社長ブログ

「和の精神」で年が明ける

明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
年末年始のテレビは、相変わらずのワンパターンの「作り物」ばかりで、製作者の「志」を感じるモノが少なかったように思います。そのような中で、「箱根駅伝」のようなウソ偽りの無いリアルな映像は、見る者の心に迫ってきました。テレビ界もそろそろ考え方を修正して、本当に表現したいコンテンツに集中し、独自の番組作りをしていく方がいいのではないでしょうか。ただ時間枠を埋めるがために、同じタレントで、同じパターンの「お約束」を繰り返すのではなく・・・。まあ、無難で安上がりなのでしょうが、テレビが国民の精神や思考に与える影響を考えると、本当に困ったことだと思います。
さて、株安で明けた2008年は、一体どのような年になるのでしょう。どちらにせよ、経済的にも環境的にも、私たち一人ひとりが、より意識を高く持って、事に当たっていく必要性が出てきたと思います。世界の情勢を見ても、未だ戦争や飢餓や環境破壊が続き、たくさんの方々が毎日亡くなったり、自然も壊れつつあります。西洋型の思想哲学と権力支配の構造で、この世界は確かに産業革命以降、大発展を遂げ、結果的に(ごく一部の国や階層だけが)物質的な豊かさを享受できました。しかしながら、全体を豊かにすることはできませんでした。その綻びが、ここ数年前からあらゆる方面から出始めて、今まさにガタガタと音を立てて崩れ始めてきたように感じます。そしてまた、新たな戦争が始まり、さらに富はごく一部に集中し、なぜか発展途上国にはほとんど回らず、地球も悲鳴を上げている・・・。
ただ、過去を否定していても仕方ありません。私たちが目覚めるまで、時は待ってくれていたと思います。ありがたいことです。だから、「気づいた時が魂元年」「物事に遅すぎるということは無い」。今から、1mmづつでいいから、前進していこうと。
西洋文明の物質中心主義の考え方を取り仕切るある種の力が、徐々に壊れ始めているとすれば、やはり次は、東洋文明の精神中心主義の考え方に移行してくるはずです。もっと言えば、日本の「和の精神」「和の文化」こそが、その要になるのではないでしょうか。このような動きは確かに進行しています。きっと、日本の「和の精神」「和の文化」への期待が高まることで、私たち一人ひとりが意識して、政治や経済や日々の習慣、ビジネスの上での商品づくり等に取り入れ始めたら、テレビも変わり、新聞も変わり、政治も変わり、世界情勢も変わり、環境問題も解決に向かい、戦争も少なくなり、飢餓も少なくなり、いよいよ全体調和の豊かさの時代に移りゆくように思います。「和の精神」には、それほどの大きなパワーがあるように感じます。
丸二も「和が二つ」で、「丸二」ですから、このような時代の流れの中で、何かしら楽しい役割を担っているものと思います。昨年の大晦日のNHK番組「ゆく年くる年」にて、荘厳としたシンメトリーが美しい「平等院」が映っていましたが、このような日本の「美」の中にこそ、何か大いなるヒントがあるようにも思います。「美」と言えば、当然のごとく「建築」という分野も入ってきます。そこに、丸二の目指すべき答えがあるようです。
今年も一年、お客様と共に確かな豊かさを受け取りながら、独自の技術をもって、本当に住みやすくて、長持ちして、美しくて、環境に優しい、健康的な住環境と土地活用を創造して行こうと思います。それがきっと、この大きな時代の移り変わりの中で求められている、独自の役割であるという確信を持って・・・。今年もよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

2008年、私たちの時代

今日は、2007年の納会です。会社は明日から年末年始のお休みをいただき、新年は1月7日(月)からの仕事始めとなります。この間、しっかりと英気を養い、また次の1年に楽しく臨んで行きたいと思います。今年一年、誠にありがとうございました。
さて来年の2008年は、「地球環境」の問題がさらにクローズアップされてくると思います。二酸化炭素やメタンガス等の問題は、もう避けて通れなくなるでしょう。この流れは、あらゆる分野に対して、かなりの圧力として改革を迫ってくるはずです。特に住宅・建築業界には強烈な勢いでやって来るでしょう。
しかしながら私たちは、このような時代になることを想定して、10数年をかけて、様々な準備をしてきました。その結果、これからの時代の要請に応えられる、下記のような「智慧と技術」を身につけることが出来たのです。

