手県松尾村での製材所経営を経て、東京都武蔵野市吉祥寺にて丸二を創業した父、渡辺正一(現会長)と共に、木造住宅の建設事業を始めました。それから約60年・・・高度成長の時代の流れに乗って、丸二の建築の主体は、鉄筋コンクリート造へと変わり、木造住宅の施工実績はどんどん減少していきました。しかしながら「最善の住環境」を標榜する私たちが、その最善さを追求するにつれて、どうしても「木」と向き合う必要が出てきました。本物の住環境を実現するには「無垢材」「木造」しかないと。しかしながら木造事業を立ち上げるのは、今となっては新規事業。ちょうどその時、今回の農商工連携事業、そして加子母森林組合の内木組合長様との出会いがあり、とうとう思いの実現に向けてキックオフするに至りました。確かに、木造事業としては新規スタートではありますが、木造に対する理念は、今でもしっかり継承されています。今では、当時の祖父や父たちの「木に対する強い思い」こそが、今回の出会いを導いたのではないかと感じています。このようにして、今こそ創業の精神に回帰し、21世紀の丸二の新たなる道を、社員と共に歩んでいく決意です。それが、「最善の住環境」を実現する王道であり、また同時に、社員に対する技術教育、人格形成に結び付くものであると信じています。
以上のような思いを持って、丸二は「CASIMO」で、社会に貢献していきます。

夢をもって

少しブログを書かないうちに、政治が大きく動き、(地元武蔵野市選出の)菅さんが首相となり、菅新内閣が誕生しました。一方、鳩山さんは政権交代という目標を達成しましたが、短期政権に終わってしまいました。一寸先は闇の政治の世界ですが、本当に先は分からないものです。
日本はとても良い国です。不況とは言いながら、他国の困窮状態に比べれば、全体的には豊かな生活ができています。国の財政状態も確かに年々悪化してはいますが、外国から借りているわけではなく、これも他国の状況とは随分違います。
もちろん、かつての日本の力からすると、加速度的に落ちていることは事実です。きっと一時的に豊かになり、緊張感を失い、無駄遣いを始めてしまったからでしょう。それに、国としてのその後の長期的な戦略(夢)を立てることができず、効果的な将来への投資ができなかったことも原因の一つかもしれません。
ただ、これらすべてを政治家のせいにするわけにもいきません。長い間、「自分が得するかどうか」で投票をしてきた国民の側にも、いくらかの責任があると思います。国民の意識の投影が、表舞台に現れているわけですから・・・恥ずかしいです。
でも、このような困った状況になることで、私たちはいよいよ考え始めます。日本の将来を真剣に考えるようになります。そういう意味も含めて、とても良い状態になりました。今後の日本に大いに期待しましょう。
尚、先日「第3回:加子母森林ツアー」を開催し、30名の方々と共に、一泊二日で加子母の山に行きました。日本の山は、自然、資源、動植物、スピリチュアリティの宝庫です。この美しい日本の風景を守っていくことも、私たちの大きな夢のひとつです。
※「第3回:加子母森林ツアー」の模様を、今年の新入社員がブログにアップしていますので、ぜひご覧ください(1日目2日目)。また御関心のある方は、今後の開催予定をご覧ください。
※サロネン指揮の「幻想交響曲」
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ベルリオーズ:幻想交響曲 サロネン&フィルハーモニア管弦楽団
最近、素晴らしい演奏を聴きました。指揮はフィンランド出身の気鋭エサ=ペッカ・サロネンで、オーケストラは英国のフィルハーモニア管弦楽団。サロネンは、まだあまり有名ではないですが、私が今最も好きな現役指揮者です。何がいいのかというと、美しい北欧デザインの家具のようです。ちょっとうまく表現できないのですが・・・。曲はフランスの作曲家ベルリオーズの「幻想交響曲」で、「若い芸術家が失恋をして、阿片自殺を図るが死に至らず、奇怪で幻想的な夢を見る」という内容の、それまでに全く無かった種類の音楽です。その奇怪さや幻想感が、サロネンの美しくパワフルな指揮によって、色彩豊かに響き渡り、はじめてこの曲を聴いて感動することができました。今度はマーラーの第9番が出るそうなので、必ず聴こうと思います。

