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誤解する脳

昨年の暮れに、会社の家族会で、「ディズニー・シー」に行った時のこと、「海底2万マイル」というアトラクションに、家族で乗りました。このアトラクションは、海の中を小さな潜水艇に乗って進んで行くというもので、なかなか楽しいトリップ感覚を味わえるもの。ところが、出発して少しすると、だんだんと息苦しくなってしまいました。そうです!酸欠状態です!ディズニー・シーのアトラクションで酸欠状態になるとは・・・恥ずかしながら、そのような体験をしてしまいました。
でも、海の底と言うのは、(当然のことながら)あくまで設定の話で、実際は地上の普通の空間にあるわけです。酸素もタップリあります。当然、大人ですから、それくらいは分かります。しかしながら、小さな潜水艇に乗っていて、窓の外が海底(海の中)に見えるという、作られた環境の中に置かれた瞬間、脳がまさに誤解をしてしまったのです。ここは海の底だ!酸素が無いぞ!どうしよう!と。そうすると、脳からの指令によって、体も具体的な症状を起こします。こういうことが、実際に起きるのです。
脳は場の環境(デザインや音や香り)によって、勘違いをしてしまうようです。でも、このようなケースは、明らかに本人が認識できる範囲なので、まだ安心です(もう乗らなければいいんですから)。怖いのは、知らず知らずのうちに、脳が誤解し続けているケースです。
例えば、朝のニュース。毎朝、起きてすぐの、一番アタマがすっきりしてる時に、目に飛び込んでくるのが、事故、災害、殺人、不正、不況のニュース。多くの人は、これらを目にしながら、食事を口に運び、そのまま会社や学校に行く・・・こういう日々を送っています。ニュースを見ている時の意識は、ふ~ん、そんなことがあったのか、これはヒドイなあ、何とかして欲しいなあ、厳しいなあ、世の中暗いなあ・・・くらいの軽い感覚しかないのですが、脳の方はそうは行きません。脳は、このような、事故、災害、殺人、不正、不況を、日々克明に潜在意識へと刻み続けます。そして、「この人はこのような状態(=事故、災害、殺人、不正、不況)を望んでいるんだ!」と勝手に誤解してしまうのです。結局、悪い意味での引き寄せの法則が働いて、悪いことを引き起こしてしまう恐れがあります。これは怖い。
ですので、最近の我が家の朝は、スカパーのCh.268「安らぎの音楽と風景/エコミュージックTV」を流しながら、ほんの少しの朝の時間ですが、よいイメージを持って過ごすようにしています。多分、気のせいかもしれませんが、不安や恐れが和らぎます。脳の方も、「この人はこのような状態(=心地よさ、豊かさ、快適さ)を望んでいるんだ!」と潜在意識に刷り込んでくれるので、徐々にそちらの方向へ誘導してくれます。こういうことも、毎日の積み重ねです。
場(部屋、住まい、オフィス)には、色や形や音や香りなどの様々な要素が組み込まれてますが、できるだけ脳が快適になる状態をインストールした方がいいですね。酸欠になる空間と、よいアイデアが浮かぶ空間とを選べるのであれば、当然、よいアイデアが浮かぶ空間で過ごしたいですよね。場を作るということは、その人の人生の方向性に大きく、かつ静かに影響を与えていると言えます。脳と場の関係・・・今後もさらに、研究を続けていこうと思います。
※昨日、買ったCD
sara.bmp
サラ・ブライトマン
Symphony: 神々のシンフォニー
脳を快適にするのに、一番手っ取り早いのが音、つまり音楽ですね。最近は、「癒し」「ヒーリング」系が流行っていて、いろいろなCDがたくさん出ています。特に女性アーティストのジャンルでは、次々と「歌姫」と称する人たちが出てきています。実は、ヒーリング系のCDでは、今まで散々だまされてきた経験があるので、最近は買うのに慎重です。実際、誰でも作れそうな、大したことないCDが多い。その中で、ピカリ!と光る存在が、女性アーティストのサラ・ブライトマン。この人のライブDVDを見て、その映像の美しさと音楽の透明度に感動し、久しぶりにマトモな人を発見した次第です。昨日買ったCDは、ニュー・アルバム。さらっと聴いた感じでは、今回も良さそうです。特にいいのは、マーラーのアダージェット(交響曲第5番~第4楽章~映画「ヴェニスに死す」で有名)に、ドイツ語の歌詞をつけてサラ・ブライトマンが歌った一曲。管弦楽だけでは表現しきれない何かが聴こえて来ます。他の曲も、これからゆっくり聴いてみることにします。