・省エネルギーを実現するための、「外断熱工法」。
・スクラップ&ビルドを食い止める100年建築、「ルネス工法」。
・地震や火災から身を守る、「パワー・コンクリート工法」。
・エコロジカルな生活を実現する、「自然素材」。
・街並みや住環境を美しくする、「風水デザイン」。
・予防医学の英知を設計に組み込む、「建築医学」。
・地磁気とマイナスイオンで健康的な住環境をつくる、「ICAS」。
・意識の高い人々をつなぐコミュニティ、「コーポラティブハウス」。

今までは、「そこまでする必要があるのだろうか・・・」と思われてきたものばかりです。しかしながら、これからは、「絶対的に必要不可欠な智慧と技術」に変わってくるはずです。まるでコインの裏と表が一瞬で変わるかのように・・・。この流れが始まるのが、2008年です。
建設業界が真に改革すべきものは、脱談合や耐震偽装のみならず、このような「智慧と技術」です。ここに目を向けるべきです。「良心」に基づいた「智慧と技術」こそ、人生の中で最も高額な商品である建築が持つべき「核」です。今までの建設業界は、そこを「軽視」していました。そして私たちは、そこを「重視」してきました。
新しい年を迎えるにあたり、これからきっと世の中のお役に立てるという期待感が、ワクワクと湧いてきます。お客様と共に豊かさを受け取っていく、またその豊かさを社会のために役立てる・・・この善循環を始めようと思います。
みなさま、来年もよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

地球環境と経営について

今年も、あとわずかになりました。どうやら、ここ数年よりも寒い冬になりそうで、昔の正月を思い出します。子どもの頃は、雪が当然のようにたくさん降り、雪だるまを作り、雪合戦をして遊びました。手が雪の冷たさで痛くなっても、寒さなんか全く気にしませんでした。
今は、雪が降ると現場のことを気にしてしまい、出来るだけ降らないように祈ったりします。大人になるというのは、こういうことなのかもしれません。まさに、経済優先の考え方や生き方が、体に染み付いてしまったようです。きっと、このような(小さな)考え方の習慣が、世界の集合意識となり、地球環境を破壊してしまっているのでしょう・・・。
ブラジルに、ジュセリーノ氏という予知夢を見る人がいます。この人は、予知夢を見た際、トラブルや事故に遭う(であろう)人に宛てて、配達証明付きの手紙を送り、未然に巻き込まれないようにアドバイスをしています。しかしながら、ほとんどの人は信用せずに、結局その通りの出来事に遭ってしまっています。「9・11」や「サリン事件」もそうでした・・・。
このジュセリーノ氏が以前より予知していたのは、アル・ゴア氏のノーベル賞受賞です。これが今年になって実現しました。・・・と言うことは、その他の予知も当たるのかもしれない・・・と感じます。
ジュセリーノ氏が最も憂慮しているのは、地球環境の問題です。これから数年間に、地震や水害等の大規模な天災が世界的に多く発生するようです。その場所や日時も特定しています。もちろん、外れることもあるでしょう(そうなって欲しいです)。でも、現実的な状況を見ると、可能性は高いと思います。二酸化炭素とメタンガスを削減することが急務のようです。また、今後は「水不足」という問題も起きてくるようです。とにかく、少しでも早めに対応していく必要があります。
まずは、とにかく、意識を変えることから始めようと思います。自然との調和を優先していくこと。環境を無視するビジネスや行動を取らないこと。または、そのような人たちの考え方に与(くみ)しないこと。丸二が取り組んでいる「100年建築」と「美と健康」が、まさに環境蘇生の考え方であることを、もっと広く社会に伝えること・・・。
地球という「場」を整えないと、そこに住む全ての生命体(動植物、人間)の健康、成長、幸福は有り得ません。これが建築医学の基本的な考え方です。私たちにとって、最小の空間である「住」と最大の空間である「地球」の両方の「場」を自然に、美しく、キレイに整えることが、今世紀の最大の課題ではないでしょうか。そのような中で、極めて微力ではありますが、私たち「丸二」の役割が、確かに存在しているように思います。
「丸二」とは、「○が二つ」。住環境を「○」にする、そして地球環境も「○」にする。そこに、「(新しい時代の)経済」と「健康」と「幸福」を見出していく。そのような役割を担っていく過程の中で、きっと私たち自身の人生の流れも「さらに良い方向に」変わってくるでしょう。
様々な予知や警告は怖い感じもしますが、考え様によっては、地球的なミッションに皆で関われる訳ですから、ワクワクしてきます。これで世界がひとつになるかもしれない、そんな期待感すらも生まれてきます。地球環境と建設業の接点をしっかりと見極めながら、マクロな視点で自然と調和した経営を継続して行きたいと思います。