風水生活セミナー

先日(5月19日)丸二本社にて、「第1回風水生活セミナー」を開催させていただきました。ご参加いただいた皆様に、心から感謝いたします。本セミナーは、通常とは少し雰囲気を変えて、平日の午前11時からお昼の12時30分までの時間帯とし、ケーキと紅茶を楽しみながら、気楽に住まいの環境についての情報提供をするもので、とにかく敷居の低さと参加のしやすさを一番のコンセプトにしたものです。
「風水生活」とは、多くの人々が日常生活の中で無意識のうちに影響を受けている「環境ストレス」を緩和させることで、心と体を健やかに改善することを目的とした生活の在り方を言います。「風水」というと、どうしても占い的、方位学的なイメージが付いて回りますが、私たちは、あくまで建築(住まい)と自然環境との調和を優先させ、かつ統計学的な要素と大脳生理学的な要素も加え、多くの方々に理解しやすい実践的なご提案をしています。今後も、二か月ごとに開催する予定ですので、ぜひご気軽にご参加ください。
尚、美しい音楽をきれいな音で聞くことも、ひとつの風水生活ですね。仕事から帰った後、リビングで寛ぎながら好きな音楽を聞くと、心が癒され、気持ちも前向きになり、明日への活力も湧いてきます。例えば、マーラーの交響曲第2番「復活」の最終楽章を聞くと、大きな感動と共に、明日へのやる気で満たされるはずです。そのようにして、日常の生活の中に、「感動」や「癒し」をインストールし、自分自身の感情をより良い方向へ導いていくことが風水生活のひとつですし、それは住まい造りと密接な関係性があるのです。
※迫力満点のマーラー:交響曲第2番「復活」
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交響曲第2番『復活』 テンシュテット&ロンドン・フィル(1989 ステレオ)
少し前に発売された、マーラー指揮者の第一人者テンシュテットの1989年ライヴ盤です。音質はまあまあですが、音楽はとても素晴らしく感動的です。かなり長い曲なので、終楽章だけでもいいですね。マーラーは、本当にすべての交響曲が感動的です。

安全、挑戦の文化

先日、第18回安全衛生大会を開催し、約80社の協力会社の皆様にお集まりいただきました。一年に一度、安全に対する意識を高め、無事故・無災害の現場管理を継続していくために、非常に重要な機会です。
今回も、一昨年に引き続き、建設業労働災害防止協会の中込平一郎先生に記念講演をお願いし、「物から人へそして組織へ・・・安全のうつり変わり」というテーマでのお話をいただきました。その中で、日本は「恥」の文化であり、「ルールを守らない」などと言う「みっともないこと」はしない国民性があった・・・とお聞きしました。
そう考えた時に、今の日本は大丈夫だろうかと考えます。ルールを守る、規律を守る、約束を守る・・・という基本を軽んじてはいないかと。それは、現場の安全のみならず、人生の安全に関わることと、あらためて認識しました。
また、私の挨拶としては、現在の業界に対する考え方を話させていただきました。つまり、「建設業界」は、とても良い方向に向かっていると。今までのような利益第一の業界体質から、本当にお客様本位の世界に変わってきました。
つまり今までは、「まず利益、次に技術、最後に心」でした。でもこれからは、「まず心、次に技術、利益は後から(きちんと)付いてくる」、このように180度の大転換が始まったと感じています。とすれば、今までひたむきに、考え方や心がけを大事にして、良い仕事を目指してきた会社(人、職人さん)にとっては、やっと光が当たる時代になったということです。
丸二も、十数年前から、そのような時代に備えて、出来る限りの準備をしてきました。何度、逆戻りしそうになったか分かりません。でも、その「決心」をもって、心を第一とする感謝経営を持続してきました。もちろん、まだまだその道は半ばですが、新時代のゲートが開き始めた今、大いなる自信を持って、お客様や社会に貢献していきたいと思います。丸二にとっての安全とは、挑戦の文化です。

映画「街の灯」と般若心経

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スカパーで録画した、チャップリンの名作「街の灯」を見ました。昔、何度も見た記憶がありましたが、各シーンを断片的にしか覚えてなく、今回あらためて全体像を理解することができました。本当に素晴らしい作品です。チャップリンの動作や表情は見事で芸術的。現在のお笑いタレントさんに、ぜひ見てもらいたいものです。命をかけた芸と、世間に迎合するための小手先のセンスとの差は、もう歴然としています。
物語も楽しく、愉快で、深く、そして悲しい・・・。盲目の美しい花売り娘のために、わが身を捨てて、目を治すためのお金を得ようとする浮浪者チャップリン。何とかお金を娘に渡せたものの、自分は警察に御用となる。そして最後の有名なシーンは、もうどうしようもなく、微笑みと悲しみが交錯する真実の瞬間。
娘は、目を治すためにお金を出してくれたのは、きっと紳士のお金持ちと想像していたでしょう。その彼女の眼の前に現れた、出所してきたばかりの浮浪者チャップリンは、彼女の目が治ったことを知り、心から喜び、微笑み、そして立ち去ろうとします。娘は、このかわいそうな浮浪者に花を一輪あげますが、その時触れた手の感触、服の感触、そして顔の感触・・・。
「この人こそが、あの人」と知った時の、彼女の何と複雑な表情。この世の全ての人間が持っている「何か」が、私たちの心を突き刺します。そして、チャップリンの嬉しくも悲しい無垢なる表情のアップのまま、この映画は「完」となります。
そこには、何か・・・般若心経の「色即是空、空即是色」の世界を感じます。見えるものは「空」であり、見えないものこそが「実体」であると・・・。目が見えない(満たされていない)時、心は清らかに光り輝き、本質(実体)を捉えることができる。でも、目が見えるようになると(満たされると)、本質(実体)が見えなくなる。ここに、この世が修練の場として存在しているという、道理の世界を感じ取ります。
この「完」の後、彼女はチャップリンにどのような気持ちで、どのように話したのでしょうか。それは、見終わった私たち一人ひとりが、彼女に成り代わって、考えるべきことなのかもしれません。ただひとつ言えることは、そこにこそ「真の幸せとは何か」という永遠の問いに対する答えがあるように感じます。

