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ある問いについて

「時間切れ、タイムアウト!」が普通になってしまった日本の政治。学校でもビジネスでも、「期日は絶対!」と教えてきているのに、こういうコトが当たり前になってしまうと、とても困ります。調整が付かなかったから仕方が無い・・・。相手が「ウン」と言ってくれなかったからダメでした・・・。何か、突然の非常事態が起きたのならともかく、ずっと前から決まっているスケジュールなのに、変だなあと思います。まさに、リーダー不在の危機的状況です。
世の中がシステムで動くようになり、あらゆるコトが合理的に、かつ効率的にまわるようになりました。その結果、一人ひとりの意志や考えが特別に無くても、「何となく」一日は無難に過ぎていきます。日銀の総裁が数週間、数ヶ月間いなくても、特に問題も無いのでしょう。だから、リーダーに対する存在価値が見えにくい世の中になってしまったのかもしれません。
と同時に、今こそ真のリーダーが必要とされている時代もありません。リーダーが不在の組織やチームは、当面はシステムによって動いていきますが、いつかは壁にぶつかります。その時、リーダーがいないと、どうにもなりません。先々の事を考えて、手を打っていくのがリーダーの仕事。例えば、今、正しいと思われるシステム(や考え方)でも、一度ブチ壊して、新たに組み立て直すことも、時には必要です。リーダーがいないと、そういうことは不可能ですよね。そのように先手を打って、壁にぶつかっても、何とか凌いでいける組織やチームをつくるために、リーダーの存在があります。そして私も、そのようなリーダーの一人になりたいと思っています。
さて、リーダーの頭の中には、常に様々な「問い」が存在しています。おそらく、24時間、無意識にですが、常に「自問自答」しているようなものです。そのほとんどが、「答えのない質問」なのかもしれません。それでも、たまには、「これだ!」という答えが見つかったような気がして、視界がパーッと開ける瞬間があります。でもまた別の「問い」によって消去されて、振り出しに戻る・・・そんなコトの繰り返しです。
最近、私の頭の中を大きく占めている「問い」があります。それは、「快適100年建築」と「美と夢と健康」という特殊な工法・技術を、なぜ私たち(丸二)が持っているのか・・・という根源的な「問い」です。答えは、なかなか出て来ません。そこである時点で、「持っている」を「持たされている」に変えてみました。すると、何か答えらしきものが、見えてきました。今までは、「持っている」と思っていたのです。ルネス工法にしても、外断熱工法にしても、自分たちが積極的に採用し、一生懸命取り組んで、身につけてきた技術です。だから私たち(丸二)の所有物のような気がしていました。でもそうではなく、もしかしたら、これらは「授かりもの」ではないか・・・そう思うようになりました。
ルネス工法や外断熱工法、あるいは建築医学。世のため人のためになる建築技術です。これは間違いありません。そのような価値ある技術を、複数持っているのは、確かに丸二だけだと思います。なぜ、大手ゼネコンでもなく、他の歴史のある地場ゼネコンでもなく・・・丸二なのか。いつも、私の頭の中にあるのは、このような「問い」でした。でも、ある時、「持っている」のではなく「持たされている」、いや「持たせていただいている」と知った時、何か、それ自体が、正しい答えのような気がしたのです。私たちには重大な役割がある。この「快適100年建築」と「美と夢と健康」を、社会に提供していくという。その役目を授かったのだと。
それはただ単に、一企業が、うまくビジネスを展開するためだけの、道具としての、「差別化商品」とか「武器」といった領域では捉え切れない、本当に、世のため人のためになる技術(考え方)を、社会に広めていくという「ミッション(使命)」として存在しているような気がします。だから、もっともっと、心置きなく広める努力をするようにと、促されているように感じます。建築のプロとして、良心の心で、ただやり続けなさいと。それに対して、私の心は、「はい、了解です!」。
「快適100年建築」とは、ルネス工法、外断熱工法、パワー・コンクリート工法です。「美と夢と健康」とは、自然素材、風水科学、建築医学です。この6つの技術を駆使して、人・環境・地球と共生する建築を、コツコツと創り上げていこうと思います。時間は掛かると思います。でも、地球は待ってくれませんので、「時間切れ、タイムアウト!」にならないように、がんばらないと!このような素晴らしい技術を授けていただいたことに、心から「ありがとうございます!」。
※燃え尽きる!
トスカニーニ.bmp
『トスカニーニ~生涯最後のコンサート』
ワーグナー:「ローエングリン」第1幕への前奏曲
同:「ジークフリート」~“森の囁き”
同:「神々の黄昏」~“ラインへの旅”
同:「タンホイザー」~序曲とバッカナーレ
Part 1
Announcement to begin Symphony No. 1(Brahms)
Part 2
同:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
【演奏】
アルトゥーロ・トスカニーニ(指揮)、NBC交響楽団
【録音】
1954年4月4日
大指揮者、トスカニーニの最後の演奏会。死ぬまで現役の指揮者が、文字通り、「燃えつきた!」瞬間が記録されています。ラジオでの実況生放送だったため、途中でトスカニーニが指揮棒を落とし、NBC交響楽団が演奏を止め、その間、ラジオのアナウンサーがコメントを入れ、急遽、用意していたテープ(ブラームス)を流し、またトスカニーニの演奏再開に合わせて、放送を再開。無事、演奏を続けることが出来ましたが、トスカニーニにとって、この演奏会が最後となりました。音楽は波動なので、同じ曲でも、演奏者の心のあり様が乗り移っています。そういう意味で、とても強烈で美しい演奏です(ちなみに、50年以上前の録音です)。