心の豊かさ

先週の土曜日に、会社の家族会でディズニーシーに行った時のこと。集合時間の3時間前に車で出たのに、首都高と葛西IC出口が大渋滞。もう間に合わないかと思い、インターチェンジを降りて一番近いディズニーランドの駐車場に入れてから歩こうと思って、その駐車場の入り口に来ました。
すると、係りの方が、「ディズニーシーは、この駐車場に止めてしまうとかなり遠いので、ディズニーシーの近くのR7という駐車場にお入りください。まだ空いてますから大丈夫ですよ」と言って、地図を渡してくれて、笑顔で丁寧に(かつスピーディーに)教えてくれました。
そして、何やら「赤いカード」をフロントガラスのところのワイパーに挟んでくれました。つまり、このカードは、「ディズニーシーのお客様ですよ」という目印なのでしょう。「ありがとう」と言って、そのまま車を走らせると、途中に立っている係りの方々が、赤いカードを見て、即座に駐車場の出口まで誘導してくれて、その後のR7の駐車場の入り口の係りの人が、カードを取り外すまでの間、まったく道を聞く必要も無く、スムーズに目的地に着きました。
ディズニーランドには、このように渋滞に巻き込まれて、あせって来場する人も多いはず。そのような人の心理状態を考えれば「なるほど」と思うような気遣いです。「赤いカード」を挟むというアイデアは、とてもシンプルですが、真剣に考えないとなかなか思いつかないでしょう。ディズニーランドのサービスの良さについては、いろいろと見聞きしていますが、このように実際に体験してみるととても勉強になります。
さて、丸二も負けてはいません。最近、お客様から届いたアンケート葉書に、「担当の小林(三沙子)さんに、解らないこと何でも相談が出来ます」「尾形様のお人柄と手際に良さに感動しています」「電話を受けてくださった方、大山さん、工事をしてくださった工事屋さん、やさしい心づかいで、お願いしたその日に(ウォシュレットを)取り替えて下さいました」・・・等のありがたいメッセージをいただきました。お客様、本当にありがとうございます。
「相手の身になって、真剣に考えれば、自ずと答えは出てくる」・・・これからもさらに精進して、お客様と共に、心の豊かさを創造して行きたいと思います。

地鎮祭と炭の力

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先日、地元の吉祥寺にて地鎮祭を行いました。お施主様は、私の中学時代の同級生で、そういう意味でも、さらに喜びの多い日となりました。天気も快晴で、地元の武蔵野八幡宮の宮司様による厳粛な土地のお清めも終わり、いよいよ着工の運びとなります。時間をかけて完成した設計図を、真心を込めて形にしていくのが私たちの仕事。胸が高まります!
今回の建築は、本格木造2階建住宅で、「ICAS」というシステムを組み込みます。「ICAS」のすごさは、①土地に「炭素を入れた特殊な金属製カプセル」を埋め、敷地内の地電流の流れを良くし、地磁気を安定させる②埋めたカプセルと「室内の壁面に塗装された特殊炭素塗料」とを銅線で結び、室内のプラスイオンを壁面に引き付け、室内をマイナスイオン優位の状態にする・・・という2点です。
土地の地磁気を整えることと、室内空気環境をマイナスイオン化することは、住む人の健康を守るために、真っ先に取り組むべき課題です。これからお住まいをお建てになる人は、まずここを押えるべきだと思います。また、「ICAS」のシステムを支えているのは、「炭」ですので、とても安心です。人が一番長い時間を過ごす寝室を、森の中で森林浴をしているようなエコ環境にしてみませんか。