友人が指揮者に!

ゴールデンウィークの最終日の5月5日、中学校時代の友人が初舞台を踏むコンサートを、仲間たちと見に行きました。どのような初舞台かというと、なんと「指揮者」としてです!もともと音楽好きでピアノが弾けるとは言え、実際のオーケストラの指揮をすることなど、普通では考えもつかないことです。
でも彼は永い間、仕事をしながら指揮法の勉強をして(教室に通って)、とうとうフルオーケストラを前に、モーツァルトの交響曲第40番ト単調を振る機会を実現しました。「思いは通じる」「思いは実現する」と言いますが、実際にこのように一人の友人が夢を達成した姿を目の当たりにすると、(驚嘆とともに!)心から「おめでとう!」という気持ちでいっぱいになりました。
このコンサートは、日本の指揮法指導の第一人者である(サイトウ・キネン・オーケストラで有名な)斎藤秀雄氏に師事した、村方千之氏の主催によるもので、村方先生の生徒さん達が、日頃の成果を発表するものです。彼は、その発表会のトップバッターとして、モーツァルトを振りました。そして、とても素晴らしかった。
指揮法の基本をマスターしたこともあり、その姿はとてもシンプルで無駄がなく、余計な動きや大げさな表現を抑制し、自らの存在を消して、ただ音楽そのものだけを浮かび上がらせようとする、真摯で謙虚な姿勢を感じました。音楽自体もそれを受けて、とても素直で快活で、でも温かい悲しみに満ちたモーツァルトの40番らしい美しい調べとなって、会場に響き渡りました。
もちろん彼はプロではないし、しかも初舞台で、思うようにいかなかった部分もあったのかもしれません。それでも、終了後の彼の達成感で一杯の表情を見て、「なんてかっこいいのだろう」と感激しました。
夢を実現するには、「ワクワクしてやることだ」と言います。きっと彼は、自分自身がワクワクすることだけを、淡々と続けているのかもしれません。まわりの人がどう言おうと、どう感じようと、自分自身がワクワクすることをし続ける。そういう精神力の強さこそが、人生をより豊かに楽しくするのではないでしょうか。
ところで、彼の指揮姿がとてもシンプルだと書きましたが、往年の有名な指揮者の古い映像等を見ると、実は本当に動きが小さくて、静かな指揮ぶりであることを発見します。例えば、とても大きな音響の部分などを聞くと、さぞかし指揮者も大きく振りかぶったり、飛んだり跳ねたりしているのだろうと想像してしまいますが、実は指揮棒がほんの少し動くだけだったり、顔の表情だけで音を出しているようなこともあります。
クナッパーツブッシュという変わった名前の指揮者(昔のとても有名な大指揮者です)の白黒の映像を見ると、腕を少し前に出すだけで、オーケストラから「グァー!」という大音量が響き出ます。何というか、テクニックではない、精神の音なんですね。音楽とは不思議なものです。

