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科学的根拠

国立がんセンター中央病院で麻酔医が不足しているとのことです。特定の医療機関に属さない「フリーランス」の麻酔医が急増しているためらしい(フリーランスの方が、麻酔医の報酬が高いからでしょうか・・・)。麻酔医は、かなりの経験と技術を要すると聞いたことがあります。そして当然のことながら、麻酔医がいなければ、全身麻酔の外科手術は不可能となります。大変なことです・・・。
そもそも、麻酔には科学的根拠は無いらしいです。以前、青山圭秀氏の著書「理性のゆらぎ」を読んで、びっくりしました。まさに「えー!!」ですよね。麻酔というのは、当然、きちっとした医学的根拠のもとで処方されているものと思ってましたから。でも、実際はどうして効くのか(科学的には)よく分からないが、効くんだから使ってみよう。・・という感じ(かどうかは分かりませんが)で、長年の経験と統計的な裏づけを基に、麻酔医の方々が、適量の麻酔薬を処方しているようです。だからこそ、麻酔医の実力は大変な価値があるのです。
今、あらゆるモノに科学的根拠を求める風潮と、逆に、目に見えないものの存在を認めていく風潮の、2つの流れがあるように思います。そして、ほとんどの人が、その両面を持っていると思います(多分、両者のバランスが極端に違うだけだと思います)。どんなに現実主義の人でも、手術をする時には(科学的根拠の無い)麻酔を打って、神頼みをしますし、どんなに唯心論的な人も、お金が無くては生きていけません。私は、いつの時代になっても、すべての現象が科学的に証明されることは無い様に思います。人間が、この自然界の全ての法則やルールを、完璧に掌握することは不可能だと思うからです。だから、これからドンドン科学が高度になって行っても、不思議なことは無くならないと思います。その方が、面白いと思います。
遠い昔、天動説が唱えられていた時代でも、実際に地球は回っていました。ただ知らなかっただけなのです。今の私たちも、本当に知らないことばかりです。でも、知らないからと言って否定してしまうのはもったいない。分かっていない自分であることを自覚すれば、色々なことを受け入れられます。それが人間としての成長だと思います。
※毎朝、眺める本
けんじん.bmp
バルタザール・グラシアンの賢人の知恵
バルタザール・グラシアン (著)
齋藤 慎子 (翻訳)
「正しく生きるな、賢く生きよ」・・・ヨーロッパで400年語り継がれる240の処世訓。あまり賢くない自分自身だからこそ、これを毎朝1~2篇読んで、人並みに生きようと。不思議と、読むと安心します。