誠実な現場

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先週、現場巡回に行った時の写真です。各現場とも、寒さの中でしたが、しっかりと施工管理に当たっていました。本当に、ありがとう。最近の現場の状況を見て気づくのは、場内の整理整頓に対する意識がさらに高まってきたことです。整理整頓されたキレイな現場であれば、当然、職人さんたちの動きもスムーズになり、また場が視覚的に整っているので、細部に対する神経も行き届きます。気持ち良く、いい仕事が出来ます。逆に汚くてゴチャゴチャしていると、精神的にもイライラしてきますし、落ち着いて仕事が出来ません。このように、ちょっとした心理状態の変化で、人間の作業精度は大きく影響を受けるわけです。
「キレイな現場」とは、言い換えれば、「誠実な現場」であり、品質面、安全面、工程面においてすべてプラスとなります。結果的に「完璧な引渡」への大きな力になります。この視点をしっかりと大事にしていくことが、施工管理の基礎ですし、今後もさらなる努力をして行きたいと思います。

環境が心をつくる

先週の金曜日に、日本建築医学協会「設立一周年記念講演会」が、ベルサール神田にて開催されました。丸二も、設立時からの会員として参画させていただき、当日はブース出展も含めて、充実した一日を過ごすことができました。
医学博士のアンドリュー・ワイル氏を名誉顧問とする本協会の役割は、統合医療を進化させていく上で、ますます重要な位置に来たのではないかと思います。「環境が心をつくり、心が健康をつくる」という建築医学の考え方は、むしろ、地球環境の問題から浸透していくのではないでしょうか。
例えば、オーストラリアで24日に投開票された総選挙では、京都議定書の批准を公約に掲げている労働党が圧勝し、約11年ぶりの政権交代を実現したました。環境というキーワードと個人の経済、健康、幸福というキーワードが、人々の中で、確かに結びつき始めたのでしょう。このように、環境問題が政治をも変えてしまう時代が始まったわけです。これは大きな変化です。
住まいや職場の環境が整うことで、人間の脳と心は明らかに変化します。結果的に、それは個人の健康や精神に少なからず影響を与えます。今回の講演会の中でも出ていましたが、自殺者が出る家の特徴とは、①暗い②楽しくない③会話が無い・・・という3点だと言うことです。この3つの点は、実は建築的に改善が可能なものです。建築を通じて環境を整えることで、自殺者や病気を少しでも未然に防ぐことができるのであれば、私たちは取り組まないわけにはいきません。そのような予防医学として、建築医学は生まれました。
環境という視点は、いずれ「地球」から「街並」を経て「家庭」にフォーカスされてきます。逆に言うと、「家庭」の環境が整えば、「街並」も「地球」の環境も整うはず。まず身近な生活の中で、環境を整えていく努力を、それぞれができる範囲で始めてみてはどうでしょうか。きっと、世界は生まれ変わると思います。
人は、常に地球の上にいます。そして、ほとんどの時間を建物、家庭の中で暮らしているのだから。

現場が造る「100年建築」

今日は、今年最後の技術研究会を行いました。技術研究会は、研究課題別にチームをつくり、年間を通して、より良い品質・技術・仕様等を検討していくものです。今日の研究会は、今年一年の成果発表となり、各チームによる充実した内容が報告されました。
あるチームの発表の中に、横浜の「三井物産一号ビル」見学の報告がありました。このビルは、明治44年に建てられ、関東大震災にも耐えた全鉄筋コンクリート造建築で、あと4年で築100年に届くそうです。これは、私たちのビジョンである「100年建築」に繋がっています。
現代の「100年建築」の実現のためには、ルネス(逆梁)工法、外断熱工法に加えて、コンクリートの超耐久性が必要となります。今日の発表においては、それぞれのチームが、それぞれの工法に対する非常に真面目かつ誠実な研究報告をしてくれました。本当に、ありがたいことです。
また、そのような工法を支えるのは、当然、「品質」という技術の基礎です。ここに焦点を当てたチームは、新しい品質管理のチェックシステムを提案してくれました。「光触媒」という、外壁を美しく保全する素材の実験結果を出してくれたチームもあります。みんな、「100年建築」を支える大切な要素です。本当に、ありがたい。
明治の時代に出来たことが、現代で出来ないはずは無い。「100年建築」は、絵に描いた餅ではない。それを実現するための誠実な取り組みを続けていけば、必ず実現できる。そのような自信と期待を、今日の社員さんの発表を通じて、改めて感じることが出来ました。本当に、ありがとう!!
私たちの取り組みは、日本の建築文化を取り戻すことなのかもしれません。そういう意味で、決して「新しい」ことをしているのではなく、本来のあるべき姿に「還る」だけなのかもしれません。ただ、「当たり前の建築をする」ということだけなのかもしれません。それを、現代の「新しい」技術を駆使して。
いつも、社員さんの取り組みから学びます。このようにして、ひとつひとつが有機的に結び付き、「100年建築」は完成されていくでしょう。それは常に、現場で汗を流して格闘している人々の、日々の地道な前進の積み重ねがあってこそ。この現代社会において、現場で建築に取り組む人々の誠実さこそ、最高に讃えられるべき対象ではないでしょうか。私は、心からそう思います。ありがとうございます!!