社内結婚@武蔵野アンナ教会

先日、素晴らしい天気の日に、社員同士の結婚式がありました。当社のような小さな建設会社で、しかも女子社員が(最近、増えてはいますが・・・)まだ多くはない状況の中、このような社内結婚が生まれたことに対し、心から嬉しく思います。パーティの席で、祝辞を述べさせていただきましたが、その際、「丸二」という社名の縁起の良さに、我ながら、あらためて気づくことができました。
二人が交換した結婚指輪は、「丸」です。その「丸」と「丸」が結ばれて、二つの「丸」(丸二)になります。また二つの「丸」がくっつくと、無限大(∞)で、お二人の幸せが無限に無限に続くでしょう・・・と、話しました。
祝辞の最後に、「二つのありがとう」についても話しました。ひとつは、二人が丸二に入社してくれたことに、ありがとう・・・。もうひとつは、二人が丸二に入社することを、ご両親が許し、認めていただいたことに、ありがとうございます・・・。そのような感謝の縁のひとつひとつが、偶然に(本当は偶然ではないのですが)結び合って、今日の日があるのだなあと、考えさせられました。
丸二という会社が目指すものは、お客様への貢献と社員の幸せという二つの側面があります。これも二つの「丸」となって、無限大に成長発展していくものです。最近の落ち着かない天候の中で、珍しく大晴天となったこの吉日に、理念の再確認ができました。お二人の末永いお幸せを祈り、心からお祝いいたします。
尚、今回の結婚式の挙式は、丸二で設計・施工させていただいた「武蔵野アンナ教会」にて行われました。武蔵野市にあるとても素敵で美しいチャペルです。住みたい街ナンバーワンの吉祥寺で結婚式を挙げたい方は、ぜひ「武蔵野アンナ教会」をご利用ください。きっと最高のウェディングを演出していただけます。よろしくお願いいたします。

林野庁長官、関東経済産業局長と!!

昨日は、「丸二・加子母森林組合」による農商工連携事業の一環として、農林水産省・林野庁長官、島田泰助様と経済産業省・関東経済産業局長、高原一郎様を囲む座談会を、霞が関の林野庁長官室にて行わせていただきました。
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とにかく、林野庁長官、並びに関東経済局長とお会いできるだけでも大変なことで、その上、今回の丸二・加子母森林組合のプロジェクトに対する座談会まで行っていただいたことに、心から光栄に思い、感謝の気持ちでいっぱいです。
厳しい環境の中にある国内の林業ですが、その中で、日頃から積極的かつ前向きな活動を行っている加子母森林組合に対する高い評価が、このような機会に結びついたのだと思います。本当に素晴らしいご縁をいただき、心から感謝したします。
この座談会の模様は、今回の企画・進行をしていただいた環境情報誌「オルタナ」編集長、森氏によって記事となります。掲載号が発売されましたら、ぜひ皆様にご覧いただきたく、よろしくお願いいたします。
また、ちょうど17日の日経新聞にも、「国産材利用で林業再生」という記事が大きく載りましたが、まさに日本の林業再生は、国策としても、地球環境の保全としても、CO2削減のためにも、極めて高い優先順位に位置していると思います。
森を美しく守るためには、間伐と植林がバランスよく行われなければなりません。しかしながら、木材供給量の内訳が、外国材76%で国産材24%という現状では、間伐することもできず、さらに森は荒れていくでしょう。適度な間伐をしながら、森の中に光を入れていかない限り、国土の70%を占める日本の素晴らしい資産、森と山は、荒廃と化してしまいます。
山が荒れれば、森に生息する動植物や微生物もいなくなり、川や海を汚すことにも繋がります。もう本当に待った無しの状態で、早めに手を打っていかなければなりません。そうしないと、この日本の美しい、素晴らしい生態系が壊れていくことにもなりかねません。
国としても、このような現状に対して、大変な危機感を持っていて、この24%の木材自給率を50%まで引き上げる方針を打ち出しました。それを実現するためにも、山の環境整備、山道整備、物流整備等が急務なのですが、やはり財政難が大きな障害になっています。
そのような状況の中で、農商工連携事業のひとつとして、林業との連携という希少なプロジェクトが生まれたことが、林野庁にとっても大きな出来事だったようです。そのような経過の中で、今回の座談会が企画・開催されました。
丸二・加子母森林組合の連携体による、加子母ひのきの家づくりは、まさに今始まったばかりです。でも、この流れは必ず大きな渦となって、成長発展していくでしょう。森が守られ、動植物も喜び、国土が豊かになる。そして、人々の住環境も良くなる。
また、第一次産業が元気になれば、失業率も改善され、社会ももっと温かくなる。そして、日本の美しい自然を資産と捉えた観光立国も実現できる。環境、経済、生活のすべてに対してプラスである以上、私たちは積極的かつ前向きに、本事業に取り組んでいく所存です。
また、「加子母森林一泊バスツアー」も、昨年は10月と11月の2回開催し、キャンセル待ちが出るほどの反響をいただきましたが、今年も5月29日(土)~30日(日)、7月10日(土)~11日(日)、9月11日(土)~12日(日)、10月23日(土)~24日(日)の計4回を予定しています。一泊二日という短い時間ですが、伊勢神宮の御用材である加子母ひのきの山に入り、木の伐採現場を見て、山の現状を知ることは、とても重要なことだと思います。もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひお申し込みをお願いします。
昨日は、島田林野庁長官様と、高原関東経済産業局長様から、たくさんの貴重なお話をお聞きすることができ、とても有意義で素晴らしい時間をいただきました。本当に、ありがとうございました。このような大変ありがたい機会をいただいた分、しっかりと責任を果たしてまいりたいと思います。