「国家の品格」を聞いて

昨日、お世話になっている信用金庫様の主催する経営者セミナーに参加し、「国家の品格」で有名な藤原正彦氏の講演を聞くことが出来ました。「国家の品格」は、以前から読んでいて、その内容に心から共感していたので、とても有意義な時間となりました。
「美しい情緒と形」こそが、日本人の本質であり、これを取り戻すこと。卑怯はよくない。今、国語教育こそが最優先。子どもには、たくさんの本(例えば、日本人の偉人の伝記など)を読ませる・・・。
「卑怯」を最も嫌う国民性だったのに、今は・・・いじめを見て見ぬ振りをする卑怯、自分だけ儲かればいいという卑怯、弱いものを救おうとしない卑怯で蔓延している。これを「恥ずかしいこと」だと思えなくなってしまった・・・。
農家を大切にすること。食糧自給率を高めること。国土を美しい田園に戻すこと。美しい田園風景から、日本人の「美しい情緒と形」は生まれる。だから、すべての国民は、日本人の精神の源泉を作り出しているお百姓さんに感謝しなければならない。どんなに財政が厳しくても、弱者である農家やお百姓さんをまず最初に守ること。こういう理念こそが、「国家の品格」というものである。
以上のような、いろいろなお話の一つ一つに納得させられました。かつての日本人にとって、このような感覚は当たり前だったのでしょう。その当たり前が当たり前に出来なくなり、日本の社会から「誠実さ」が失われつつあるのではないかと思います。
結局のところ、「やせ我慢」ということではないでしょうか。「武士は食わねど高楊枝」ではないですが、志あるものは、貧しくても、やせ我慢して、心を高く持っていた。むしろそのことを誇りとしていた。そのような文化が、日本人の心の中に「美しい情緒と形」を形成していったのでしょう。
「誠実さ」と「やせ我慢」は、どこかで通じているような気がします。

誠実という価値

国や企業の不祥事や、有名人たちの言動等を見ていて思います。誠実であるということが、最も重要な価値になって行くだろうと。この複雑で分かりにくくなった社会を救うのは、きっと「誠実さ」という極めて当たり前で普通の言葉なんだろうと。
ところで「誠実さ」とは一体どういうことを言うんだろうか。私は、「当たり前のことを当たり前に行うこと」のように思っています。何か特別な奇策とか、ウルトラCではなく、ただ淡々と、当たり前のことを当たり前に行うこと、ではないでしょうか。と言うことは、人間というのは、なかなか当たり前のことを当たり前にやっていないことの裏返しです。
何が当たり前か、という判断自体も見えにくくなっています。いろいろな情報が氾濫していて、何を信じて行動して良いかも分からず、結局自分勝手な行動を取ってしまい、後になって謝ったり、冷や汗をかいたりしているわけで、そういうことは人間誰しも大なり小なりあるわけです。ですから私も、人のことをとやかく言う資格はありません。
ただ、何が当たり前かがよく分からなくなった時は、自分自身の心に問うようにしています。人間誰しも良心がありますし、その良心が痛むようなことはしたくありません。何か迷いがあれば、良心や自然に聞いてみて、勇気を持って行動しようと思います。
このようにして、当たり前のことを当たり前に出来るようになった時、人も企業も磐石になるのでしょう。そのためにも、常に心を磨いて、心の声がクリアーに聞こえるようにしていかなければなりませんね。そういう心磨きの時間を、日常の中に持つことも大事だと思います。
心を磨いて、誠実に生きる。そして、誠実に経営する。これが、21世紀に求められる人間や企業の姿勢なのでしょう。今、たくさんの事象がそのことを教えてくれています。ありがたいことです。これからも、誠実な人間になれるように、誠実な会社になれるように、日々1mmの前進を続けていこうと思います。